意外な申し出
すみません、右手の負傷や本業が忙しくなってきたこともあり、とうとう11月中に次話投稿できませんでした。最低でも月1はクリアしたかったのですが・・・ 大変申し訳ありません。
いくら自分自身が10才の身体だとしても、さすがに7才の由美乃と最後までするのは躊躇われたし、実際にそういう気になったとしても無理だっただろう。それに俺自身、精通したのは中学生になった直後のことで、今のこの身体では感覚的に何が「最後」なのかがよくわからない。今日は裸の由美乃にあんなことやこんなことをいろいろしたりされたりしたが、せいぜいその程度のことだ。文字通り結ばれるのは先の話になってしまうが、これまでとは違い今回はお互いにお互いのことをわかり合っているから、その日は確実にやってくる。慌てる必要はないのだ。
だが、お互いに裸になっていたとは言え、汗や唾液で全身ベタベタだったので、舞台袖から出るのが一苦労だった。プールの方は既に別の町内会の時間帯に切り替わってはいたが、なんとか水着を着て体育館側からプールに入り込み、シャワー室を利用できたのはラッキーだったかもしれない。まだ他の子達がプールの中で遊んでいる中、着替えて公園側の出口から出ようとするのを監視員に怪訝そうに見られたが、なんとか無事に出ることができた。もちろん、由美乃とは別行動だ。まさか、一緒シャワーしたり着替えるなんてできるはずもない。
「まー兄、お待たせ!」
俺が出てから10分程度たってから由美乃が出てきた。これは仕方ない。7才とは言え女の子の身支度に時間がかかるのは当然だからね。
「健太達は先に帰ったみたいだね。」
「まあ、まだ陽も高いし、普通に遊んできたって言えば、どうということはないよね?」
由美乃の顔が赤くなっているのは、暑いから・・・というわけではないのだろう。かく言う俺も、さっきまで由美乃と二人きりでしていたことを思い出すと、顔はもちろん、下半身も熱くなってくるので、いささか参っている。この状態で由美乃と勉強をしろというのは今の俺には苦行に近いが、母親はまだしも、父親に何かあったと思われてしまうと面倒なことになりかねないので、平静を装うよう務めなければならない。そこは人生経験豊富な60才の俺なら・・・って、恋愛経験が皆無と言ってもおかしくない俺では、何の説得力もないかもしれないが。
そんなことを考えながら由美乃を家まで送って行ったら、健太達が既に来ていた。まだ勉強会の時間には早いはずだが・・・
「悪い、雅哉、暑くて外でお前らを待ってられなかったんで先に帰ったら、途中でおじさんに捕まっちゃったんだよ。」
由美乃の父親は仕事の合間に文也を野球教室に送って行った帰りだったらしい。どうやら俺達がいなかったことを不審に思い、クーラーを餌に健太達を一緒に連れ帰ったようだ。当然、一緒だったはずの俺達がいない理由を根掘り葉掘り聞かれたらしいが、こんなこともあろうかと、健太達とは話を合わせておいたのだ。
「雅哉君、君が娘を助けてくれたことには感謝はしているが、どうして二人で一緒に帰ってきたんだ? まさか、健太君達とは別に二人だけで会っていたんじゃないよな?」
はい、その通りです、とは今は言えない。
「確かに別行動はしましたけど、もともと僕が先生に呼び出されていたからですよ。由美ちゃんは僕の付き添いです。」
「確かに健太君も同じようなことを言ってたが、なんで由美乃が君に付き添うことになったんだ?」
「お父さん、うるさい。そんなの私の自由。」
「・・・・・」
そんなことを言われて、父親がショックを受けたようで言葉を失っている。
「まあまあ、由美ちゃん、そこまで言わなくても・・・ お父さんだって貴方のことを心配して言ってるだけなんだから。」
どうやら由美乃の母親が一部始終を見ていたようだ。しかし、二人とも仕事を放っておいていいのか?
「夏休み中に先生に呼び出されるって、どういう理由かは気になるけど、健太君達も同じことを言ってたわけだし、別に帰りが遅くなったわけでもないし、何の問題もないじゃない?」
「うん、いいかげんしつこい。」
「由美ちゃん、追い打ちをかけないの!」
父親が肩を落としつつ、母親に背中を押されてその場を後にした。唯一懸念していたのは、俺が先生に呼び出されたということを学校側に確認されたらマズい、という点だが、俺の担任とは文也も由美乃も普段は関わっていないから、そこまではしないだろうと思っていた。まあ、父親のあの様子では、もはや考えもしないだろうが。
「大丈夫、お父さんには後でちゃんと言っておくから。」
しかし、今の由美乃が5年後から戻ってきているとは言っても、こうも簡単に父親を手玉に取れるものなのか?
