第十三話 ゴールド・ラッシュ
Re:behindにおける職業とは、何なのか。
それはやり方。それは手段。それは目的で、選択する才能だ。
誰も彼もが何か理由を見つけては、自身が良しとする物を選び取る……選び取れる物。
そんなリビハの職業を語る上で欠かせないのは、その『選び方』だ。
それは例えば、【正義】さん。彼女の場合は、自分が信じる義を成すために、誇り高い強さを求めて『騎士』を選んだ。
それは例えば、【死灰】のマグリョウさん。彼の求める物はひたすらな器用さ、そして他の追随を許さぬ強さであったから、とてもカラフルで実戦的なビルドになっているのだろう。
どちらも非常に彼ららしくあって、眩いまでに個性が光る。
そうだ。この世界の『職業選択』とは、個性なんだ。
その人物の――――人となり。
リュウの剣士も、キキョウの魔法師も。
俺のならず者も、ロラロニーの調教師も。
それぞれがとても『らしい』選択で、まさに各々を象徴していると言ってもいいよな。
……では、そんな中にあるMetuberは。
『さやえんどうまめしば』という者の個性とは、何なのか。
◇◇◇
◇◇◇
「――始めるぞ」
「応ッ!!」
「ふふふ、了解です」
「はいはいほー!」
「はいほ~!」
【金王】からなる不真面目な魔法師集団を背にする形で、油断なく弓を構えるリザードマン集団へと駆ける。
作戦目標を簡単に表現するならば――――『妨害役の妨害』と言った所だろうか。
いかにも小癪で、俺向きな感じだ。
「『我が二枚貝』」
「オラァ! 弓トカゲ共ぉ! 遠くからちくちく射ち腐って、恥ずかしくねぇのかぁっ!!」
「ちょっとリュウ! ここにも弓持ちはいるんですけど!?」
「おっといけねぇ、これは言葉のアヤってヤツだぜ」
「……それ、使い方あってる?」
「知らねぇ! かかっ!!」
盾持ちに弓使い、そして1匹の杖持ちとなれば――――恐らく杖持ちは、火力ではなく補助や回復役だろう。
盾で堪えて背後で癒やし、その後ろから矢の雨を降らす…………ああ、なんともお利口さんなパーティじゃないか。
で、あれば……俺が狙うは、盾持ちだな。
「『ギジャ』ァッ!」
「……敵視スキルか? 好きにしろよ……『ヴァイヴァー』」
反撃ダメージを発生させる『ヴァイヴァー』を発動させる俺の体を、ぶわ、と何かが通り過ぎる。すると、少しだけ盾持ちの存在感が増した。
多分挑発的なスキルなんだろうな。
モンスターじゃない俺には効き目は薄いし、お前とだけやり合う意思があるのは俺も同じだ。
そんなに熱心に誘ってこなくても、きちんと一途に相手してやるっての。
「ウオオオッ!!『漢の気合駆け』ェェッ!!」
「おお、何という雄々しさですか。これはもう、新たなスキルと言っても過言ではありませんね」
「いやいや、過言だと思うよ!? ただ突っ込んでるだけじゃんっ!」
「まめしばさんも、つっこむね~」
「あらロラロニーちゃん。上手いこと言うね」
弓トカゲ共に真っすぐ突っ込むリュウを横目で見ながら、トカゲの盾に剣を滑らせる。
そもそも、何で盾を使うんだ。……立派な鱗を持つくせにさ。
鱗の硬さに自信がないのだろうか。トカゲはどこまでもトカゲで、竜にはなりえないって所かな。
「ガァッ!」
「おぉう」
と、そんな余計な事を考えていたら、殺すつもりもなく出された俺の剣が強く弾かれ、体勢を崩された。
パリィとか、そんな感じの技能か。それとも単純な戦う術なのかもしれない。後者だったら末恐ろしいし、そんな手練さが好都合でもある。
「『ギュジュア』ッ!!」
「それを待ってた。『死人の荒い息遣い』」
