39 僕が、剣を振るう理由は1
ごうっ……!
転移魔法陣が起動し、光があふれる。
一瞬の後、僕はリビティア王城の転移魔法陣の間に立っていた。
そこには、ドレス姿の三人の少女の姿がある。
中央には、先日会ったリビティア王国の第一王女シェラ。
その両隣には、彼女とよく似た顔立ちをした二人の美少女の姿がある。
「ようこそ、リビティア王国へ」
シェラが嬉しそうに微笑み、僕に歩み寄った。
「ヴァールハイト帝国より参りました。クレスト・ヴァールハイトです」
僕は一礼する。
「ほほ、堅苦しい挨拶はよかろう。それより、そなたを妹たちに紹介したい」
シェラはますます嬉しそうな顔で僕の隣に立ち、振り返る。
「右が第二王女ルーフィラ、左は第三王女ポーラ。それぞれ十三歳と十歳じゃから、そなたよりも年下になるの」
ルーフィラは温和そうな印象で、ポーラはクールな雰囲気があった。
その美貌で名高いリビティアの三姉妹――。
「二人ともわらわと同じく美少女じゃろう?」
シェラが悪戯っぽく笑った。
「ただ、クレストはわらわと夫婦になるのだから、いくら美人でも他の女に目移りしてはいかんぞ?」
と、釘を刺す。
「あらあら、シェラお姉さまはヤキモチ焼きですね〜」
おっとりした雰囲気のルーフィラが柔和な笑みを浮かべた。
「そもそも、まだ婚約が決まったわけじゃないでしょ」
クールな印象のポーラが冷静に言葉を挟んだ。
「何を言うか、そなたたち。わらわとクレストが結ばれるのは運命なのじゃ。誰にも邪魔はできんし、邪魔はさせん」
シェラが強い口調で宣言した。
「それは巫女として見えた未来ですかしら〜?」
「ただの願望を神託と勘違いしているんじゃないの?」
ルーフィラとポーラがそれぞれ反論する。
「巫女……?」
僕はシェラを見つめた。
「わらわたち三姉妹はいずれも巫女としての力を持っておる。噂には聞いておろう?」
「はい。ただ三人とも、というのは知りませんでした」
答えると、僕は内心でつぶやいた。
未来が見える……か。
一体、どの程度の未来が見えるのか。
そして、それはどの程度の正確性があるのか。
そこまで考えてドキリとした。
まさか――僕が彼に転生したことまで見通しているのだろうか。
「興味があるなら、後ほどゆっくり話してやろう」
シェラが楽しそうに笑う。
「わらわとしては、そんなことより恋を語り合いたいが、の」
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