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第四十五話 終戦の宴、そして別れ

【蒼馬】

「急がないとねぇ。」


【一刀】

「くっ!はああああっ!」


よそ見をしていた蒼馬に、一刀が渾身の一撃を見舞う…


【一刀】

「星に願う乙女の祈r…」


ドスッ


【一刀】

「がはっ!」


【蒼馬】

「ごめんよぉ~、もう幕引きだ。」


蒼馬の刃に貫かれた、一刀の体…位置は、間違いなく心臓。即死であった。


【蒼馬】

「ふぅ~ぃ…これで、おじさんもお役御免だね~。」


変身を解いた蒼馬は、一刀の体を川の畔まで運んだ。


【蒼馬】

「さてと…急いで戻らないt…っ!?づあああぁぁぁっ!」


突然、蒼馬は腰を押さえて苦しみだし、その場でのたうち回り始めた…どうやら、発作がまた起きたようだ。しかし、今までの発作とは、比べものにならない苦しみようだ。


【蒼馬】

「が、ああっ!ああああぁぁぁぁっ!」




【華琳】

「…何なの?その力は…」


覇王の覇気で桃香を襲った華琳だったが、突然彼女の体から溢れ出したオーラが、華琳の覇王の覇気を消し飛ばしてしまった。


【焔耶】

「と、桃香様…?」


【蒲公英】

「何あれ?桃香様の体から、真っ白い光が…」


オーラは、真っ白い、優しく暖かな光を放ち、それに照らされた焔耶たちの金縛りも解けていた。


【桔梗】

「これは、あの光の力か?それにしても、なんと…」


それは、神々しい光だった…浴びていると心が洗われるようで…悲しくもないのに涙が溢れてくる…そんな光である。


【華琳】

「これが、蒼馬の言っていた力なの?力というか、これは…」


華琳は思わず、絶を取り落としそうになる。

この光は、聖者の覇気…これに触れる者すべからく、一切の敵意を、悪意を、戦意を失う。覇王の覇気も、鬼神の覇気をも、無力化してしまうのだ。


【華琳】

「えぇいっ!我は曹孟徳!我が覇道を阻む者は、何人たりとも…たりとも……」


必死に力を込めるが、絶を握る手は震え、その重さを支えるのも困難なほど力が抜けていた。


【桃香】

「…はぁぁぁぁっ!」


【華琳】

「くぅっ!」


桃香は剣を上段に構え踏み込み、華琳めがけ渾身の力で振り下ろした。華琳も、それを弾き返そうと絶を振る。


ガギィィンッ


【桃香】

「……」


【華琳】

「……」


華琳の手から離れた絶が、放物線を描いて地面に落ちた。

それとほぼ同時に、桃香の剣である靖王伝家も、回転しながら落ちてきて、桃香の後方の地面に突き刺さった。

相打ち…そう思ったのだが、ぐらりと桃香の体が揺れたかと思うと、そのまま彼女は倒れてしまった。


【焔耶】

「桃香様ぁっ!」


【蒲公英】

「桃香様!しっかり!」


金縛りの解けた三人が、すぐさま桃香の下に駆け寄る。


【桔梗】

「大丈夫、気力を消耗しただけのようじゃ…」


【焔耶】

「くっ!おのれ、曹操!」


焔耶は巨大な金棒を振り上げ、華琳に迫る…が、その一撃は横から突き出された偃月刀に止められる。


【霞】

「させへんよ。」


【焔耶】

「くそっ!どけぇっ!」


【桔梗】

「よさんか、焔耶!」


【焔耶】

「桔梗様?」


【桔梗】

「…負けじゃよ、ワシらの…」


桔梗の言う通り、大将が討たれた時点で、戦は終結している。もし、これ以上続けるなら、華琳たちは桃香を殺さなければならなくなる。華琳一人なら、焔耶たち三人がかりで退ける事も出来たかもしれない…が、霞がここまで来たという事は、すでに季衣や凪、秋蘭たちも、すぐそこまで来ているという事だ。


