お茶会→穴の中
桃太郎、花咲か爺さん、白雪姫、赤ずきんなど様々な童話の国がある世界、フェアリーテイルズ。
その国の中の一国、不思議の国に私アインツヴェル──通称 チェシャ猫は住んでいる。
そして親友の有栖川 昴──通称 アリスと一緒にお菓子を食べていました。
…………過去形です。優雅にお茶会を楽しんでいたら、足下に魔法陣が広がって穴が開いたんです。
現在は薄暗い穴の中を落下中です。確かアリスがウチに来た時も穴に落ちたって言ってましたね。アリスの気持ちが分かったかもしれません。
そんなアリスは……………………
「何なの!!召喚方法って落とすしかないのか!?」
……叫んでました。なんか凄いキレてました。
「チェシャ猫ー!これ、行き先とか分かるー?」
「行き先ですかー?」
「あー……流石に無理だよなー」
「出来ますけどー」
「出来んのかよ!何で聞き返したんだよ!」
「だってネタバレは面白くないじゃないですかー」
「いいからさっさと教えろ!」
「了解でーす。行き先はユースガルドという世界にあるエルメスという国ですねー」
「知恵の魔術師の名は伊達じゃないな」
「目的は対魔王戦力の召喚、俗に言う勇者召喚ですねー」
「そこまで分かんのッ!?」
「………到着まで後10秒程でーす」
「えっ!マジかよ!」
「着地準備してくださいね~。
なーな、ろーく……」
「うわヤッバ!」
「……にーぃ、いーち、ぜろー!」
そして、薄暗かった私達の視界が明るくなった。