表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私による近代日本改革記  作者: スカーレッドG
(旧)静かなる戦争
97/125

静かなる戦争:時は来たれり

年内には開戦すると思うので初投稿です

……☆……



西暦1903年(明治36年)4月1日



ロシア帝国租借地大連旅順軍港、大連には多くのドイツ・ロシアの企業が参入を果たしていた。

その中でもロシア帝国が不凍港として整備・拡張を続けていた。

ロシア帝国海軍の艦船がドッグに駐留し、中立国経由で購入した戦艦などが整備・点検を受けている。

ロシア帝国海軍きっての極東艦隊は、上清帝国・大韓帝国の黄海に面している部分を守る楯である。

それと同時に、ロシア帝国はアジア地域への進出をするにあたってこの地域と周辺海域を守ることができるように軍備増強を図っていた。



この日、旅順軍港に停泊していたロシア帝国極東艦隊の戦艦「レトヴィザン」の艦内で小さな事件が起こった。

そのいざこざとは、地方出身の二等水兵が上官から理不尽な暴力を受けていた。

暴力の原因は水兵が田舎訛りの言葉遣いをしたことで、上官の逆鱗に触れたのだ。

上官はエリートで貴族階級出身者であり、標準語で話さなければならない相手であるのに必要最低限の教養しか学んでいない水兵の言葉遣いに腹を立てて殴ったのだ。



一発程度であれば暴力ではなく指導として対応できたかもしれない。

だが、その日の上官の機嫌は悪かった。

自分の出したレポートを無能な将校によって強引にダメ出しされた上に、全て書き直せと指示されたからだ。

プライドを傷つけられた上官に話しかけた二等水兵の話し方は決して悪いものではなかったが、機嫌の悪い上官の導火線に火を付けてしまい、艦内の廊下で血塗れになるまで殴り続けた。



それを目撃した他の水兵たちが慌てて一心不乱に殴り続ける上官に割って入って落ち着かせようとした。

だが、二等水兵は顔面から血が噴き出ており、特に頭部を強打されていたので意識不明の容態となり、1時間後に軍医の診断で死亡が確認された。

水兵には何も落ち度はなかった。

だが、田舎訛りの言葉が気に食わないという理由だけで上官に殺されたのだ。

この出来事は30分もしないうちに艦内に知れ渡り、不当な暴力を振るった上官に水兵たちは問い詰めた。

なぜ彼を殺すまで殴ったのかと…。

上官はフンと鼻を鳴らして堂々と答えた。



「私はお前たち無教養の人間を立派な軍人として躾けているのだ。分かるか?!奴は訛りが抜けていないばかりか上官をバカにした態度を取っていたではないか!!!あいつのようになりたいやつは私が同じように教養してやる!!!わかったらさっさと解散しろ!!!」



この発言に問い詰めていた水兵の一人が怒りのあまり上官を殴った。

殴った水兵は死んだ二等水兵の友人であったからだ。

それも友人が死んだ理由が訛りと声が気に食わないという理由で殺されたので頭にきて上官を拳で殴った。

上官は殴られた衝撃で床にたたきつけられる。

その上官を馬乗りで殴りだす水兵、他の水兵が止めに入ってこれで一旦終わりになるかに思えた。

しかし、一発の弾丸が水兵の胸元を撃ちぬいたことでレトヴィザンの艦内は混乱に陥る。



「ふざけやがって!!!どいつもこいつも私ばかり攻撃して…!!!貴様らは反逆罪だ!!!全員銃殺してやる!!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


小説家になろう 勝手にランキング
▽こちらでも連載中です。良かったら見てください。▽


私による明治食事物語
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