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私による近代日本改革記  作者: スカーレッドG
(旧)静かなる戦争
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静かなる戦争:波高し

戦争が起きそうで起きなかったので投稿です………一週間ほどお休みしてすみませんでした

………〇………



西暦1903年(明治36年)3月9日



一時は極東地域を巻き込んだ戦争が起きるのではないかと噂された対馬の動乱であったが、日本がイギリス・フランス両政府に仲介してもらい、外務省が総力を挙げて大韓帝国政府とロシア帝国政府との間で戦争回避による話し合いが半年間かけて行われた。

その結果、幸運にも外交交渉が功を奏し戦争を回避することができたのだ。

なにせまだ日本の連合艦隊は半分以下しか完成されていない上に、対ロシア用の兵器なども十分に行き渡っていなかった。

それに、日英同盟を締結したとはいえ、イギリスから軍隊の派兵要請は現状難しいという回答が来たので、1900年時点で戦争を行うことそのものが無理だという結論に至ったというわけだ。



対朝鮮半島攻略プランなどを新兵器である航空機を使って攻略をしようと陸海軍で話し合いが行われたが、英国からの軍事支援が望めない現状では、ロシア帝国との戦争をすれば自殺行為であるという事になったので、私の航空機による攻撃は実現しなかったのだ。

いや、実現しなくて良かった。

私の考案した作戦プランは陸海軍において来るべきロシア帝国との戦争に備えて温存することになり、さらにその作戦プランが実行に移されるまでにタ式航空機の性能向上と、テスラ博士の新発明品による日本軍の新しい戦術研究を進める手筈となる。



おっと、言い忘れていたが戦争が回避されたことによって1901年4月17日に私と蒼龍は晴れて結婚することになった。

神社を貸し切って行われた神前式結婚式は、中々壮大なものになり、会社の重役だけでなく世話になった人たちを結婚式に呼んだらかなりの規模になった上に、視線が私と蒼龍に向けられるのでかなり神経を使ってしまった。

財界人や政界の人が多く参加していたので、それはもう一大事業のような扱いだ。

そのあとの結婚式の宴会では会社役員と范さんたちなどを交えて無礼講に行われた。

蒼龍は私と正式に婚姻したことを大喜びしていたのだが、なにより范さんたちが感極まって男泣きで号泣してしまったので范さんを宥めたりと色々と大変であった。



会社の方は順風満帆であり、変則商社は日本を代表する大企業へと成長している。

まずテスラ博士が考案したダムの発電機によって電力事業が大幅に躍進し、各県との契約を結ぶことができた。

東北地方全域と甲信越、それに九州南部地方はダム建設に適した場所が多いので、ダム発電による電力供給を行うことができるようになり、発電によって得られた電力を工場などが使うことで需要が大幅に上がっていった。

特に発電事業によって史実では遅れていた東北地方の開発が急速に進んでいった。

将来の自動車社会が到来するのを見越して道幅の広い道路を作っている。



また、ダム以外でも自然エネルギーを応用した波力発電も現在テスラ博士を中心としたスタッフが日夜研究を進めている。

波力発電システムが成功すればダムのように山間部に立てなくても、沿岸部が多い日本では大いに活用できそうだ。

波力発電に関してはまだ実験段階の域を出ていないが、テスラ博士が熱心に取り組んでいるので、今後数年に実用化されるかもしれない。



本業の食に関してはブドウ糖を応用して作ったラムネ菓子を新商品として販売おり、これも安価で購入できる菓子として全国で販売が開始されている。

ラムネ菓子の原料となっているブドウ糖は9年前に発見されているので、作り方なども文献として出ているので作るのが容易であった。

特にこれらのラムネ菓子は陸海軍にも導入されて、何時でも食べることができる菓子として雑穀煎餅と並んで保存食と同時に【保存甘味料】として兵士の士気高揚のために大量に発注を受けている。



一見平和のように見える現在だが、その裏では着々と戦争の兆しが現れ始めているのだ…。

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