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第10話 今日はねい

長らく失踪してしまい、申し訳ありません。

こちらについても、本日より更新を再開していきたいと思います。

仕事のほうが忙しくなりそうだと不定期になりますが、どうぞよろしくお願いします。

 当分の金も手に入ったし、何より冒険者ギルドというものに登録できたことで職?を持てたのはいいことだ。


 まあ、登録のときもちょっと不思議なことが起こった。

 何やら紙っぽいものに、これまた筆というか羽ペンっぽいもので名前と年齢を書いたときのこと。

 こちらとしては自然と日本語を書いたと思ったのだが、どうやらそれが向こうにも伝わってくれたらしい。

 明らかに建物内に書かれている文字、どうやら英語とは違う不可思議な文字とは違うのに、一体どうなっていることやら…


 そんなこんなで登録も無事終了し、冒険者ギルドの説明をしてくれた受付の方にお礼を言って、冒険者ギルドをあとにする。

 行きとは違い、手渡された布製の袋の小銭が煩わしいが、この音が幾分か安心感を与えてくれたのだろう。


「そろそろ飯でも食うか…」


 鳴りつつある腹を擦りながら、食事でもとれるところを探すか。



※※※※※※※※※※



 冒険者ギルドを出てすぐのところに屋台っぽい木造の建物があったので、そこで串焼きの肉、まあ何の肉なのかはわからんが、それで腹を満たすことに。

 列を作っていたので並んで買ってみたが、どうやら当たりだったようで、なかなか旨い肉にありつけた。

 串焼きの串を屋台に備え付けてあったゴミ箱に捨てて、屋台の人に旨かったと感想を言うと何やら変な人を見る目で見られた。

 明らかに周囲とは違う、スーツにサンダル姿っていう見た目が奇異に見られたのだろう。

 あと、1本銅貨1枚っていうところに銀貨1枚出してきたってのも、変な人に見られる原因か。


 そうやって腹を満たしつつ、いい時間になってきているはずなので宿を探すことに。

 どうやら双子の太陽は段々と傾いてきており、周囲が徐々に茜色に染まってきた。どうやらここでも地球と同じように日が沈んで夜になっていくようだ。

 ってことは、ここの星?も球体ってことなんだろうな。


 なんていう余計なことに感心しながら、ポケットの中のスマホを取り出す。

 バッテリーを減らしたくないためスマホの電源を切っておいたが、一旦時間を確認したいので電源を入れてみる。


「午後5時か…」


 こちらに来て電波を確認したとき、確か朝の7時くらいだったから、だいたい10時間も経っているってところか。

 朝から通しで歩き回っていたし、訳のわからない生物に鉢合わせして、なんだかんだでこの村まで来てるんだから当然と言えば当然か。


 ここでも色々なところで結構な時間を過ごしたから、今くらいの時間になってもおかしくはないか。

 それに、ここの1日が24時間とは限らないから日が昇っているうちに宿の目安もつけておきたい。


 今歩いている通りを見た感じでは、街灯なんていうものが見当たらない。なので、日が暮れると暗くなってしまって余計に探しづらくなってしまう。


「しまったな、宿屋の場所を聞いておけばよかったか」


 冒険者ギルドで宿屋の場所もついでに聞いておけば、わざわざ探す手間も省けただろうが、あそこからだいぶ歩いて来ているので今更戻るのも面倒だ。

 建物もまばらになってきているので、どこかに何か建物がないかと周囲を見渡してみると、ちょっと大きめの建物、どうやらここの長の家と同じくらいの大きさの建物があったので、そこにあたりをつけて訪ねてみることに。


「すみません、こちらは宿屋でしょうか?」


 木製の両開きのドアを開け、目に入ったカウンターのところにいる女性に話してみた。

 見たところ10代後半と思われるの女性が、退屈そうにカウンターに頬杖ついていたので声をかけたのだが、突然の闖入者に少々驚かせてしまったらしい。

 椅子を勢いよく倒しつつ立ち上がったため、大きな音が建物内に響き渡っていた。


「は、はい!?えっと…い、一応宿『止まり木』です…が?」


 …やっぱりこの恰好がおかしいんだろうなぁ。


 最初は突然の声掛けに驚いて声が上擦っていたが、入ってきた俺の姿を見るなり『なんだその恰好は?』みたいな表情になってるし。

 が、ここで気にしていても進展がないので、そこはスルーしよう。

 こちらは早く横になれる場所を確保したいのだ。


「ここで1泊したいのですが、空いてますか?」


「え?えぇっと…ここは行商人とか冒険者が泊まるくらいなので、部屋は空いてますが…」


「なら、1泊お願いします。いくらですか?」


 もう相手のことは構わず、とにかく泊まりたい客だってことで押し通そう。

 意地でもこっちが泊まりたい客だってことをアピールしておけば、客だってことで泊めてくれるだろう。

 …と、思いたい。


「ど、銅貨50枚ですが…えっと…」


「50枚ですね。ならこれでいいですか?」


 袋から銅貨を50枚取り出し、カウンターに並べる。

 銅貨を並べていて女性のほうも落ち着いたのか、それともこっちが強硬な姿勢を貫いた宿泊客ってことで諦めたのか、ため息をつきつつ支払いに応じてくれた。

 冷静になると、このような田舎で銅貨50枚って結構な値段だな。

 まあ、泊まるところを探し直すのもアレだし、何より今は手持ちがあるからいいけど…


「はい、きっちり50枚になります。部屋はこちらの廊下の突き当り、右手の部屋になります。あと、夕食と朝食が日没後、日の出後にありますので、食べるときはこちらの食堂まで来てください」


 食事つきで50枚だったのか、これはお得だな。

 示されたほうを見てみると、食事をするようにテーブルとイスが並べられた部屋があった。

 飯は屋台でも旨いものが出ていたから、ここでの食事は若干期待できるか。


「ありがとうございます」


 ひとまず、案内された部屋にでも行ってちょっと休もう。

 ずっと歩きっぱなし、立ちっぱなしだったからだいぶ疲れた…



※※※※※※※※※※



「ふぅ、ひとまず何とかなった、か?」


 ベッドに腰かけたことで、ようやく落ち着くことができた。

 部屋はベッドと棚が備え付けてあり、ガラスではないのでわからないが、通りに面している方向には窓と思わしき木枠があり、そこから外が見えるようになっていた。顔を出してみると、先ほどまで歩いていた通りを歩く人の姿が見えた。

 極めて質素で寝泊りするだけの部屋ではあるものの、別に何かする用事もないので問題はない。


「とりあえず…」


 いったん飯の時間まで寝ておくかな。

 久々に歩き回って、文字通り足が棒になりかけてるしな。


「アラームは…かけないでいいか」


 いつもなら寝ている最中にスマホの充電をするが、見たところ電気なんてものは見当たらない。

 なら、何かあったときのためにスマホのバッテリーは使わないほうがいいだろう。


「じゃあ、軽くひと眠り、っと…」


 色々あった。

 本当に色々あったから、さっさと休もう。


 …

 ……

 ………


「…なんねこいは?」


 軽い仮眠だったはずが、今度は真っ白な空間にいるんだが?

 誰か説明してくれ…

お読みいただきありがとうございました。


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