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8 クリムゾン学院の七不思議

俺はあまりにも大きすぎる書斎で紅茶を飲みながら本を読んでいた。

「…うまい」

「お客様が来ました」

「おぉ。いつの間に?すぐに通してくれ」

しばらくすると同年代ぐらいの少年が現れた。

「アンタがアズルートの責任者か」

「一応そうだけど。用はなんだ?こっちのことは全権代理者のアズルートに任せてあるから平和なんじゃないの?」

「俺はアンタに用がある」

「どれどれ。聞かせてみ」

その後、少年はクリムゾン学院の生徒であること、その学院でのトラブルを解決してほしいことなどを話した。

「それで?そのトラブルってのはなんだ?」

「学校の七不思議だ」

「なるほどね。だが断る」

「なぜだ!」

説明しよう。

学校の七不思議とは長らく入院生活を繰り返していた俺にとって人生で一度も遭遇しないであろうイベント第一位に君臨するものである!

そして俺自身最も関わりたくないイベント第一位なのである!

「ということでお引き取りいただこう」

「俺は諦めないぞ!」

「そうか。好きにしろ」

そしてこの少年は2時間ほどねばって帰っていった。



「また来たのか…」

「来るのは俺の自由だろ」

「まあ、このまま帰らせるのは可哀そうになってきたから話だけは聞いてやる」

「ほんとか!実は学校の七不思議は誰かのいたずらなんじゃないかという噂があって犯人を捜してほしいんだ」

「いたずらだと思った理由は?」

「学校の七不思議なんてどうせ嘘だし」

「…夢のねー奴」

「だからやってくんねーか?」

「うーん。暇だからいいか。お前の学校、クリムゾン学院だったな?」

「ああ、そうだけど…ひとつ聞いていいか」

「いいけど何?」

「アンタ名前は?」



少年の名前はヘンリーといった。

ヘンリーはクリムゾン学院の理事長の孫だったらしく一時的に入学が許可された。

ヘンリーに俺は学院のことを一から教えてもらった。

そして学校の七不思議のことも。



〈学校の七不思議〉

一.廊下には夜、足の速い霊が出て追いつかれると足を切られる。

一.真夜中の音楽室に響くピアノの音。

一.図書館には呪われた本があって読んだら死ぬ。

一.3階の女子トイレの一番奥に少女が現れる。

一.グラウンドの木の下には死体が埋まっている。

一.夜まで残っていて鳴るはずのない時間にチャイムを聞くと死の世界に迷い込む。迷い込んだ次の日にその生徒は消えている。

一.七不思議の最後を知ると不幸が起きる。



明日から調査がはじまる。

俺はこの時マジでそんなことが起こるなんて思いもしなかった。


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