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幼馴染ともう一度  作者: BUG
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生徒会活動

 このところ、2週間を超える間隔になってしまってます。もうちょっと早くしたいな、とは思ってるんですが・・・ すみません。

 今では当たり前になっているが、当時はまだ週休2日は一般的ではなかった。完全な休みは日曜日だけで、土曜日は午前中だけ授業があった。給食は無く午後から休み。これを「半ドン」と言っていた。語源はよく知らないが。


 そして、クラブ活動は放課後が主で、事前に届け出ていれば土曜日の午後や日曜日にも活動を許されていた。その届け出を受け付けて校長か教頭に許可を取り付けるのが生徒会の役割だった。また、各クラブの活動場所は原則的に校内で、主に運動部の活動場所となるグラウンドの割り振りなどを公平に行うため、生徒会が中心になってこれを決める必要があった。もちろん、クラブ活動は顧問の先生が一緒でなければ許可されないから、何か問題があったとすれば顧問同士で対応するので、生徒会が各クラブに立ち会う必要などは本来はないのだが、活動中は学校に待機しているのが慣例となっていたので、生徒会メンバーの1~2人が輪番で対応していたそうだ。


 だが、雪姉の場合、お母さんが入院していることもあって、クラブ活動への対応はよほどのことがない限りは免除されていたのだ。俺ももちろんそのつもりでいた。雪姉の事情は理解しているし、何よりそうしないと、雪姉と一緒に下校することが多くなってしまい、由美乃に余計な心配をかけてしまうことになるからだ。


 ただ、そういう状況にあっても、雪姉が誰からも副会長として認められていたのは、昼休みや授業の合間の休憩時間での行動によるものだと知った。


 昼休憩の時間は、普通なら各クラスで給食を食べてから、思い思いに行動するのが普通だが、雪姉ら昨年の生徒会メンバーは、給食を生徒会室で摂ることを許されていた。配膳は各クラスで行うよりないので、食器ごと生徒会室に移動し、休憩時間終了前に厨房に食器を戻す必要がある。その間、約40~50分をフルに生徒会活動の時間としていた。

 また、雪姉だけは、授業の合間の10分程度の小休憩時間も活動していた。当時はまだPCやワープロなんてものはなく、すべてが紙ベースの資料だったが、土日のクラブ活動の申請やら、学校に対する要望などの陳情書やら、学校行事などの企画書やら、必要な書類をすべて休憩時間中に目を通して、副会長権限で決裁可能なものは即座に決裁してしまうほどだった。それは放課後にお母さんの病院に行く必要があったための行動ではあったが、それを理由に手を抜きたくないという意思の表れだ。肩書は「副会長」なのだが、実質的には「会長」と言っても良いくらいの働きぶりだった。


 「しかし、雪姉、そこまでして副会長にならなくたって良さそうなものだと思うけど・・・」

 「引き受けたからには、ちゃんとやらないとね。本音を言えば、3年生になったら解放されるって思ってたから、ちょっと失敗したかなって思ったりもしてるけど・・・」

 「止めとけばよかったのに・・・」

 「バカ! まーくんがいるのに、なんで止めなきゃいけないのよっ!」


 ということは、俺が中間テストで全教科満点なんて出さなければ、選挙に担ぎ出されることもなかったし、生徒会長になることもなかったはずなので、雪姉が副会長を続けることになったのは俺のせいってことか?


 「俺のせいなのか?」

 「そういうことよ。やっとわかったの?」

 「いやいや、それはないよ、雪姉。俺だって、そんな気はなかったのに、担任の鶴の一声で、選挙に出ることになったわけだから・・・」

 「じゃあ、先生のせいでもいいけど、まーくんが責任を取らなきゃいけないことには変わりはないわよ?」


 うーん・・・ 副会長を続けようとしたのは雪姉の意志であって、決して俺が望んだわけではない・・・とは言ったものの、実際に雪姉の行動に助けられているのは明らかだから、否定することができないのだ。


