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第四十一話 Bad luck, have fun 3




「――技能(スキル)『斬鉄』っ! たぁっ!」




 シマリスドラゴンに向けて、全身全霊の斬撃を繰り出す。

 剣士のスキル効果、騎士の自己強化、そして【正義】の二つ名スキルである赤いオーラを剣身に這わせたこの攻撃は、一部の油断もない完璧な物だった。

 ……しかし。




「……くぅっ! やはり硬いっ! カチンコチンだっ!」


「『大樹の如く』! ……お言葉ですがクリムゾンさん、それは当たり前の話ですよ。先程僕たちがシマリス型ドラゴンにコテンパンにされてから、かの者には幾重の強化こそあれど――弱体等は1つもしていないのですからねっ」


「だが、【死灰】の剣は刺さっていたじゃないか! それもああまで簡単に!」


「……それは……」




 ……【正義】のクリムゾンが渾身ですら、こうまではっきりノーダメージ。

 それは当然の事でありながら、納得出来ない物でもあった。


 確かに私は先程の戦いで、その身の程を知らされた。

 手足による打撃も、剣先で一点を貫く刺突も、力任せに叩き斬る事も――そのすべてが無駄だとわからされた。


 だけれど、問題はその後だ。

 灰色の軽戦士(フェンサー)、【死灰】のマグリョウ。

 その者が繰り出した剣が、あろうことかあのシマリスの両足に深々と刺さったのだ。


 ……だから私は、何かが変わったのかな と思った。

 何らかの事があって、シマリスの防御力がいい感じに下がって、それで【死灰】の攻撃が通ったのかな、と。


 そして、もしそうであるのなら、それなら私の剣だって……シマリスを傷つけるに足りうるだろうと考えての判断だったけれど。

 しかして私の『真・ジャスティスソード』は、またもやシマリスに弾かれるだけだった。




「うぅ……どうしてぇ…………あの男と私とで、一体何が違うと言うのだぁ……」


「『前触れ飛礫(つぶて)』! 何か、種があるんです……よっ!――――『盾打ち』!――――それが何なのかはわかりませんけどねっ」




死灰(あの男)】の攻撃は効くのに、私の攻撃はちっとも効かない。

 それってなんだか……とってもずるいと思う。




     ◇◇◇




「――【死灰】っ! ねぇ、【死灰】っ! マグリョウっ!」


「……うるせぇな、殺すぞ腐れ正義」


「ひ、ひどいっ! ……じゃなくって! 教えてほしい事があるのだっ!」


「あぁ? 知るかよ――『きょっこう』」


「どうして【死灰】の剣は刺さったのだ? それには何か、理由があったのか? 教えてくれっ!」


「…………『かげろう』」


「――【死灰】っ!」




 シマリスドラゴンに纏わりつくようにして、じっくり様子見をしながら曲剣を振るう【死灰】に質問をぶつける。

 それさえわかれば、きっと状況が変わると思ったから。


 しかし【死灰】のマグリョウは、こちらをチラッと見るばっかりで、私の質問には答えてくれない。

 どうして? こんなにお願いしているのに。




「……どうして聞くんだ。気付く機会は……幾らでもあったはずだ。そうでなくたって、少しばかり考えを巡らせりゃあ……」


「あ、あのっ! 教えてほしいのだっ!」


「……チッ、うるせぇな。そんなんあいつの毛が……いや、それだけ知っても意味はねぇか。あ~……毛に……? ……毛を…………ああもう、クソが。だりぃ、めんどくせぇ、ウンザリだ。もういいわ」