そして勢いよく突き出される中盾が、俺の体にめり込む瞬間。
"盾で打ち付ける攻撃" が当たると同時に、用意してあったスキルを発動させる。
ならず者技能。『死人の荒い息遣い』。効果は "一定時間スペル・アイテムによる回復及び、自然回復効果を無効にする" という、とびきり悪どい物だ。
そんな強力な効果を持つ物だから、発動条件も厳しくなっている。
何しろいつも通りの『カルマ値減少』……その後ろには『大』の文面が続いているし、それに加えて『接触していないと効果は与えられない』とも書いてあるからな。
カルマは減るし、触っていないと出来ないスキル。
我が身と善性を捧げる覚悟を持って発動させる、冥府への道連れなスキルコンボだ。
無闇矢鱈な自己犠牲。心身と治癒ポーションの無駄遣い。
それをするのは何のためか……って言ったらそれは、気に食わない金ピカ野郎に、時間の猶予を与えるための物だけど。
そもそもの話、自己犠牲を嫌う人間だったら――――カルマ値を代償にするローグは、選んでない。
俺の心情は…… "身を捨ててこそ浮かぶ瀬も" ……ってやつだから。
◇◇◇
「ん~…………『ホーク・アイ』……」
「オラオラァッ! 俺っちが、オラァ!! ……ンォラァッ!!」
「『魔法は電雷、コイルを喚びだし――――』」
「むむむ~……」
リュウと弓トカゲの距離が縮まる。
語彙力が大変な事になっているが、気を引く事に一生懸命なのだろう。
そんなリュウの背後には、キキョウがわざとらしいまでに杖を掲げて詠唱を始め、まめしばが狙いをつけるフリをしながら…………しっかりと見ている。
職業は個性。人となり。
まめしばが選んだ狩人と言う職業は、彼女らしさを存分に発揮させる。
「…………わかったっ! 右から2番め! 黄色い鱗が、きっと妨害役だよっ!!」
「合点でぃ!」
「ふふふ、良いですね」
そんな彼女はMetuber。カメラで動画を撮影し、それで食い扶持を稼ぐアマチュアカメラウーマン。
その生き方に必要なのは、弛まぬ観察と明瞭な看破。撮れ高を逃さず、より良い動画にするために、どんな些事でも見逃さない。撮るべき物を瞬時に判断し、すばやくピントを合わせる手際だ。
狩人の技能『ホーク・アイ』。"一定時間、1秒で千を刻むほどの動体視力を身につける" 効果を発動した彼女は、ぎょろりとした三白眼で弓トカゲ共を瞬時に見比べた。
…………そして見つける、『リュウと金王を視界に入れながら、スペルの詠唱を始めたキキョウに視線を動かした弓トカゲ』を。
妨害役の勘か、魔力の流れとやらを感じたのかはわからないが、とにかく自分がすべきこと―――― "スペルの妨害" を考えたトカゲを、猛禽の瞳ですっぱ抜く。
小さな気付きにピントを合わせ、誰かが転べばそれを撮る。採掘中の不意に訪れた落石を、落ちてくるその瞬間からカメラに映す。
キキョウの小ボケにつっこんで、リュウの無茶に呆れて笑い、ロラロニーや俺の表情変化に声をかける。
彼女は、全てを見てるんだよな。観測者の、その心持ちでさ。
撮れ高を逃さず、気配りを厭わず、視線を駆け巡らせる事に余念が無いんだ。
とことん『見る者』。見逃さぬ者。
どんな変化も目ざとく見つけ、誰より早く反応を示す。
常にうつろう自然の中で生き、微細を嗅ぎ分け、獲物を狩る者。
まさしく『狩人』。彼女の個性は、それなんだ。
◇◇◇
「金ピカぁっ!! 行けるぞっ!!」
「……小銭がじゃらじゃら雑音をたてるなっ! 余の名はアレクサンドロス! 全てを手にした、純然たる大王であるぞ!!」
射られる役目を負っていたリュウに纏わせていたキキョウのスペル……『"離別のアネモネ"』。
