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契約

目の前には、高々とそびえ立つビル・・・・・。そして、それを睨みつけるかのように見上げる無言の少女一名。



「・・・・来てしまった。」


気持ちはまさに罠だらけの城へ乗り込むかのように、びっくり箱を開けるかのように、彼女は胸を高鳴らせる。

これが、良いか悪いかなんてわからない。ただ、これは無駄にしてはいけないものだと好は自分の直感を信じた。



「すみません。雨宮 好と言う者ですが、社長と面会をお願いします。」


一瞬、受付嬢がいぶかしげな顔を見せる。まぁ、こんな女子大生がいきなり社長に会わせろというのだから無理もないが・・・しかし相手もプロである。


「雨宮様、でございますね?失礼ですがアポはお取りになっていらっしゃいますか?」


すぐに反応が来る。


「はい。」


「かしこまりました。では社長に確認をいたしますので少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・はい。

雨宮様、すぐに案内の者が参りますのであちらでお待ち下さい。」





数分後、すぐにそれらしき人が来て好は案内されるがままエレベーターに乗った。


いよいよだ・・・・・




社長室らしき立派な扉が見え、好は汗ばむ拳をにぎる。



「失礼します。社長、雨宮様がお見えです。」


「・・・・どうぞ。」




開かれた扉、その先にはこの間と変わらず凛々しい人物が見える。



「よく来てくれたわ、どうぞお掛けになって。」


「失礼します。」




そして、好は彼女を見据えた。



「そうね、・・・・・先にあなたの疑問を解消させてあげるべきかしら。」



「え、」



唐突な話題に好は反応が遅れる。






「気になっているんでしょう?どうして自分が私にいきなり声をかけたのか。


 顔に書いてあるわ。」




息を飲む好をよそに桜井は続ける。




「・・・・・まあ、簡単に言えばそうね。あなたをある人物にあてるのに最適な人材だと思ったから。」





「・・・・・ある人物??」




「そう。でも彼に会わせるためには、いくつかこちら側の条件を呑んでもらうわ。」



一方的な、交渉に好は思わず声をあげた。




「ちょっと、待ってください!・・・・・話がさっぱり読めません。」




「安心しなさい。これはちゃんとしたあなたのデビューを考えた話よ?まぁ、最後まで聞いてからでも声を荒げるのは遅くないんじゃないかしら。」




そういわれれば、当然好は黙るしかなかった。



そして、これを見なさい。と差し出された用紙に好は目を通す。














・・・・・・・・・・・彼女は絶句した。







1、プロフィールすべてを非公開にしてデビューすること。

2、雨宮好の歌手としての権限はすべて事務所側にあるということ。

3、事務所は好を男性アーティストとして売り出すということ。

4、もし正体がばれた場合、即事務所をやめてもらうこと。



「な・・・に・これ・・・・。」



要約するとそんな内容の書かれていた契約書を、好は茫然と見つめる。




「どういうこと、ですか、これ」


その声は震えながら、桜井に問うた。

・・・・・なかなか、すすまないorz。

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