合成魔法
この世界には、四つの国があった、獣国ウルフェル、魔国シウヴェナ、美国ナルシス、そして―――神聖皇国シルヴァニアス。
魔国は、何の活動もない荒れた土地と言われていた、しかし入ったものは必ず帰っては来れなかった。
そして、ブレイズ4000年…魔国から大量の魔物が現れた。
ウルフェル、そしてナルシスが占領され、運よく生き残った者がこの国、そうシルヴァニアスに集まった。
しかし、シルヴァニアスはすべての生き残った人を温かく迎えた。だが、ナルシスの国民は他の国民を自分より下の物とみる国民が多かった、シルヴァニアスで無理やり結婚させたり、暴動を起こしたりした。
更に、獣国の住民を奴隷としてまで扱った。
シルヴァニアスは、ナルシスの王に話をし、そのような扱いや暴動はもうない、しかしナルシスの国民は生活の中で差別を行うものが少数だがまだいる、さらには、救ったシルヴァニアスの住民さえも見下す者も僅かだがいるのだ。
しかしある白魔道師が作った合成魔法、『心身浄化』が国全土に降り注ぎ、そのようなことはなくなった、合成魔法とは、ある魔法とほかの魔法を合成し、一つの魔法として改造することである、大抵の場合は失敗するようだが、俺には才能があるようで、適当に作ってくださいと言われたため創ってその魔法を使ってみたら…
「どうやったらこうなるんですか…」
「あ、ありえん」
「あ、あははははは…」
俺の放った合成魔法『光聖霊の大弓――疾走』が練習場を無に還したのだ。
「どうしましょう…」
「でも、これくらいの魔法放てる人なんて沢山いるんでしょ?」
「いますが、これを時魔法で戻すことはできませんね」
「え?なんで?」
「それは…この魔法に光の聖霊の力が宿っているからです」
なんてことだ、しかし俺の頭には新たな考えが出てきた。
「俺の魔法のせいで治せないなら、俺が時魔法で治せばいい!」
「それもそうですね!でもできるのでしょうか?」
「できる!けど…」
「けど?…」
「魔力足りないっ!」
フラッ
そしてそのまま紫雨は倒れた。