ソレは骨の矢すら退けて、時折その身を掠る程度に留めている。
たまに後衛組に飛ぶ矢は……ロラロニーの『虫取り網 IN タコ』という前衛的な防御手段によって弾かれて。
そうしてまめしばが矢を絶え間なく黄色いトカゲを釘付けにし、隙を見てはキキョウがスペルを編み出し――――それをトカゲが必死に止める、と繰り返す。
場は整った。
後はアイツの――――『魔法師の極点』と言われるソレを、させるだけ。
「――――ふん、仕方ない。余の財産たちよ、支度せよ」
「かしこまりましたわ、旦那様」
「は~い、アレク様っ!」
「アレク様の命とあらば、私はいつでもどこででも、どんな事でもしちゃうのだ」
「リエレラもぉ」
…………本当、こと細かくうざいよな。
つーか支度って何だよ。準備があるならやっとけっての。使えない奴らだぜ。
「……ならば良し。では――――始めようではないか。黄金の世の開闢を告げる、我が金塊珠礫たる魔の法を」
「ああ、素敵ですわ。旦那様」
「私もきゅんきゅんしちゃうのだ」
盾持ちの攻撃を掻い潜り、ここ一番の打撃だけを受ける反射戦法。
元々あちらのほうがタフな事もあって、体力差が開き出す。
…………自分で選んだこの戦法だけどさ。
後ろからクソみたいな会話がわずかに聞こえてくると、どうしても後悔が湧き出てくるって物だよな。
マジで、早くしろっての。
俺への敵視を稼ぐのはもういいから。
きゅんきゅんしすぎて心臓麻痺で死ねばいいのに。
◇◇◇
「 "我は持つ。是が非もにべもを言い成らす、絢爛豪華な輝きを。余が名はアレクサンドロス" 」
――――……カン。
まめしばは狩人。
俺はならず者。
職業選択とは、自由に選べる生き方で、その者が持つ個性の発露。
しかし、魔法師は――――また少し違うのかな、と思う。
「 "黙せ、従え、頭を垂れよ。王を認めて地に満ちよ。金の草鞋で覇道を歩む、余が名はアレクサンドロス" 」
――――……カン、カン、カン。
炎や氷、風に雷。
念動力だったり、磁力だったり。
魔法師はそれ自体が個性なのではなく、『そうである自分が何をするか』が人となりなのかと、そういう風に思う。
「 "ペルセポリスを炎で燃やせ。ミレトス、イッソス、ハリカルナッソス。金輪奈落の果てまでも、全てに君臨せし余輩こそ――――アレクサンドロス・フィリシィ・ホーラ" 」
――――カン! カン! カン! カン!
きちんと筋が通るなら、大体何でも出来るのがRe:behindのスペルと言う存在。
燃費は悪い、成長は遅い、魔宝石も魔力ポーションも高いと色々困った事もあるけれど…………それを補い余りあるほど、抜群に自由で無限の可能性を持つ力。
そう、自由なんだ。
火が全てを焼き尽くすと思うのなら、そいつは炎のスペルを編むし。
風こそ至上の力だと思っているなら、きっと暴風を呼び出すのだろう。
可があり、不可が無いこの世界の魔法と言う物は。
自分が『これだ!』って思った物に、望みを託す信念の具現化なんだ。
だから思う。そこにきっと、人となりが現れるのだと。
その者が思い描いた『何かの力』とは、何なのか。
何でも出来る中から選びとったその特別とは、どんな物なのか。
その魔法師にとって、最も良いって思う物は。自分が一番に信じられる力は、何なのか。
どう生きて来て、どう生きて行きたいか。
それをあけすけに曝け出すのが、スペルという名の――――自己紹介。
「 "賛えよ! 讃えよ! その名を叫べ!! 余こそがアレクサンドロス! 金剛輪際の王であるッ!!" 」
――――カンカンカンカン!!