「えっ……もういいって……? ど、どういう意味なのだ!?」


「……いらねぇっつってんだよ。この場にデクは必要ねぇ。すっ込んでろ」


「な……っ!」




 シマリスドラゴンと相対しながらも、思惑顔でぶつぶつと何事かを言っていた【死灰】のマグリョウ。

 そんな彼からとうとう返って来たのは、私を突き放す言葉だった。


 ……冷たい、大気を凍てつかせるような視線。

 そんな目をした男が、言葉にめいっぱい侮蔑の感情を込めながら、とっても酷い事を言う。




「な、なんて事を言うのだっ! そんなの無いよっ!」


「うるせぇ。このクソリス野郎は俺とサクリファクトでやる。お前は雑魚ネズミでも相手してろよ」


「だ、駄目だっ! 相手はあの『ドラゴン』だぞ!? みんなで足並みを揃え、協力をしなければ――……」


「協力? はっ! 物は言いようだな、笑えるぜ。自分で気づきも得られねぇ阿呆が教えてクレクレしてる様は、他でもないCarry依頼でしかねぇだろうが」


「キャ、キャリー?」


「…… "労せず利を得る寄生厨" って意味だ。だからデクっつってんだよ」


「…………っ!」




 ……なんて、なんて言い草! 信じられない!

 やっぱり【死灰】は【死灰】だった! この男は昔から、何ひとつ変わっていないのだ!


 サクリファクトくんと会ってから、いくらか雰囲気が柔らかくなったと思っていたけれど……それはすっかり勘違いだったようだっ!

 この男は、最悪だ! 身の毛もよだつ極悪で、【正義】とは決して相容る事のない邪悪の化身だっ!!




「うぅぅ~っ! もう! ……もうっ!」


「……『あかつき』」


「【死灰】なんかもう知らないのだっ! 後で "助けて~" って言っても、助けてあげないんだっ!」


「……んな事死んでも言わねぇよ。だからとっとと引っ込んで、次の出番までアホ面晒して待ち腐ってろ」


「…………くきぃ~っ!!」




 ああいやだ。本当にいやだ。

 この男は――【死灰】は、最低だ。

 どうしてサクリファクトくんはこんな男と親しく出来るのだろう。私にはそれが、さっぱり理解出来ないよ。




     ◇◇◇




「ギヂュゥゥァアアアッ!」




 ……切り替えよう。

 明日のために必要なのは、【死灰】と口喧嘩する事じゃない。

 私が今するべきなのは、このシマリスドラゴンをどうにかする事だ。


 結局攻略の糸口は全然教えて貰えなかったけれど、それでもとにかく立ち向かうのだ。




「――『疾駆』っ!」




 私の斬撃が当たったのはシマリスの横腹辺り。

 しかしそれはノーダメージで、何の影響も与えられなかった。


 それなら今度は……とシマリスの背後に回る。

 前が駄目なら後ろから。さっきの【死灰】みたいにたまたま刺さる場所を探して、あっちこっちを斬ってみるしかない。




「そこだぁっ!『ジャスティス・スラ――――」


「――すいません、ちょっと失礼します」


「わわぁっ!?」




 剣を振りかぶり、すっかり後ろを見せているリスに突撃しようとする私の体が、ふわりと浮かんで()()()()()

