やっぱりバレバレ?
「――おっはよ〜、琴水ちゃん! 今日のオススメはなに?」
「おはようございます、美唯さん。本日はモンブランが大変オススメです。実は昨日、とても上質な栗が収穫できましたので」
「わぁ、モンブラン大好き! じゃあそれとカフェオレで!」
「かしこまりました、美唯さん。それでは、お席へどうぞ」
それから、一ヶ月ほど経た朝のこと。
扉が開くやいなや、満面の笑顔でご挨拶をしてくださる可憐な女性。眩いほどのその笑顔に、お迎えする側のこちらが元気をもらってしまいます。
さて、優星さんの時と同様こちらの女性――美唯さんも当店を気に入ってくださり、お一人でもこうして何度も足を運んでくださっていて……うん、本当にありがとうございます。
「……わぁ、めっちゃ美味しい。こう、栗の濃厚な甘みがぶわっと口の中に広がって……うん、今までのモンブランで一番美味しい」
「ふふっ、ありがとうございます美唯さん」
それから、ほどなくして。
モンブランを口に含むやいなや、綻んだお表情でご感想をくださる美唯さん。そんな彼女のお言葉に、こちらもきっとすっかり表情が緩んでし――
「――ところでさ、琴水ちゃんは斎月さんのことが好きなんだよね?」
「……ふぇ!? あ、その……やっぱり、分かります?」
「ふふっ、ほんと可愛いなぁ琴水ちゃん。うん、たぶん誰でも分かると思うよ? だって、めっちゃ分かりやすいし」
「……そ、そうですか」
そんな感慨の最中、ふと揶揄うような笑顔でお尋ねになる美唯さん。……うん、ほんとにみんな分かるんですね。分からないとすれば、その当人たるあの鈍感さんくらいでしょうか。
「うん、琴水ちゃんなら大丈夫だよ。だって、こんなに可愛くて一生懸命なんだから。絶対、いつか斎月さんも振り向いてくれるよ」
「……そ、そうですか?」
「うん、琴水ちゃんなら絶対……だって、私と違って琴水ちゃんは……」
「……美唯さん」
すると、優しい笑顔で励ましてくれた後、最後の辺りで俯いてしまう美唯さん。あれから、およそ一ヶ月――想い人たる男性、奏さんをまだお誘いできていない状況に甚く不安になってしまっているのでしょう。……ですが、
「……美唯さんなら、絶対に大丈夫です。歳上の方にこのような表現は失礼かもしれませんが、美唯さんは本当に可愛らしいと思います。そして、とても明るく優しくて……何より、奏さんを本当に深く想っていらっしゃいます。なので……必要なのは、ほんの少しの勇気だけです。私も、斎月さんも……そして、ここにいる皆さんも美唯さんを応援していますから」
「…………琴水ちゃん」
そう、そっと手を取り告げる。すると、目を見開き私を見つめる美唯さん。そして、ゆっくりと見渡し私の言葉が事実であることが分かったのでしょう、安堵したように微笑む美唯さん。……ええ、大丈夫ですよ、美唯さん。みんな、貴女を応援していますから。




