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34 リビティアの王女シェラとの出会い2

 その夜、帝城の大広間は大勢の貴族たちで埋め尽くされていた。


 優雅な音楽が流れる中、僕とフラメルは喧騒から離れた場所で寄り添い、静かに言葉を交わしていた。


 正直、騒がしいのは好かないし、華美な場所もそんなに好きじゃない。


 こうしてフラメルと二人で過ごす時間が、一番落ち着くんだ。

 と、


「ご静粛に願います! 本日の祝宴に、帝国の盟友たるリビティア王国より、シェラ・リビティア第一王女殿下がご到着いたしました!」


 使者の高らかな声とともに、広間の巨大な扉がゆっくりと開かれる。


 金色の美しい巻き毛に澄んだ青い瞳を持つ、人形のように愛らしい少女が歩いてきた。


 諸国にその美貌を噂されるシェラ・リビティアだ。


 彼女は、いずれも美少女ぞろいの使節団を率いて堂々と広間に進み出る。


 その場にいた誰もが息をのみ、会場の空気が一気に華やいだ。


「わらわがシェラ・リビティアじゃ。ヴァールハイト帝国の皆の者、そして英雄クレスト殿とフラメル殿の凱旋を心よりお慶び申し上げる」


 シェラは優雅に礼をしながらも、その視線はまっすぐに僕だけを捉えていた。


「まあ……」


 と、僕の顔を見て感嘆のため息を漏らすシェラ。


 なんだろう――?


 と、シェラは形式的な挨拶もそこそこに、まっすぐ僕の元までやって来た。


「そなたが噂の英雄、クレスト殿じゃな。噂通り――いや、噂以上に美しい顔立ちじゃの。男とは思えぬほど綺麗で……わらわは、うっとりじゃ」

「……恐れ入ります、王女殿下」


 僕は無難な返事をすることしかできない。


「堅苦しいのう。わらわは十九、そなたは――確か十七であろう? 年齢も近いのだし、もっと砕けて話さぬか?」

「……殿下の仰せとあらば」


 相手は同盟国の第一王女だし、僕は慎重に言葉を選んで答えた。


「ふふ、実はのう……そなたを見た瞬間に、ビビっと来たのじゃ」


 だけど、シェラはそんなことにお構いなしで、ぐいぐいと距離を詰めてきた。


「ビビっと……ですか?」

「うむ。ずばり――一目ぼれじゃ!」


 彼女は満面の笑みで、堂々とそう宣言した。


「えっ……?」


 僕は驚きのあまり固まってしまった。


 隣に立つフラメルも、目を丸くしてこちらを見ている。


「結婚せぬか、クレスト」


 シェラはいきなりとんでもないことを言い出した。


「け、結婚!?」

「そうじゃ。わらわとそなたが婚姻し、両国の絆をいっそう深める――悪くない話ではないか?」

「い、いや、あの――」


 あまりに突拍子がなさすぎて、僕の頭は完全に思考を停止していた。

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敵国で最強の黒騎士皇子に転生した僕は、美しい姉皇女に溺愛され、五種の魔眼で戦場を無双する。


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