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29 烈火の決着1

 こいつ、命と引き換えに僕を――。


 僕はゴクリと喉を鳴らした。。


「逃げられないことは悟っているようだな」


 ごうっ、と音を立てて、ウェインガイルの周囲に無数の黒い火球が浮かび上がった。


 その数は、数百単位。


 さっきと同じく圧倒的な手数で僕を近づけさせず、そのまま押し切るつもりか。


「――いや、そんな温い手で来るような奴じゃないな、君は」


 僕は剣を構えなおした。


「行け」


 ウェインガイルが短く命じると、無数の黒い火球が一斉に放たれた。


 だけど、それらは僕に一直線には向かってこなかった。


 無数の火球が僕の周囲、半径十メートルほどの地点に次々と着弾する。


 ぼっ、ぼぼぼっ……!


 着弾した火球は爆発することなく、まるで意思を持つかのように形を変えていく。


 やがてそれは、黒い炎でできた人型になった。


 いわば炎の兵士――。


 その軍勢が一斉に襲い掛かってきた。


「このっ……」


 単純な火球であれば、剣が生み出す風圧で吹き飛ばしたり、斬撃の勢いで斬り散らすこともできた。


 けれど、炎の兵士たちは簡単に吹き飛ばせない。人型の体を維持したまま、執拗に攻撃を仕掛けてくる。


 四方八方から、間断なく繰り出される攻撃。


 それに触れないように立ち回るだけでも、至難の業だった。


「はああああっ……!」


 僕は残り少ない体力を振り絞り、人間の限界を超えるほどの動きで炎の兵士たちの猛攻をかいくぐっていく。


 狙うは、軍勢の向こうにたたずむウェインガイルただ一人。


「鈍いな、動きが」


 ウェインガイルが口の端を歪め、笑う。


 確かに、体力の消耗は隠せなかった。


 動きの切れが、明らかに落ちているのを実感する。


 どうしても、距離を詰め切れない。


 炎の兵士たちが、さらに数を増して襲い掛かってくる。


「このままじゃ、押し切られる――」


 焦りが、じわじわと僕の心を侵食する。


 ――と、そのときだった。


「させない……!」


 凛とした声が背後から響いた。


 振り返ると、そこにフラメルが立っていた。


 その顔は青ざめ、今にも倒れそうだ。


「クレストくんは――あたしが守る!」


 フラメルの体から淡い緑色の光があふれ出した。

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