 一瞬何が起こったのかと混乱したけれど、すぐに冷静になって、そして気付く。


 サクリファクトくんだ。

 今私は……サクリファクトくんに抱えられているのだ。




「な、な……!? さくりふぁくとくんっ!?」


「すいませんね、いきなり。今のクリムゾンさんのルートだと、俺の罠をガッツリ踏む感じだったんで」




 その言葉が少しだけ早口に聞こえるのは、サクリファクトくんがスキル効果で加速しているからだろうか。

 うん、きっとそうだろう。何しろ運ばれているそのスピードは、『疾駆』を使用した時よりもずっと早いものなのだから。


 ……だけれど、それより。

 そんなサクリファクトくんよりも、ずっとずっと早い物がある。




「ひ、ひゃぁぁ~」




 それは私の……鼓動だ。

 心臓がどきどきなって仕方がない。


 ああ、どうしよう。

 私は今、サクリファクトくんにお姫様抱っこをされている。




「多分あのまま行ってたら、『ネバっとボム』をガッツリ踏んでましたよ。危なかったし俺の罠がもったいない」


「…………」




 先日のリスドラゴン戦、こうしてサクリファクトくんに抱えられた、忘れもしないあの日。

 ちょっとした荷物のように小脇に抱えられながら考えていた、"出来る事ならお姫様抱っこがよかった" という私の夢が。

 今この時に、叶ってる。


 ああ、大変だ。

 リスドラゴンを格好良く倒して、かと思えばあっさり叩きのめされて。

【死灰】に悪く言われたかと思えば、サクリファクトくんにお姫様抱っこをして貰って。


 嬉しかったり辛かったり、怒ってみたり喜んでみたり。

 心が休まる暇がなくって、今日はとっても大変だけれど。


 それでも私は、今日がとっても幸せなのだ。




     ◇◇◇




「ギギヂュゥッ!!」


「オオアアオーッ!」



「――おい、盾デブ。気配消せ」


「た、盾デブ……? それはまさか、僕の事でしょうか?」


「他に誰がいんだよ。ヒトのオーダーはさっさと実行しろ、ポンコツAI」


「…………『静林の如く』」




 そんなこんなでサクリファクトくんに抱かれたまま、リスドラゴンと戦う彼らを見る。


 リスの攻撃を主に受け止めているのは、従来通り壁役タンクであるタテコ殿だ。

 そんな彼の次に狙われているのは、性格の悪い【死灰】だった。


 ……攻撃自体の威力という意味では、ヒレステーキのほうが圧倒的に上かもしれない。

 だけど、"敵視ヘイト" 的にはマグリョウのほうが上回っているのだろう。


 なにせあの男は、先程自分を殺した者だ。

 それもひたすら煽ってなじって、極めて残忍な方法で殺した怨敵。


 それならああしてリスドラゴンに狙われているのも、理解出来る。

 ……恨みっていうのは、憎しみっていうのは、とっても根深い物なのだ。

 私が【死灰】を嫌だなって思っているように。

 そして【死灰】が私の事を、ひどく嫌っているように。




「……よし、今なら都合が良さそうだ。クリムゾンさん、作戦会議と行きましょう」


「へ? ……作戦……あっ! そ、そうだ! サクリファクトくんっ!」


「なんすか? 急に大声出して」


「先程の戦いで、【死灰】の剣がリスドラゴンのヒザに刺さっただろう? あれはどういうカラクリなのだ!?」


「え、それって……うわ……マジか。めちゃくちゃ大事な話だってのに、クリムゾンさんたちには話してませんでしたね。すいません」




 そう言って頭を下げるサクリファクトくんを見て、慌ててしまう。

 責めるつもりなんて毛頭無かったし、私をお姫様抱っこをしたまま下げられた顔がより一層に近づいて来た気がして、居ても立ってもいられなくなってしまうのだ。




「あ、や……ち、違うのだ! サクリファクトくんは悪くないっ! うん! 全然悪くないよっ!」


「いやぁ、でも……」


「わ、悪いのは――【死灰】! あの男だっ! 私がこの質問をした時も、全然教えてくれなくって……!」


「マグリョウさんが……?」




 そう、悪いのは【死灰】なのだ。

