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1話

今オレは花畑にいた。

いやオレは男ではない。『木戸 光』と言う名の女だ。

それにしても眼下に広がる花は綺麗だ。

まるで夢のようだ。鳥達も鳴いていて・・・

『これは夢だ!もう朝だぞ!起きろ!』

珍しいな鳥が喋るなんてもう夢とか関係なくここに居たいな・・・

それにしても耳辺りが痛いな誰かにかじられてる様な・・・

「起きろ!遅刻するぞ!」

目を開けてみると耳の近くにインコが居た。

「何だよ・・・せっかく寝てたのに起こすなよ・・・」

「せっかく寝てたのに・・・じゃないよ!下で叔母さんが呼んでいるぞ!」

この口達者なインコは『ピロ』と言う緑色のセキセイインコだ。

いつの間に滑らかに喋るようになった。これを『希少種』と書いて 

売れば大儲けだろうな・・・独身者向け商品として・・・

「――ってそんな事考える暇なんてないや早く着替えないと」

ピロをケージに戻して着替え始めた。

「おはようって叔母さんいないなぁ・・・あのアホインコ嘘つきやがったな・・・」

「後で焼いて喰ってやる」と呟きながらテーブルを見ると何やら置き手紙があった

『ご飯は置いてあります食べて下さい』と書いてあった。

テーブルの上には学校に持っていく用の弁当と大きめの皿の上におにぎりが複数あった。

冷蔵庫の中から野菜ジュースを取り出して持ってきた鞄の中にジュースと弁当を入れて

おにぎりをくわえて鞄を持って玄関に向かった。今の状態を叔母さんが見たら

『女の子なのに行儀悪いわよ!ちゃんと座って食べなさい!』と怒られそうだが今はいない

という現実。

「いってきまーす」

おにぎりをくわえながら言うとドアを開けて家を出た。

「はぁ~・・・だるいな~」

「そんな事言わないで頑張ろうよ?転校生も来るみたいだし」

オレが溜め息交じりで言った事にフォロー(?)を入れているのは『囲 竜也』だ。

小学校の頃からの幼馴染だがこの真面目おっとりキャラは昔から変わっていない。

「てか転校生って男?アンタと気が合う男がいるといいな」

カツアゲ被害常習者と気が合う男なんているのか?と心の中で呟いていると

「原田先輩から教えてもらった情報だと女と書いてあるよ」

『原田海斗』とはオレの先輩で企業秘密の情報網を駆使して人に情報を通達している

情報屋だ。迂闊に仲良くすると自動的に情報提供者なってしまうので注意が必要になる。

「後はこの雑誌を見ておけばいいと思うよ」

手渡されたのはアイドルの写真集(?)だ。

「このインデックスが貼ってある所を見れば良いのか?」

「うんそうだよ」

満面な笑顔で頷かれるのを見ると嘘ではなさそうだ。

「また放課後ね」

と竜也が言うと俺は自分の教室に入った。これが一番の苦痛である。

何故かと言うと教卓に突っ伏している教師がいるからだ。

「おーおはよーHR始まったら起こしてねー私は寝るからー」

このキング・オブ・駄目教師は『結城加奈子』だ。原田の家に居候していると言う

良からぬ噂があるが正直言ってどうでもいい事だ。

そして毎朝の日課になってしまったHRの2分前に起こすという使命。

まだ時間がたっぷりあるので竜也からもらった『color teen』と呼ばれる

アイドル写真集を見る事にした。

インデックスの部分のページを開くと『ミカ』と言う名前が書いてある女の子がいた。

へぇ・・・結構可愛いじゃんでも何でこの子の所だけインデックスが貼ってあるんだろ・・・

もしかして原田が好きなのか?

「へぇ~木戸さんってそんなの見るんだー」

近くにいた女子生徒が言ったのが聴こえると雑誌を慌てて鞄に入れた。

時間を見るともうHR2分前だったので先生を起こそうとしたが教卓にはいなかった。

「はーいHR始める前に今日から転校生が入る事になりました。さぁ入ってー」

先生が言うと扉が開き赤みのかかった茶髪女の子が入ってきた。

あれ?この子雑誌で見た事があるような・・・ 

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