 「俺はどうすれば、借りを返せるのさ?」

 「うーん・・・ それは、アタシが生徒会を抜けた後にお願いするわよ。それまで楽しみに待っててよ。」

 「嫌な予感しかしないんだけど・・・」


 だけど、よく考えてみればおかしな話ではある。おそらく、俺をタイムリープさせたのは例の声の主であり、1回目は国立高校への進学が決定した時点で60才に戻された。45年分の俺の記憶がないだけで、由美乃と俺がうまくやっていたことはよくわかったので、それについては文句のつけようはない。ただ、俺自身が45年分の記憶を取り戻したいと願ったから、今、2回目のループに入っているわけだ。

 なら、今回は未来が確定するとかしないとかに関係なく、1回目と同じパターンで45年すべてを経験させろとまでは言わなくとも、20~30年後ぐらいに戻してくれればよいだけのことなのだが、今回はどうして1回目と全く違う状況に陥っているんだ?


 「ちょっとしたタイミングのずれで、歴史は大きく変わるものなのよ。」


 俺の心の中で発した疑問に対して、例の声が頭の中に響く。


 「あなたは今、並行世界にいるのよ。ここは、1回目の世界と似て非なる世界。だから、それがあなたが望んだ世界じゃなかったとしても、私にはどうすることもできないのよ。でも、今のあなたがその世界の未来を変えることは可能だよ? 雪さんじゃなくって、由美ちゃんを選びたいのなら、それ相応の覚悟をしなさいな。」

 「お前はいったい何なんだよっ! 何がしたいんだっ!」

 「その言葉、そっくりあなたに返すわね。」


 相応の覚悟と言ったか・・・ 俺の中では、今の世界における由美乃とのビジョンはすでに確立している。雪姉が何をしようが、それは変わらないし、変えたくもない。だが、あの声の主の言うとおりだとすれば、2回目のこの世界における俺の本来の相手は雪姉だったのかもしれない。1回目では全くかかわりがなかったのに、的場さんという、これも1回目ではかかわらなかった存在により、雪姉の方に誘導されていたのだから。そして、今回の生徒会・・・ 幼馴染の2人が生徒会長と副会長になって、生徒会活動を通してお互いをより意識し、ついにはカップルとして成立・・・ いやいや、そんなよくある話に引き摺られてたまるか! 俺は何のためにこれまで苦労してきたんだかわからなくなる。


 「言われるまでもなく、抗ってやるよ。俺は由美乃一択だからな。」


     *     *


 いくら雪姉が頑張っても、それだけで済むほど甘い仕事ではなかった。放課後はクラブ活動の補助的な活動の他、学校行事への対応もある。行事と言っても、文化祭や体育祭のようなイベントばかりではない。日常の中でも、他校との交渉事や、小学生の見学など、細かいことを言えばきりがない。俺は、授業が終わったらすぐに帰宅するつもりで勉強会の設定をしたのだが、実際に下校する時間は日に日に遅くなっていき、毎日6時過ぎに帰宅するのが当たり前になってしまった。

 しかも、これは毎週ではないにせよ、土日のクラブ活動の立会いで、これもまた同じくらいの時間帯になる。当然、勉強会を毎日などできず、月に2~3回程度やれれば良い程度になってしまった。これではうまくいくはずはない。

 幸い、由美乃の成績は落ちなかった。由美乃は俺にどんな理由があろうとも、自分の成績が下がってしまっては、勉強会という名目で俺と会う機会がなくなってしまうことを恐れていたのだ。俺も同じ気持ちだったから、自分の勉強そっちのけで、由美乃向けの学習教材を手作りしていた。俺自身は、3回目なので、全教科満点などを狙わなければ、そこそこの成績は維持できると思っていた。


 だが、期末試験で、俺はもともと強かった数学以外の点数をことごとく落とした。とは言っても、平均点数としては、85点以上は取ってはいたのだが、これを良しとはしなかったのが、俺の親父だった。


 「勉強会はもうやめなさい。」


 なぜ、生徒会活動をやめろと言ってくれないんだ・・・

 中間試験が全教科満点なのだから、期末試験で成績が下がるのは当然と言えますが、当時の私の父は表面上の結果しか見ないので、いろいろ苦労したのは実話です。皆がそうだとは言いませんが、当時の父親って、こういう頑固者が多かった印象があります。

 ちなみに、生徒会活動が内申点に影響すると思われていたので、そちらを止めろとは絶対に言わないでしょうね。

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