「7才だろうが57才だろうが、女は女ってことよ。貴方も舞い上がってばかりいないで、ちゃんと彼女を見ていないとダメよ?」
「そういうことだよ、まー兄。」
なんか、例の声はもう、由美乃に筒抜けだ。なんか仲良くなってるように思えるのは気のせいだろうか?
* *
あの後、由美乃抜きで両親に呼び出され、これまでの周回と同様に、由美乃と二人だけで行動しないよう釘を刺された。だが、俺が小学校在学中は例の舞台袖で昼休みに会えるし、夏休みが終わった後も引き続き由美乃の家庭教師を続けられることになったので、お互いに不満を感じることはなかったと思う。でも、家ではもちろん、昼休みでも時間的な制約があり、あの日以上のことはできずにいた。今はその日その日が来るのを楽しみに待つしかない。
俺が中学生になると、昼休みの逢瀬は叶わなくなったが、家庭教師はそのまま続けていたので、触れ合う機会は減ったものの、由美乃の顔を毎日見ることはできていた。そんな中、一学期の初めての中間試験の最終日、突然由美乃の母親から呼び出しを受けた。ちなみに、その中間試験だが、2回目の時みたいに生徒会に目をつけられないように全教科満点とはせず、クラス内で三番目くらいになるように調節してみた。あまりにも成績が悪いとさすがに親父が口を出してきそうなんで、落としどころとしてはそんなものだろう。
「いきなり呼び出してごめんなさいね。ちょっと相談があるのよ。」
「由美ちゃんのことですよね? 何かあったんですか?」
「・・・真っ先に由美ちゃんのことを心配してくれるのね。これなら大丈夫よね。」
「どうしたんですか?」
「実は今週の土曜日の晩なんだけど、まーくん、うちに泊まってくれないかしら? もちろん、由美ちゃんと一緒にね。」
「はいっ!?」
母親が言うには、この件は文也が絡んでいるとのことだ。もちろん、文也がまた由美乃にちょっかいを出したとか、そういうことではないようだ。
「実は文也に通わせている野球教室の方で、月1回土日を利用して合宿をすることになってね。」
そういう話は以前の周回でも聞いたことはあるが、それがどうして俺が泊まるって話になるんだ? こんな展開はもちろん初めてだ。
「子供たちのお世話で、私たちも一緒に行くことになったのよ。つまり、由美ちゃん一人でお留守番することになっちゃったわけね。」
それなら、3回目の時みたいに、雪姉の家に預けるってのが普通の考え方だよね?
「最初は雪ちゃんにお願いするつもりだったんだけど、お母さんが入院してて大変だから、無理みたいなのよ。」
「でも、だから俺っていうのも突飛な話ですよね? 俺なんかまだ12才のガキですよ?」
「もちろん、貴方達二人だけにするつもりはないわよ。でも、当日泊まり込めるのは、会社関係の的場さんていう男性だけなのよ。そう話をしたら、由美ちゃんが不安がっちゃって・・・」
「それで俺に一緒にいて欲しいと・・・」
「それにまーくんだったら、由美ちゃんに変なことはしないでしょ?」
変なことってどんなこと、と言おうとしたが、藪蛇になりそうなんで口をつぐんだ。だが、これだけは聞いておきたい。
「おじさんは許可してくれたんですか?」
「まさか。言ったら反対されるに決まってるでしょ?」
「でも、的場って人から、俺が一緒にいたことはバレるんじゃ?」
「その心配はないと思うわよ? そもそもまーくんを呼ぼうって言ったのが、その的場さんなんだから。」
今回の俺は2回目とは違い、ここまで的場さんとは一切絡んでいないが、雪姉の叔父であり親父の親友でもあるから、俺のことを知らないはずはないのだ。とは言え、今回は英治が雪姉と深く関わっているので、2回目の時みたいに俺を雪姉とくっつけようとはしないはずだ。
「そういうことでしたら、僕の方こそお願いします。」
さて、渡りに舟、なのか、それとも・・・
今回はもう、いきなり60才には戻されないと言われたことで、精神的に余裕ができている雅哉ですが、予想外に事態が好転しています。このまま何事もなければいいんですがね。
流れ的に、今回が最後のタイムリープとなりそうですが、そうなるといよいよこのお話も終わりということになってしまいます。まあ、よほどのことがない限りは、結末は変わらないということで・・・




