【小話・2】置き物
ヴィリーがまた人間界に行っていたらしく、「お土産」をたくさん買ってきてご満悦だ。
ミケは縁側でコテコテしながら
「ヴィリー、またたくさん買ってきたでありんすね?」
と、言うと
「ああ!お前の分もあるぞ!」
ヴィリーがニコニコしながら紙袋をガサガサしている。
ミケはムクッと起き上がり
「ちゅーるか?!ちゅーるでありんすか?!」
と、目をキラキラさせている。
「ちゅーるはダメだって言ったろ?お前デブまっしぐらなんだから!」
ヴィリーはまだガサガサしている。
「けちでありんすねぇ…。」
ミケは不貞腐れて背中を向ける。
すると、やっと目的の物を見つけたヴィリーが
「あったあった!これだ!」
と、紙袋からそれは出てきた。
─ドーーーーーン!
それはでっかい「招き猫」の置物だった。
でっぷりして目はクリクリの三毛猫の招き猫。
「これよく出来てると思って買ってきてやったよ!」
ヴィリーはケラケラ笑いながら言う。
ミケも「何でありんすか!このデブ猫は!」と笑いながら「招き猫」に近づく。
そして
「いやぁデブだけじゃなくブッサイクでありんすねぇ(笑)モデルの顔を見てみたいでありんすよ(笑)」
と、招き猫の頭をポンポンと前足で叩く。
ヴィリーは
(いや、知らねぇから仕方ねぇが…モデル、おめぇだからな!)
と、笑いをこらえるのに必死だった。