スペルの詠唱を開始した金王。
その声を追いかけるようにして、硬質的な何かがぶつかる音がする。
…………これは……鐘か? それも、荘厳な大聖堂にあるような物ではなく、粗雑な作りのタイプのやつ。
例えるのなら…………『鉱山で鳴るような音』、だろうか?
「……なんだ?」
続いて変化が訪れたのは、俺の足元…………地面の下、だろうか。
ゴゴゴだかズドドだか言うお腹の中を揺らすような音。そして小刻みな振動だ。
「おおっ!? な、なんでぃ!? 地震かぁ!?」
「……ほほう? このRe:behindでは、地殻プレートも生きているのでしょうか」
「わぁ~転んじゃうよ~」
「手、手ブレが凄いっ! 助けてっ!!」
膨らみ続ける振動と、地の底で何かが蠢くような不気味な音。
その地面の揺れはとうとう堪えきれる物ではなく、俺もトカゲも体勢を崩す。
『地震』――――――そんな生易しいモンじゃない。
地面が、波打っている。目に見えるほどに、ぐねぐねと。
……目が変になってる訳じゃないよな? こんな事ってあるか? 世界の終わりって感じだぜ。
「 "ひれ伏せぃっ!!" 」
そうしてとびきりに大声を出した金ピカを見やれば――――そこにはそれこそ目を疑うような、信じられない光景があった。
まず目につくのは、キラキラとした装飾の、贅を尽くした豪華な玉座。
そこにふんぞり返って座る金ピカの周囲には、クソッタレのハーレム共が勢揃い。
羽団扇で仰ぐ女、トレーに乗せた飲み物を差し出す女、扇情的な服装を身に纏い、金ピカに体を預けるようにして撓垂れ掛かる女…………。
ハーレム共を侍らせながら、肘置きに右手を置いて、どこまでも居丈高にこちらを見る男。そこにあるのは、まさしく王の風格だ。
…………どう見ても、愚王だけどな。
何してんの、コイツら。信じられない。
◇◇◇
―――― 一瞬の思考停止を経て、いくらか頭を冷やして見れば…………恐らく、あれは魔法なのかと思い至る。
『玉座を出すスペル』とか、『羽団扇を出すスペル』とか、『エロい格好になるスペル』とか、そんな感じのクソスペル。
貴重な魔力を消費してまで、一体何をしてるんだ……と呆れ顔になってしまうけど…………はたと気づいて、合点も行く。
そうか、ハーレム……そういう物か。
結局の所、あの一団は――――どこまで行っても『金王とその取り巻き』でしかなくて。
必要なのは『戦いのサポート』ではなく、『金王への媚び』だけだから。
だから、そうしているんだろう。
些細な攻撃スペルや、援護射撃などではなく…………ひたすら『金王を気持ちよくさせる』ためだけに振った、全力の接待。真剣なサービス。
そう考えれば、ある意味で……アイツらも真面目であるのかもしれない。
あの取り巻き共は奴らなりに、Re:behindで自分が出来る事をやっているのだと、そう思う。
気に入る気に入らないは、別だけどな。
傍から見てるとすっげえ気分悪いわ。馬鹿じゃねーのって感じだ。いや、馬鹿か。
「ガジャアァァッ!!」
「……チッ。お前もウザいっての」
――――それにしても。
思ったより大した事ないもんだな、竜殺しの【金王】ってのはさ。
結局さっきのは揺れただけだし、確かにひれ伏し……地面に手は付いたけど、トカゲの1匹も死んじゃいないし。
それどころかいち早く体勢を立て直した盾持ちが、俺に再び襲いかかってくる程に元気ですらある。
あれほど長々とスペルを編んで、とうとう発現させたのが『ただの揺れ』とは…………魔法師の極点が何たる物かと言わざるを得ないよな。
