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幼馴染ともう一度  作者: BUG
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家庭教師

 またしても2週間ぶりになってしまいました。ごめんなさい。<(_ _)>

 その後、なんだかんだあったものの、由美乃と京子のバトル(?)は続いていた。由美乃の父親との約束で、俺は京子と一緒でないと由美乃には会えなかったので、京子に「由美乃が好きだ」とはっきりとは言えなかったからだ。それを言ってしまえば、おそらく京子は俺と一緒に遊ばなくなるだろうから、そうなると由美乃とも会えなくなってしまう。


 だが、俺達が中3になり、京子と初美が同じ中学に通うようになると、由美乃と顔を合わせる時間は激減した。小学校よりも中学校の方が終業が遅いし、中学からはクラブ活動も始まり、京子の帰宅が遅くなったからだ。俺や英治はクラブには所属しても結構すっぽかしていたが、京子や初美は真面目に活動していて、ヘタをすると日祝日に活動することもあったので、なおさらだった。

 京子達のそういう状況に加え、俺自身は受験を控えていたので、巻き戻る(タイムリープ)前のもともとの俺の時と同じように、由美乃との接点がなくなってしまうことを懸念していたのだが・・・


 「はっちゃんのご両親から、1学期だけでいいから数学を教えてくれないか、だって。」


 そう言えば、そんな(イベント)があったな。


 もともとの俺は、小学生時代から算数の成績だけはずば抜けていて、同級生から「算数の神様」なんて呼ばれていたので、仲間内で遊んでいる時に、そんな話が出なかったわけではなかった。だが、女の子達の中でリーダー的存在だった京子が、実は大の勉強嫌いで、勉強の話になるとあからさまに嫌そうな顔をするので、いつもそこで話が終わってしまったのだ。京子の成績のことなど俺は知らなかったから、俺から勉強を教えるなんてことも言い出せるはずもない。


 「やめといた方がいいんじゃない? どうせ、京ちゃん嫌がるよ?」

 「今回ははっちゃんから両親を通じてお願いされたのさ。京ちゃんは関係ないわよ。」

 「はっちゃんが? 俺に直接言えばいいのに?」

 「バカだね、それこそ京ちゃんに気を使ったんだろうよ。親から言われたことにしておけば、一緒に勉強するって言うならまだしも、そうでないなら京ちゃんが何言おうと関係ないじゃない?」


 なるほど、直接俺に言うとなると、初美と京子は家の外ではたいてい一緒だから、京子がそれを聞いて嫌な顔をするのは明白だ。初美らしいというか、機転を利かせたということか。


 「なんでも、中学生になって、授業についていけなくなったんだって。このままじゃ高校に行けないって、かなり焦ってるみたいだよ。」


 当時は、高校への進学率は確か90%行くか行かないかぐらいじゃなかったかな? 今のように無償化ではなかったので、授業料の高い私立高校だと裕福な家庭でないと難しいみたいだったし、どうしても高校に進学したいと考えるなら公立高校という選択肢しかなかったわけだが、確か倍率は2倍近かったはずだ。


 初美にとって初めての試験、1学期の中間テストはクラスでは真ん中くらい、1年生全体だと約250人中180位近くだったそうで、初美自身がこのままではいけないと思ったらしい。


 もともとの俺にその話があった時は、初美に心が傾いていただけに事情も何も聞かずに、下心丸出しの二つ返事だったが、初美のことをバカにしたような物言い(俺としてはそんなつもりはなかったのだが)とか、教え方が悪い(中学生にそれを望むのもいかがなものかとは思うが)とかの理由で、わずか1回でクビになったのだ。まあ、本当の理由はたぶん違うんだろうけど。


 だが、今回の俺は初美よりも由美乃の方に気持ちが向いているので変な下心はないし、社会人として部下の指導や教育をした経験もある。そして、俺が教えることで初美の成績が上がるなら、さすがの京子も無視できなくなるだろう。京子が来れば、由美乃も一緒に来るはずだ。今の俺自身は60才の俺の記憶が補完する形で数学以外の教科も好成績になっているから、誰がどの教科が苦手だったとしても結果は出せると思うので、今後、家庭教師を続けることで由美乃との接点を維持できる、と考えた。そうなればまさにウィンウィンではないか?


