表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私による近代日本改革記  作者: スカーレッドG
(旧)KaiserReich
78/125

KaiserReich:鉄と血

某缶コーヒーのCMのキャッチフレーズ「このろくでもない素晴らしき世界」


この素晴らしい世界に祝福を!


脳内でごちゃ混ぜになってしまった結果


「このろくでもない素晴らしき世界に祝福を!」


…ん?違和感がないなと思ったので初投稿です

……◇◆◇……



同日:日本帝国兵庫県神戸市某所



薄暗いオフィスに煙草をふかしながら書類を見つめている男の姿があった。

彼は対日諜報活動を行っているドイツ帝国のダミー会社「フランケン貿易会社」の最高責任者、ドイツ帝国陸軍中佐のアレクサンダー・フォン・リットンハイムであった。

アレクサンダーはここ近年で、日本帝国軍の食糧情勢を改善し、さらにインスタントラーメンたる湯をかけるだけでおいしく食べれる画期的な食べ物を開発した変則商社について調査を行っていたのだ。



最初はお菓子やインスタントラーメンを主体とする食料品だけを取り扱っているだけの会社かと思われたが、工場をここ数年のあいだに15箇所以上建設し、世界初の航空産業に着手しているなどドイツ人から見ても先進的な考え方をしている社風に驚いていたのだ。

また、山岳地の多い各地にダム建設などを推し進めており、発電事業にも本格的に乗り出している。

今では日本帝国有数の大企業に上り詰めた新興会社なのだ。

これほどまでに急成長し、尚且つ他の企業と連携したり提携などをして順調に発展している会社はドイツでもそう多くない。

ドイツ帝国の諜報機関は変則商社を日本の重要な企業と位置付けており、日本に設置したダミー会社に所属しているアレクサンダー中佐に調査を命じていたのだ。



「こんな先進的な考え方で会社を動かしている人が日本にいるとはな…それもアジア人で…そうは思わないか?クロエ」



「ええ、中佐………神戸市内で完成間際の変則商社の工場も、身分問わず誰でも入社できるように募集をかけているそうです、また障害を抱えている人でも入社できるように工場内の階段や段差などを極力取り払った作りにしているとの報告が上がっております」



アレクサンダーの部下であり、女性諜報員の一人であるクロエ・シグラは神戸市内に建設された変則商社神戸生産工場を視察した際に工場内の写真を撮影し、それらを持ち帰ってアレクサンダーに見せていたのだ。クロエは変則商社と提携を結んでいる神戸の若本産業株式会社役員として、建設途中の神戸工場内部に入り込んで撮影したが、その作りは足や手が不自由な人でも移動がし易いのうに作られていたことに関心したほどであった。



「日清戦争と去年の清国内戦で手足を失った元兵士の働き口として積極的に採用すると言っていますし、何よりも会社で働きながら学習教育ができる施設まで各地に作っています、それも変則商社の社員でなくても教育ができるようにしているのだそうです。初等教育が行えなかった従業員に対して教育を教える機会の場を与える事も今年から行っているそうです」



明治時代中期までに文字や読めない人は都市部ではそれほど多くは無かったが、地方では文字が読めない、書けない人が少なからずいた。

そうした人たちへの無償教育を行う「学習教室」が文部省の許可を得て変則商社が全額出資し、全国各地に出来上がったのだ。

1899年度は札幌・盛岡・東京・新潟・名古屋・大阪・神戸・博多の八か所に作られて、通信教育制度を大々的に活用し、識字率を向上するために費用も変則商社が全面的なバックアップをしたことにより、一人当たり一か月30銭に抑えることが出来たのである。



「会社のためでなく社会のために事業以外にもそうした社会福祉の為に活動するとはな…かなり慈悲深い経営者のようだ、………して、この社長の身元調査は済んだのか?」



「ええ、変則商社の社長の身元調査結果はこちらのレポートにすべて記してあります…ですが、彼は底知れない持ち主です…そして彼はまだ18歳です、こんなアイデアを次々と出すような人は古今東西滅多にいませんよ………」



クロエが調査した身元調査の結果を読んだアレクサンダーは驚愕し、クロエが言っていたこんな人は古今東西滅多にいないという言葉が満更嘘でもないことを突き付けられるような内容であった。

阿南豊一郎の身元調査結果は後日ドイツ帝国本国に輸送された。

これらの身元調査結果はアナンレポートとしてドイツ帝国の最高機密になるのはもう少し先の話となる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


小説家になろう 勝手にランキング
▽こちらでも連載中です。良かったら見てください。▽


私による明治食事物語
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