【小話・3】モンスターハンター
ヴィリーが新しいテレビゲームを始めた。
「モンスターハンター」と言う、人間界で人気のゲームだ。
そこへ猫ミケがテリトリーの見回りから帰ってきた。
「ヴィリー、腹が減ったでありんすよ。」
ミケはヴィリーに「スリッ」としたが、ヴィリーはゲームに夢中だ。
ミケは仕方なくテレビの前に猫座りして
「腹が減ったでありんす!」
と、叫ぶ。
ヴィリーはミケで見えない部分を避けるように、左、右、左と、体を揺らす。
そして
「ちょっと待ってろ。このモンスター倒したらやるから。」
と、言うと眉間にシワを寄せたかと思うと
「よっしゃ!捕獲ライン!やっとクエストクリア出来る!」
と、ニコニコしだした。
わっちは後ろを振り返りテレビを見た。
「罠」を仕掛けようとしたヴィリーのキャラがモンスターに走って近付いた瞬間。
「ででーーーん。」
と、言う効果音がテレビから流れ、「クエストに失敗しました」と、表示され
「ぐああああぁぁぁぁ!!俺の30分がぁぁぁ!!」
と、ヴィリーが頭を抱えた。
ミケはジト目でテレビを見ながら
(…ヴィリーは体力減ってるのに回復しないで突っ込むし、罠を仕掛ける時も不用意に近付くから被弾するんでありんすよ。)
と、思いながらテレビの前から去る。
ご飯にはまだしばらくありつけそうにないと思ったからだ。
そして
「くっそぉ…これもミケのせいだ…。お前は解雇だ!」
と、叫んだヴィリー。
ミケは驚いて
(はぁ?わっちは知らないでありんすよ!猫ばりの転嫁行動てありんすね!!)
と、文句言ってやろうと思ってヴィリーに近付くと、ヴィリーは
「よし、今度はこのミケを連れて行く!…あれ?お前じゃない…こっちか?いや、違う…あれ?どいつだ?」
と、テレビに向ってブツブツ言っている。
ミケもテレビを見る。
「オトモアイルー」の名前が全て
ミケ
ミケ
ミケ
ミケ
ミケ
ミケ
と、ミケの文字が並んでいる。(しかも全部三毛模様)
そして
「ヴィリー、お前さんはバカでありんすか?(知ってた)」
と、ミケはイカ耳にしながらヴィリーに言う。
ヴィリーは
「は?何でだよ。」
と、目くじらを立てる。
「名前も模様もミケとかバカでありんすか?」
ミケがそう言うと、ヴィリーは気持ち悪い笑顔で
「」