 奴が私にすんなり教えてくれれば良かっただけで、そうすればサクリファクトくんに要らぬ謝罪をさせる事もなかった。


 うん、そうだ。悪いのは全部、マグリョウなのだ。




「……そういえば、何か言い合いしてましたね。それがこの件っすか?」


「そうなのだ! 聞いてくれサクリファクトくん!【死灰】ったら酷いんだぞっ! 私があの男に声をかけたそばから、射殺すような視線で睨みつけてきて――――……」




 サクリファクトくんの服を掴みながら、先程あった出来事を――【死灰】に言われた酷い言葉を、ありのままに伝える。

 そんな私に対してサクリファクトくんは、少しだけ困ったような笑みを浮かべながらに、うんうんって相槌を打ちながら聞いてくれていた。


 ……私はヒーロー、Re:behind(リ・ビハインド)の【正義】さん。

 いつでもどこでも正義を行い、世界を正す有名人。

 そんな私であればこそ、こうして他愛もないお喋りをする自由な時間なんて物は、今までのRe:behind(リ・ビハインド)人生で、1秒足りともなかったと思う。


 ……だから、かな。

 こうして愚痴を言って、そして聞いて貰う事が、何だか無性に心地よくって。

 恐ろしいドラゴンを前にしていると言うのに、ずっとこうしてお喋りしていたいな、と思ってしまうのだ。




     ◇◇◇




「……"寄生" とは、流石にマグリョウさんが言い過ぎだなぁ。それは災難でしたね」


「そう、そうなのだ!【死灰】は血も涙もない奴なんだっ!」


「はは……それを本人に言ったら、『灰に流れる血や涙があるものかよ』とか言いそうっすね」


「あの男はいつもそう! 人を人とも思わずに、不真面目で不誠実に対応するばっかりなのだ!」


「いやぁ、はは――……あ」




 そんな私の話を聞くサクリファクトくんが、何かに気づいたような顔をして、くちびるを湿らせるように舌をぺろりと這わせた。

 そうして真面目な顔をしながら…………


―――― ~♪


 口笛を吹いた。




「……よし」


「…………?」




 ……なんだろう?

 ピ、ピ、ピ、と細かい3つの音の後に、どこかで聞いたファンファーレのようなメロディだった。


 それは何の音楽なのか、そしてどういう意図があるのかと聞こうとした私の目に、サクリファクトくんの真剣な眼差しが――そしてその先に居る【死灰】の動きが映る。




「こっちだ、クソネズミ」


「ギヂュァァ……ギッ!?」




 気配を薄れさせたタテコ殿の代わりにリスドラゴンから狙われる【死灰】が、惹きつけるようにして斜め右後ろへと後退する。


 それをまんまと追う二足歩行のリスドラゴンの左足が、ずぶりと地面に沈み込んだ。

 あれは……罠?




「カニャニャックさん謹製、『とろける地面トラップ』っす。『山ウツボ』の消化液を使ったそれは、狭い範囲の硬い地面を一瞬でドロドロにする良いやつなんすよ。ちなみにひとつ1万ミツっす」


「やまうつぼ……」




 それは確か、体長3メートルくらいの山に棲むウツボのモンスターだ。

 地中を食んで掘り進み、都合の良さそうな所に泥で出来た落とし穴のような物を作って、そこにハマった獲物を食べる肉食の()()

 そのお肉は白身でタンパクで美味しく、あとなんかお肌にも良いらしい。

 そんなコラーゲン的な栄養素がダイブ元の生体に送られるって効いた気がする。




「ギィァァァーッ!!」


「……次はコイツだ」




 突如として現れた泥沼に足を取られたリスドラゴンが、その足を引っこ抜こうともがいて暴れる。

 その間にも【死灰】は止まらず、少し離れた位置の地面を強く踏んだ。


――――ババンッ!


 何かが破裂するような音が鳴る。

 そしてそれに続いて


――――ギュリリリリ!


 と、壊れた目覚まし時計のような、けたたましい音がした。

 あれは……?




「『殺人ベーゴマ』。知り合いの鍛冶師やら細工師にパーツを頼んで作って貰った、俺のとっておきの回転ノコギリ罠っすね。ひとつで3万ミツくらいの費用がかかる高級品っすよ」




