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学園の神鳴り殺し  作者: 片岡 雅
-梅雨の修行旅:合宿編-
74/110

◇Op-2◇

 しばらく前まで鮮やかに咲き誇っていた桜でも、花びらが散っていってしまえば、それはもう鮮やかでもなんでもない。そこら中に散らばる地に落ちた花弁を見ていると輝いていた頃を思い出させてかえって虚しさを覚えてしまう。

 また、4月という時は過ぎ去っていってしまった。

 空気中に漂う水の粒子。もう時ははじまりのひと月を終えて、2番目へと――5月へと移っていた。それを思わせるかのように、青空は絶え間なく雨雲で埋め尽くされ、地に落ちた桜は雨が流していった。


「はぁ~。久しぶりの土見ヶ丘だけど、なんだかちょっと……嫌だな。こうもジメジメしてると。……まぁ、どこでもそれは同じか」


 国立神桜高校生徒の通学路として有名な桜並木坂。その坂を上りながら、彼女はいくつかため息を吐いていた。

 視界の一番奥に映る壁。普通に生活するぶんには何てことないのだが、視界にこうもはっきり映ると、なんともいえない閉塞感を覚えてしまう。――やはり、嫌なものだ。

 2キロほどのキャリーバッグを引っ張って坂を上るのもつらいが、そんな壁をずっと眺めているのも相当辛そうだ。


(こんな道、毎日毎日よくもまぁ通ってられるよなぁ……。ある意味尊敬するよ。あの子らを)「――おっ?」


 雨が、止んできた。それにつれて、今まで濁った灰色に包まれていた空にも少しずつ青の色が見えてきていた。薄っすらとだが、虹も見えてくる。


「こんな景色が見られるなら、こんな季節のまだ捨てたもんじゃないかな?」


 すうっとさす太陽の光。暖かい事には暖かいのだが、空気が湿っている所為か、かえって気持ち悪かった。

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