【桃香】

「…ぅ…桔梗さん?」


【桔梗】

「おぉっ!桃香様!桃香が目を覚ました。かなり疲労しているようだが、見た限り命に別状はなさそうだ。


【華琳】

「劉備。」


【桃香】

「曹操さん…」


【華琳】

「そのままでいいわ。霞、孫策を呼んできてもらえるかしら?」


【霞】

「ん?あぁ、えぇで。」


霞は孫策を呼びに行った。


【華琳】

「蒼馬が遅いわね。北郷に予想以上の苦戦を強いられているのかしら?それとも…」


華琳が不安げな表情を見せる…戦の勝者には似つかわしくない表情だ。


【蒼馬】

「心配は要らないよぅ~。」


【華琳】

「蒼馬!」


気づくと、蒼馬は華琳の背後に立っていた。空間転移で戻ってきたらしい。しかし、その表情はまたやつれている…。


【華琳】

「遅かったわね。それで?北郷は?」


【蒼馬】

「この通りだよぅ~。」


ドサッ


蒼馬は、左手で掴んでいた一刀の亡骸を、無造作に投げ捨てた。


【桃香】

「ご主人様!」


【蒼馬】

「約束通り…天の御遣いは、おじさんが仕留めさせてもらったよぉ。」


【桃香】

「そんな…」


【蒼馬】

「悪く思わないでおくれよぅ~、おじさん死神だからね。」


【一刀】

「…ん…んん……」


その時、一刀の亡骸が呻き声を発して身じろいだ。


【蒼馬】

「え?」


一同はぎょっとした。中でも一番驚いたのは蒼馬で、何ともマヌケな顔で一刀を見下ろしている。


【蒼馬】

「…どう、して…?」


確かに、彼は蒼馬に心臓を貫かれたはずだ。出血だって相当だったし、助かるハズがなかった。だが…ついには、起き上がり顔を上げて辺りを見回し始めたではないか。


【一刀】

「あれ?ここは…俺、どうなったんだ?」


【華琳】

「蒼馬?」


【蒼馬】

「違う違う違う!俺はまだ何もしてない!華琳がこれからどうするかによっては、一応助ける準備はあったけど…それはまだ…」


【一刀】

「……そうだ、俺!蒼馬に胸を…あれ?傷が…」


一刀の上着には、確かに蒼馬に刺された穴が残っていたが、その下の体には傷口などなかった。きれいに、塞がっている。


【桃香】

「もしかして、ご主人様の血が…」


桃香は、一刀が自身の血で桜香を生き返らせた事を思い出した。


【華琳】

「…蒼馬?」


華琳が再び蒼馬を睨む。約束が違うとでも言いたげだ。


【蒼馬】

「あー、いや…一度はちゃんと殺したんだよ~。ほんとだよ~…ちょ、一刀君!死んだフリして、死んだフリ!」


【一刀】

「え?」


蒼馬は必死に頼み込んだが、一刀は心底迷惑そうな顔で蒼馬を見つめた…。


【蒼馬】

「お願いだよ~。」


【一刀】

「……」


根負けした一刀は、嫌そうな顔でまた倒れ、動かなくなった。


【蒼馬】

「ふぅ~ぃ。これでよしと。」


【華琳】

「……」


【桃香】

「……」


【蒼馬】

「いや、ほら…そんな冷たい目で見ないでよ~…戦の決着はついたんでしょう?おじさんも、もう一刀君と戦い直す力なんて残ってないんだよぅ~。」


【霞】

「連れて来たで。お、蒼馬!戻ったんか?」


【蒼馬】

「や~、霞ちゃん!無事だったんだね?いや~、良かったよぉ~。」


【華琳】

「あ、逃げた…」


蒼馬は雪蓮を連れてきた霞の方に逃げて行った。


【雪蓮】

「…一刀?そう…一刀まで負けたのね……死んだの?」


雪蓮は一刀の亡骸を一目見て、訝しむようにそう尋ねた。


【華琳】

「えぇ、蒼馬は死神として、殺したという事にしたいそうよ。私にも前もって宣言していたし。」


【雪蓮】

「でも…」


【一刀】

「…死んでま~す…」


【華琳・桃香・雪蓮】

「「「……」」」


蒼馬のせいで、とんだ空気になってしまった…。


【華琳】

「劉備、孫策。本来なら、貴方たちの首を刎ね、一族を根絶やしにして禍根を経つべきなのでしょうけれど…二人と戦って、一つ面白い事を思いついたわ。」


【雪蓮】

「面白い事?」


【華琳】

「えぇ。二人とも、この大陸に平和な国を築くために、私に力を貸してくれないかしら?」


【桃香】

「曹操さん?」


【華琳】

「私は、二度と争いで国が分かたれぬように、私自身の手で国を一つに纏め、治めていくつもりでいたわ。だけど、貴方たちと戦い…少し、考えが変わった。」


【雪蓮】

「それって…」


【華琳】

「…私も、劉備の理想とやらに毒されたかしらね。」


【桃香】

「曹操さん。」


【華琳】

「劉備には蜀を、孫策には呉の地を預けるわ。貴方たちが民を苦しめるような悪政を行わない限り、私からは一切干渉はしない。また、私が同じような事をしようものなら、貴方たちが私を討ちなさい。」


【雪蓮】

「ちょっ!いいの、そんな事を言って。私たちが、何か因縁をつけて攻めるかもとか思わないわけ?」


【華琳】

「そんな事をしようものなら、全力で叩き潰すわ。私は、私の信頼を裏切った者を、決して許さない。貴方たちなら、そんな事はしてこないと信じられる。そう思えたからこその提案よ。」


