黄龍の分裂:国土送電システム
小説のストック分が底を尽きたので初投稿です(実話)
テスラ博士に依頼する仕事は、電気事業参入に合わせて発電所で使われる発電機の図面製作や、現在目下二ノ宮氏が開発中の航空機に搭載するエンジン並びに部品製造機の設計である。
ナイアガラの滝を使った発電システムを既に二年前に完成させているテスラ博士、日本は実に国土の七割近くを山間部で占めている。
その山間部に水力発電所を建設し、史実よりも電力事業を大幅に底上げする計画を立てている。
計画としては「国土送電システム」と名付けており、テスラ博士にはこの計画において、水力発電所で使用されるダムの発電機を設計をお願いすることになる。
山間部が多いとはいえ、ダムを乱立させてしまうと水害発生時に多大な損害を出してしまうことが懸念されるので、現在計画しているのは小規模のダムでも発電効率を最大限に使用できるコンパクトダムに使用される発電機だ。
目標としては将来、電気が普及した際に街一つがしっかりと機能する電力を供給できるようにするのだ。
史実で日本が戦争に敗北した原因として電力供給が不十分になってしまったことがあげられる。
十分な電力供給が出来ず、生産ラインも停止状態に陥り、その上工場地帯を空襲によって爆撃されたことにより、更に生産ができないという悪循環に陥ったとも言われている。
また、日本の工業地帯が太平洋沿岸部に集中していたのも、戦争終盤になって爆撃を集中的に受けるようになった要因の一つとして挙げられる。
そこで、山間部にダムを作り、その発電能力を生かして山間部に工場を建設し、地域の雇用促進を促すと共に、有事の際は山間部という地形を生かして研究施設や秘匿兵器の生産などを担う…というあらすじを立てている。
まだ、航空兵器は気球程度しか出現していないので、今は大丈夫かもしれないが、半世紀もすればジェット機が登場して長距離飛行も可能になるだろう。
もし…日本がアメリカとの戦争に巻き込まれた場合、史実同様に太平洋沿岸部の工業地帯が破壊されたとしても、山間部において品質管理が行き届いている武器・兵器の生産が可能であれば巻き返しも可能になるかもしれない。
しかし、本土上空まで敵航空機が接近を許している状況になってしまった場合は、既に空の戦いは負けているということになる。
できることなら、史実のような大惨事は回避したいものだ。
兵器の類に関しても、発電システムと航空研究が進んで日露戦争時までに完成できれば…。
軽量化した機関銃の開発に取り組むべきだろう。
ダムに使われる発電機とその電流システムが完成次第、次にテスラ博士にお願いするのは航空機に搭載するエンジンの開発である。
その為に二ノ宮航空研究所の敷地内にテスラ博士の研究所を作ったといっても過言ではない。
エンジンに必要な点火プラグの特許は今年既に彼が特許を取得している上に、モーターなども作り上げている実績があるのだ。
テスラ博士が設計したエンジンが完成して飛行に成功すれば、ライト兄弟よりも先に空に飛んだ実績が作れるので、日本が世界史の一ページに堂々と刻むだろう。
二ノ宮航空研究所が開発している航空機に搭載するエンジンの出力を上げることもできるだろうし、また何より工業製品としての発電機や製造機は、現時点では国外の輸入に頼っている状況である。
この状況では、部品の規格統一なども難しいことになるので、現在変則商社ではイギリス製の機械を使用しているが、テスラ博士の指示の元で製造機が完成すれば、国内の大企業のみならず中小企業にも安価で使いやすい製造機を積極的に売り込む予定だ。
手作りではなく、規格が統一された部品を作り、そして日本の工業化を底上げする。
簡単なようで、非常に難しい事だ。
これが完成し、普及するのは恐らく第一次世界大戦前夜あたりぐらいになるだろう。
そのころまでにはテスラ博士の考案した発電機や製造機によって日本が工業国家としての道を歩み、史実よりも多くの製品を製造できるようになれば、大国化も早期に実現できるようになる。
テスラ博士を招き入れたのは、日本の為でもあるのだ。
インターネット回線の接続が悪かったのがいけんかったな…これ、とりあえずこれからどうしよう…うーん、休みの日にストック貯めるしかねぇ…
あ、あとこの小説が書籍化して印税をゲットしたら私は地元で有名な焼き鳥屋で好きなだけ焼き鳥を食べたいです。
居酒屋で揚げ豆腐などのサイドメニューが美味しいお店は基本的にどれ食べても美味しいです。




