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私による近代日本改革記  作者: スカーレッドG
(旧)白熊の野望
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白熊の野望:気球観測隊

先月京都旅行してきた際に、銀閣寺に行きました。

思っていたよりも銀閣寺は小さかったです。

……◎……



西暦1898年(明治31年)11月20日



二ノ宮航空研究所にて、軍用観測気球が完成したとの報告が入ってきたので、私は凸凹道を進みながら諏訪にたどり着いた。

二ノ宮航空研究所は半年前に作られたが、既に航空機の研究は順調であった。

しかし、ここに来てロシア帝国の朝鮮半島南下は日本帝国にとっては深刻に受け止めなければならない事態であった。

大韓帝国の高官がロシア帝国のウラジオストクに出入りしていた情報を掴んでいた日本帝国政府は、軍の上層部には既に警戒を厳にせよと報告されていたようだ。

まさか大韓帝国側がロシア帝国への国境を開けて軍隊を進軍させてくるとまでは予想していなかったという。



既にロシア帝国軍は漢城府に到着しており、さらに南下をするだろうと騒がれているのだ。

現在対馬・北九州にはロシア帝国の大韓帝国への進軍に危機感を覚え、国に見切りを付けて脱出する人々が後を絶たない。漁船で漂流してきたり、蒸気船に乗って日本への亡命を希望してきているのだ。

朝鮮半島からの難民がここ数日で日に日に増してきているという。

その大半は釜山港から脱出してきた人々が大多数を占める。

脱出してきた者の中には大韓帝国の親日派の政府高官や王族などが含まれており、彼らは親露派からの迫害を受けて日本への亡命を望んでいるのだという。



また、上清帝国がロシア帝国から軍事顧問軍団を大勢招き入れた事をイギリス政府も察知していたようで、日英両軍で北上ではなく中国大陸南部の仁義会制圧作戦に移行し、北緯33度線を最大北上限界ラインと定めてロシア帝国の見方を伺っているようだ。

それ以上の北上はしないが、南部地域は東シナ海や南シナ海の出入口として役立つ上に、貿易拠点としてこれからの清国正統政府の復興の手助けとなるだろう。

日本帝国陸軍と英印軍は広州一帯を制圧し、現在は上清帝国南部地域の分断を図っているとのことだ。



そして対馬、北九州、山口県では急ピッチで要塞が建設されており、ロシア帝国の大韓帝国の支配下が一時的であったとしても、武力衝突が起きないとは限らない。

日中戦争が勃発した時は盧溝橋にて一発の銃弾が発砲されたことによって日中(精確にいえば中華民国に属する北洋軍閥との戦闘)戦争が勃発したし、サラエボ事件では事が大きくなって第一次世界大戦にもなったのだ。



日本帝国としては、一刻も早く朝鮮半島情勢を上空から探ることのできる観測気球の製造が急務であった。

遠方にロシア帝国軍が陣を敷いているか、もしくは前線の様子を上空から撮影したり観測することが気球であれば気象情報などが整えば上空から判るのだ。

軍用観測気球は第二次世界大戦時まで活躍していたことで有名であり、また、航空機よりも製造コストの面から下地が既に出来上がっているので安価に開発・研究ができるという利点があった。

というわけで、事前に飛行機と気球の開発を進めていた訳だが、変則商社出資の二ノ宮航空研究所が製造した初の航空機は気球になったのだ。



これは陸軍からの依頼であり、気球の設計図も既に貰っている。

日本帝国陸軍が採用していた有人観測気球の生産の一部を任されたといったほうが表現としては正しいのだろう。

その分、航空機開発が遅れてしまう事になるが、こちらも軍には色々と世話になっているので、下手に断ることも出来ないのだ。

気球はすでに確立された技術であるので、航空研究をしている二ノ宮航空研究所にとってはノウハウを取得するという意味合いでは重要なことかもしれない。



倉庫には1機の気球が完成していた。

この気球は我が社の初生産された気球だ…変則商社の機体………この気球が二ノ宮航空研究所が生産した機体だ…写真屋を呼んでもらい、二ノ宮航空研究所の職員一同と一緒に写真を撮影した。

この写真が撮影されたら気球を動かしてちゃんと動作するかテストをするようだ、設計図通りに作っているので、失敗はしないだろうが万が一ということもある。

十分に気を付けた上で気球を飛ばすことになった。

明治31年、11月20日…二ノ宮航空研究所初生産機記念写真撮影…。

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