【桃香】

「…なら、私も曹操さんを信じます。みんなが安心して暮らせる国創り、私にも手伝わせて下さい。」


【雪蓮】

「私も、父祖伝来の呉の地、その安寧が約束されるなら、これ以上剣を構える意味はないわね。」


【一刀】

「…これで三国同盟の成立だな。」


【華琳】

「死人に口無し。」


【一刀】

「酷くない!?」


【華琳】

「冗談よ。北郷…天の御遣いとして、三国の同盟成立の証人となって貰いたい。お願いできるかしら?」


【一刀】

「俺は、もう天の御遣いを名乗る気はないんだが…この国の、この大陸の、恒久の平和の為になら…我は天の御遣い、北郷 一刀。魏王・曹操、呉王・孫策、蜀王・劉備…三国の王たちによる同盟締結、しかと見届けた。では曹操よ…終戦の号令を。」


【華琳】

「ありがとう。今ここに、長きに渡る戦いの終結を宣言する!」


…黄巾の乱より始まった戦乱の日々は、こうして幕を閉じた。




傷ついた兵士たちは、成都の城にて治療を受けた。物資は華琳が提供してくれたし、治療に当たったのは他ならぬ、名医・華陀だ。おかげで、多くの負傷兵がその命を繋ぐ事が出来た。

そして、夜…終戦を記念して、三国の将兵たちが入り混じっての大宴会が開かれていた。


【蒼馬】

「ふぅ~~ぃ…」


月の見える城壁の上、一人佇み夜風で酔いを覚ます蒼馬。

彼にしては、少し長めの溜め息…飄々としながらも、一応は彼なりに気を張っていたのだろう事が伺えた。


【華琳】

「こんな所にいたのね。」


【蒼馬】

「やぁ、華琳。宴の主役がこんな所にいていいのかい?」


【華琳】

「…えぇ。というか、酔っ払いの相手は疲れるわ。」


そう言って、本当に疲弊した様子で溜息を吐く華琳…何があったのだろう?