正直、ガッカリした。
「金王さんよぉ! お前のスペルはそれで終わりかっ? 存外つまんねー奴だなぁ!!」
「ああ、嫌ですわね。財が無ければ心に余裕すらもないようですわ」
「浅はか、と言う他ないのだ。呆れちゃうのだ」
「早る男ってぇ、リエレラきらぁい」
「…………んだよ、どういう意味だよクソ女共」
「ほんっとアンタって大馬鹿ね! アレク様の偉大なスペルが、これで終わりな訳ないじゃない!!」
……死ぬほどウザいハーレム共にキャンキャン言われて、俺の怒りがいよいよ……と言った所で――――地が動く。
収まらぬ揺れの中で、ぼこん、ぼこんと浮かび上がるのは…………大小様々な、石や岩。
ゆらりふわりと揺蕩うソレらは、一直線に空へと向かう。
――――夜。
そんな勘違いをしてしまうほどまでに、上を埋め尽くす……黒い影。
姿勢を崩したままのトカゲや、こちらへ突進の構えを見せていた盾持ちトカゲも……そして俺たちも。
一同揃って、空を見上げる。
「振る舞いである。我が黄金の一端を、その身を伏して浴び、跪拝して賜るが良い」
「…………マジかよ」
「これこそ余が魔の金飽かし。――――存分に味わえ……『黄金時代』」
金王が、頬杖をついていた右手を前に掲げ、力強く握りしめると……本当の魔法が始まった。
空へ浮かんだ全ての物体が、膨大な魔力を浴びて金色に変わる。
その尋常ならざるエネルギーを内包させた小石や岩が、キンキンジャラジャラと金貨袋のような音を出す。
…………スペルに疎い俺でもわかるぜ。
空に浮かんだ金色の物体は、ただ綺麗なだけじゃないって事くらい。
――――キュボッ!
一つ、先んじて遠くに落ちて行く、一つの金色。
雨粒よりも早いスピードで地に落ちたソレは、空気を斬り裂く音を出し……地面に付くと同時に――――――どかんと言う轟音を鳴らした。
…………ぱら、ぱらと舞い散る砂や土。無残に散った花のカケラと、金色の魔力の残滓。
直径2メートルにも及ぶクレーターは、深さも申し分なく、その威力をまざまざと語る。
マグリョウさんの爆発ポーションより、よっぽど威力のある爆発だ。キラキラ光るエフェクトを出しても、その暴力性は隠しきれない。
一発食らったら、普通に死ねる。
………………まずい。ひたすらまずい。
この状況は、ヤバすぎる。
空を見る。いくつあるのか、数えられない。数えきれない。大まかにすらも、わからない。
それが100や200で済むのなら……カウントするのもやぶさかではないって物だけど――――空を真っ金金に染めるほどのソレは、1000や2000じゃ効かないのだから。
あれら全てが『爆発物』。光の速さで降り注ぐ、一つ一つが決殺の死の雨だ。
ああ、どう考えても…………やりすぎだろ。
「――――お前ら全員、死ぬ気で逃げろぉぉっ!!」
魔法師の魔法は、人となり。
迂遠な物言いの金王らしい、揺らして浮かべて色を変えた後に落とすという……発動まで無闇な長さ。
これでもかってくらいにやりすぎな、面制圧のオーバーキルという……無駄遣い。
チームプレイなど知った事かという、爆風による味方殺しを厭わない……ワンマンプレイ。
石を金色に染める……『金メッキ』という成金ぶり。
全てがアイツらしくあり、尚且竜殺しらしくもあった。
見える範囲を全て破壊し尽くす、究極の攻勢魔法。
金の爆弾が、ジャラジャラ音を立てて降り注ぐ。
カジノ・スロットの、大当たりみたいだ。
…………当たったら、死ぬやつだけど。