 じっと見ながら疑問を浮かべる私の心を読むようにして、サクリファクトくんが答えてくれた。

 ババンと飛び出たのは丸くてギザギザのノコギリ。ギュリリというのはそれが回転する音。

 そんな2つの丸い危険物が、【死灰】に向かって飛来する。




「――あ、あぶ……ッ!?」


「…………行け」




 真っ直ぐ飛んでくる丸ノコを、避けようともしない【死灰】。

 あわや自滅の大惨事――かと思いきや、そこには予想だにしない光景があった。



「えっ!?」



 高速で空を飛ぶ丸ノコ。

 それは両手を広げる【死灰】へ瞬時に辿り着き、彼が広げる外套部分に接触した。


 ……マグリョウが身にまとう外套。

 それはマントのようでありながら、ポンチョのように体の前身をも包む形状でもあった。

 また、それに加えて口元を隠すようにするためか、随分と布にゆとりがある物でもあった。


 そんな大きめサイズの外套を、コウモリの羽根さながら両腕で広げるようにしていた【死灰】。

 激しく回転する丸ノコは、その外套部分に接触し…………


――――ギャギギギギ!


 と激しい音をたて、外套の上を転がるように進み始めたのだ。




「お~、やっぱすげえ。マジかっこいい」


「な……っ!? なに、あれ……!」


「マグリョウさんの外套、防刃なんすよ。だから回転ノコギリでも斬れないし、ああやって体の上を走らせる事も出来る。……って言っても、いくら防刃とは言え常人には無理っすけどね。俺も一度試しましたけど、普通に怪我しましたし」




 そうして妙に得意げに話すサクリファクトくんの声を聞きながら、【死灰】の曲芸じみた行動を凝視する。

 右腕辺りから走り出した回転ノコギリが、全く速度を緩めないまま【死灰】の肩を登って行って、首の後ろを通り過ぎ――――左腕の先まで綺麗に進み、そのままの勢いで左手の先から飛び出して行く。


 その手が指すのは、もちろんリスドラゴンだ。

 回転する2つのノコギリが、追いかけっこするようにリスドラゴンの体へとぶつかった。




「ヂィィッ!? ヂィィィ!!」


「…………『はやぶさ』」




 リスドラゴンの体の上を、縦横無尽に動き回って追いかけっこする、2つのノコギリ。

 それに驚くリスに向かって、剣を逆手に持った【死灰】が迫る。




「……最高の位置取りだぜ、流石マグリョウさん――――シッ!」




 ……しかし、今度はそればかりじゃなかった。

 私を抱っこするサクリファクトくんが、私を足で支えつつ、黒くて大きめな石っぽい物を投げた。


 ずし、と落ちる大きめな石。

 それと同時に砂が吹き上がり、細い何かが()()()()()




「『びよーんって出る毒杭』。まだ試作のやつですけど、『サイ』の突進くらいは威力があるんすよ」


「…………」


「値段は8000ミツくらいかな」




 しなる木製の長い棒。その先に括り付けられた、太くて黒い杭。

 それがリスドラゴンの背中を打ち付けると同時に、正面から心臓辺りを狙う【死灰】の剣が突き刺さった。


 前後からの挟み撃ち。

 例えどちらも刺さっていなくても、その衝撃は深くまで届いた事だろう。




「…………わぁ……」




 ……思わず、感嘆の息が漏れ出した。

【死灰】の動きも凄いし、いつの間にかあんなにいっぱい罠を仕掛けたサクリファクトくんも凄いけど…………何より凄いのは、そのチームワークだ。


 ……これの全部が、あの口笛で?

 あんな短い合図だけで、この一連の動きをそれぞれ完璧にこなして見せたと言うの?




「……ははっ」


「…………」




 そんな連携の出来に満足したように、【死灰】が声をあげて笑い、サクリファクトくんが声を出さずにニヤっと笑う。

 そうしてちらりと一瞬交錯させた2人の視線の間には、他のどんな存在だって付け入る隙が無いように思えて。


 ……どうしてそんなに仲がいいのかな。それはとても羨ましいんだ。


 私だって仲良くしたい。そんな風に楽しくチームプレーがしたいよ。

 …………サクリファクトくんと。

 ……そして、マグリョウとも。




     ◇◇◇





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