【蒼馬】

「酔っ払い?そんな悪酔いする子いたかい?」


【華琳】

「桃香よ…まったく!人に抱き着いてきて、胸を触ってくるのよ!」


【蒼馬】

「いいじゃない、女の子同士なんだし。減るもんじゃないだろぅ?」


【華琳】

「そういう問題じゃないわよ!」


【蒼馬】

「難しいねぇ、女の子は…」


【華琳】

「貴方が女心に疎すぎるのよ…まったく…」


【蒼馬】

「あはは、否定は出来ないねぇ~。」


再び、蒼馬は月を眺める…その横顔は、彼に似つかわしくなく、何処か切なげで、儚げだ。


【華琳】

「蒼馬?」


【蒼馬】

「ん~?何でも無いよぅ。おや?」


【桃香】

「あ~!華琳さ~ん!なぁんで、そんな所にいるのよぉ~。」


【雪蓮】

「貴方もこっち来て飲みましょうよ~。」


かなり酔いの回った桃香と、ほろ酔いの雪蓮が、華琳を見つけて駆け寄ってくる。


【蒼馬】

「あ、劉備ちゃん!そんな状態で走ったら、色々と危なi…」


【桃香】

「うっ!」


突然、顔を青くした桃香は口を押さえて蹲った…走って一気に酔いが回ったのだろう。


【桃香】

「…気持ち悪い…」


【雪蓮】

「あちゃー…」


【華琳】

「今のうちに逃げるわよ、蒼馬。」


【蒼馬】

「仕方ないわね~。」


蒼馬は華琳を連れて空間転移した。


【雪蓮】

「あぁっ!もう、華琳に逃げられちゃったじゃない!桃香、大丈夫?」


【桃香】

「…うん。」


【雪蓮】

「でも、あの二人…な~んか、怪しいわね。蒼馬は得体も実年齢も分かんないけど、華琳の方はかなり蒼馬の事を気に入ってるみたいだし…」


【桃香】

「ですね。私に胸を触られたあと、かなり気にしてましたし…あれはどう見ても、恋する乙女の顔でした!」


【雪蓮】

「復活早っ!」


恋バナに反応したのか、それまで具合の悪そうだった桃香は飛び上がるような勢いで立ち上がった。


【桃香】

「確かめに行きましょう!」


【雪蓮】

「ちょ、桃香?何処へ行く気?」


【桃香】

「この成都の周りで、二人きりになれる場所…星や月が綺麗に見える場所というと、心当たりがあります!」


【雪蓮】

「どうでもいい事には頭が回るのね…」


【桃香】

「雪蓮さんは気にならないんですか?」


【雪蓮】

「気になるに決まってるじゃない♪案内して。」


【桃香】

「了解です♪」


二人は消えた蒼馬たちを追って、護衛もつけずに城を出て行った。

その頃、一刀はと言えば…


【愛紗】

「ささっ、ご主人様。」


愛紗が一刀の杯に酒を注ごうとする。


【一刀】

「ちょ、愛紗…俺、そんなに一気に飲めn…」


【蓮華】

「ちょっと、愛紗!貴方ばかりズルイわよ!一刀ぉ、はい。あ~ん。」


かなり酔いの回った蓮華が、酒のつまみを自分の箸で一刀に食べさせようとする。


【一刀】

「あ、あの?蓮華?」


【星】

「主、こちらのメンマも美味ですぞ。」


【一刀】

「こっちのもって、メンマだけで何種類あるんだ!?」


先ほどから、一刀は大勢の女性陣に囲まれ身動きが取れなくなっていた。


【一刀】

『何故、こうなった?』


【璃々】

「ご主人さま~。璃々の作ったお団子も食べて~。」


お団子を持ってきた璃々が、一刀の膝の上に陣取る。


【愛紗】

「なっ!璃々まで!ご主人様~?」


【一刀】

「俺は何もしてないっ!」


何もしてなくても、イイ男はモテるのである。イイ男の基準は、時代と場所によって異なりはするが。


【一刀】

『…助けて……せめて、厠に…』




一刀がピンチに陥っている頃、華琳と蒼馬は小川の畔にいた。昼間、一刀と蒼馬が戦った場所だ。


【華琳】

「…何をしたの?」


【蒼馬】

「いや~、やり過ぎちゃって…」


地形がめちゃくちゃになってしまったその光景を見て、華琳は唖然とする。


【華琳】

「ここまでするくらい、北郷は強かったのかしら?」


【蒼馬】

「あぁ、強かったよぉ~。そっちこそ、劉備ちゃんはどうだった?」


【華琳】

「……正直、貴方の読み違いだと思っていたわ…だけど、あんな力もあるのね。確かに、恐ろしい力だったわ。」


【蒼馬】

「でも、優しかっただろう?」


【華琳】

「…えぇ…」


【蒼馬】

「かつて、劉備ちゃんと同じ、聖者の覇気を開眼させた子がいた…まだ十歳ぐらいの男の子でね、劉備ちゃんに輪をかけたようなお人好しだった。一つの滅び去ろうとする世界を救う為に、自らの命を引き換えにするほどの、ね。」


【華琳】

「もしかして…貴方の?」


【蒼馬】

「違う違う。まぁでも…養子にしたいぐらい、いい子だったよ~。その子の願いも、劉備ちゃんと同じ…皆に幸せになって欲しい、誰も傷つかないで欲しい…それだけだった。そんな事、無理なのにね…それでも、それを知ってても願い続けた。己の無力さを噛み締めながら、それでも願うことを諦めなかった…今なら、その尊さが分かるだろう。」


【華琳】

「えぇ……この戦、真の勝者は、彼女よ。」


【蒼馬】

「だから、三国同盟を?」


華琳は黙って頷いた。その様子に、蒼馬は満足そうに微笑んだ。まるで、子供の成長を見届けた親のような、そんな表情である。


【蒼馬】

「…なら、もうおじさんは必要ないね…」


【華琳】

「蒼馬?」


【蒼馬】

「そろそろ、時間だ…」


それは、蒼馬の命がいよいよ尽きようとしているという意味だった。呪いの傷から絶えず消耗を強いられながらの、一刀との激しい戦闘は、彼の命を限界まで擦り減らしていたのだ。


【華琳】

「…そう…私は、後悔してないわよ!私は、私の歩んできた道に、誇りを持っているわ。」


【蒼馬】

「あぁ、知ってるよ~。」


【華琳】

「…見てなさい。貴方が、逝った事を後悔するような、素晴らしい国にしてみせるから…」


【蒼馬】

「…あぁ…」


【華琳】

「……っ!」


華琳は蒼馬に背を向ける…込み上げてきた涙を、見せないようにだ。


【華琳】

「…いい国に…してみせるから……そしたら、また…会いに来てよ……」


【蒼馬】

「それは、難しいかな…」


【華琳】

「来なかったら、許さないからっ!」


【蒼馬】

「あはは……さようなら、気高き覇王よ。」


【華琳】

「蒼馬…」


【蒼馬】

「さようなら…寂しがり屋の、女の子…」


【華琳】

「蒼馬っ!」


【蒼馬】

「……さようなら……華琳……」


【華琳】

「蒼m…」


ドスッ


【華琳】

「……え?」


涙でぐしゃぐしゃになった顔にも構わず、蒼馬の方を振り向いた華琳…瞬間、胸を突き刺すような痛みが彼女を襲った。

否…ような痛みではなく、本当に貫かれていた…


【蒼馬】

「……せめて、安からに。」

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