 そういった思惑があったので、まずは初美の数学だ。俺は、もともとの俺がしていたような上からの目線での物言いを控えるよう注意して、初美の良いところ(もちろん、数学の理解という意味で)を徹底的に褒めちぎり、そこから順序立てて何が弱いか、何を間違えていたのかを、小学校時代の算数にまで遡って教えてみた。そう、数学が苦手な子って、算数の基礎から間違っているケースが多いが、いきなりそれを指摘すると、「私って小学生並みだと思われている」と、逆効果になってしまうのだ。時間はかかっても、少しずつ遡るのが一番効率が良い。


 「まーくん、さすがに優等生だよね。教え方、上手だね。」


 初美の好感度が上がった!


 「はっちゃんは、やればできる子だから、次の期末テストはきっと良い点が取れるよ。」


 その言葉を聞いた初美の笑顔は、もともとの俺には見ることができなかったものだった。ヤバイ、由美乃への気持ちがぐらつきそうだ。だが・・・


 「まーくん、京ちゃんなんか私よりも成績悪いよ? 私がまーくんに教わってるの知ってるはずなのに、どうして教わりに来ないのかな?」


 そんなことはわかっている。京子は異常にプライドが高いのだ。おそらく、初美と一緒だと、自分が初美より成績が悪いことを俺が目の当たりにすることになるから、わかっていても耐えられないんだと思う。


 「もしかして、まーくんが由美ちゃんの勉強を見てあげたら、京ちゃんも来るかもね。」


 初美はそう言って悪戯っぽく笑った。初美は、そうやってカマをかけてくることがたまにあるので、油断ならない。


 「はっちゃん、おばさん達は1学期だけって言ってたみたいだけど、はっちゃんが良いなら、このまま続けてもいいよ?」

 「でも、まーくん、受験は?」

 「俺が優等生なのは知ってるでしょ? でも、俺は国立なんか狙う気はないよ。公立なら余裕だし、歩いて行ける距離だし。だいたい、国立は電車乗らないといけないけど、ラッシュ嫌だしね。」


 この時、俺は確信していた。期末テストで初美の成績が上がること。その結果、俺の意志一つで2学期以降も初美の家庭教師を続けることができるであろうこと、そして、それらを知った京子の祖母が黙ってはいないだろうということを。


     *     *


 「京ちゃんが、夏休み中、勉強を教えてって言って来たんだけど・・・」


 初美の期末テストの結果は、俺の想像以上だった。肝心の数学は30点台から80点台にまで跳ね上がったが、他の教科もほとんど好成績で、中間テストの学年180位近くから一気に10位近いところまで上がってきたのだ。俺は数学だけということだったので、他の教科は詳しくは見ていなかったが、初美がいろいろ質問してくるので、ヒントを与えたりはしたが、まさかここまでとは思わなかった。そう言えば、もともとの初美も最終的には大学まで進んでいたので、そういう資質があったのだろう。


 初美の成績が飛躍的に上がったことで、俺の家庭教師としての株も上がり、俺から初美の家庭教師継続を申し入れたこともあって、予想通り黙っていられなくなったようだ・・・主に京子の祖母が。


 「でも、はっちゃんのこともあるし、ちょっと厳しいかもよ?」

 「なんで? 一緒に勉強すればいいじゃない  ?」


 それはそうなのだが、京子がたぶん嫌がるだろう。今の俺は、京子をいかに参加させるかを必死に考えていた。京子が来るなら、間違いなく由美乃が来る。2人きりにはなれないとしても、同じ空間の中で一緒にいたいと思っていた。たとえ京子を利用してでも。


 結局、教える内容が違うからと言い訳して、京子と初美を別の時間にした。初美の母親はもちろん、俺の両親も俺の負担を心配したが、俺自身が本気を出して中間テストよりも期末テストの成績を上げていたことで納得させた。


 そして、京子との初日、俺の家に来た京子の後ろには由美乃の姿があった。


 「まーくん、由美ちゃんも呼んだの?」

 「京ちゃんとは中学校の勉強、由美ちゃんとは小学校の勉強だから、別に問題ないよ。それに京ちゃんと2人だけだと、俺、緊張しちゃうからね?」


 そういうと京子は相好を崩した。なんか俺、プレーボーイの資質ある?


 だが、そんな俺の思惑は2学期の中間テストで頓挫した。京子の成績が伸び悩み、俺の成績が下がってしまったことで、親父から家庭教師を辞めろと言われてしまったからだ。

 家庭教師を1日でクビになったというのは、恥ずかしながら私の実体験です。わからないから教わりに来てる子に「なんだ、こんな問題もわからないのか?」なんて言ったら、そりゃ嫌われますよね。本当にタイムリープであの頃に戻れるなら、次はうまくやれる自信はありますが・・・(-_-;)

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