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私による近代日本改革記  作者: スカーレッドG
(旧)黄龍の分裂
54/125

黄龍の分裂:引き抜き

……●……



西暦1898年(明治31年)9月14日



上清帝国と清国正統政府の内戦は終息する気配はない。

それは、私が今蒼龍や范さんから入手した最新の情報でも確認している。

上清帝国のお抱え武装組織「仁義会」は香港北区を完全に制圧し、大埔区と元郎区の都市部を制圧下に置いて香港南部に向けて進軍しているようだが、途中で強固な日本軍の防衛陣地に阻まれて動きが鈍っているようだ。

おまけに、栄えある大英帝国海軍(ロイヤルネイビー)が香港の沖合に到着し、艦砲射撃によってその進軍速度は日に日に低下しているようだ。

あと一週間もすれば英国インド領の兵士達が到着して、戦局は日英軍に有利になるだろう。



上海戦線では、光緒帝に忠誠を誓っている八旗軍と新たに新設された漢民族による歩兵部隊が国境線に投入されているという。

光緒帝はそれまでの満州族のみの特権を廃止し、すべての清国正統政府に属する市民の平等を保証する方針に切り替えた。

この方針切り替えは戊戌維新の一つに定められていたものであり、民衆の支持を得るために早期に実行に移されたのだ。

光緒帝を支持する改革派のメンバーには漢民族出身の者も多く、庶民にも一部部族のみの特権を廃止して全部の部族が平等な関係を示す「全族平等」の発言は非常に大きいものであった。



【清国正統政府国家元首:光緒帝の命により正統政府内にいる全民族に関係なく身分は平等のものとする。以後、この平等を脅かしたり破ったりする者がいれば厳罰に処す】



光緒帝…すなわち帝自ら長年中国大陸の歴史の中で繰り返されてきた支配部族による特権階級制度の廃止を決断し、そして即座に実行したのだ。

8月12日に清国正統政府の議事堂が置かれているホテル「ハイトニア」にて光緒帝が提言した全族平等に関する法案が全会一致で可決し、即日に施行された。

一部の役人からは反発の声があったものの、市民の大部分はこの法案を熱狂的に支持し、光緒帝への忠誠を強めていった。



皮肉なことかもしれないが、特権階級となっていた部族優遇政策を撤廃したにもかかわらず、満州族で構成されている八旗軍の士気は落ちるどころかむしろ上がっていった。

なぜなら八旗軍の中には、改革はパフォーマンスに過ぎないのではないかという声がチラホラ見受けられたからだ。

改革をやるといいながら結局やらなかったでは、彼らは大きく皇帝に対して失望していただろう。

しかし、光緒帝は内戦になっていたとしても今、この改革をしなければならないと強く決意していた。

その決意を早速見せつけられた八旗軍の兵士達は、皇帝の意志が本物であると確信して光緒帝への忠誠を深く誓った。



また、江蘇省・浙江省に設立された兵務局には光緒帝の全族平等宣言を行ってから直ぐに多くの民衆が兵士に志願して殺到する事態となった。

その民衆の多くは漢民族の人々が大多数だったのだ、農民だったり商人だったりと身分はバラバラであったが、光緒帝が「いかなる身分の者も平等と宣言したからには差別なく、行動するように」…と宣言しているので、兵務局は大勢の兵士を確保するに至る。



前線には八旗軍の他に上海に派遣された日本軍の第6師団が上清帝国の主力部隊との間に陣を構えており、また英国、フランスから供与された小銃で武装した国境警備兵が配備されている。

今回、皇帝の全族平等宣言によって新たに志願した兵士達を短時間の軍事訓練を行わせ、1週間の訓練の後に各地の前線に配備される予定だという。

既に3万人もの兵士が軍事訓練を終えて、日本の支援の元で東京砲兵工廠の技術者が上海に現地入りして武器・弾薬の生産ラインの確保などに全力を注いでいるという。

このうち2万人にはライフルないし拳銃が支給できたようだが、まだまだ生産が追い付かないようなので、旧式化しつつあった十三式村田銃などを日本が輸送して兵士に行き届くようにしているそうだ。

戦線は今の所膠着状態といっていいだろう。



清国の様子は大きな動きがあり次第、随伴追ってみるとしよう。

船の汽笛の音が聞こえる、そろそろ到着するようだ。

今、私はある人物を出迎える為にある港に外出しているのだ。

彼は数十日の船旅を経て遠路はるばるニューヨークにやってきたのだ。

商会代表として私が、通訳に范さんが…そして蒼龍もやってきている。

入国管理局での手続きを終えて来日してきた彼を我々変則商社は受け入れることにしたのだ。

そう、21世紀においても彼が考案した発明の類は使われている…。

黒いスーツで身だしなみを整えて手荷物の鞄をパンパンに膨らましてやってきたニコラ・テスラであった。

なろう異世界転生小説や異世界転移小説にまだ持ち込まれていないであろうモノを考えてみる。

即出ならスマン


1.原子爆弾・水素爆弾など核兵器の類


これで魔王軍もイチコロだぜ!(尚、爆心地は暫く使えない模様)



2.同人誌の類


実は俺…今異世界で同人誌作っているんですよ、もし魔王を倒して元の世界に戻ったらコミケの大手サークルと合同で同人誌つくろうかと…好きな二次キャラを描いてあげたりして(警告!!前方に強力な魔法陣を確認!!!退避!!!退避!!!!ウワァー!!!


3、アメリカ軍


自衛隊がいるならアメリカ軍が行っても不思議じゃない。米軍の圧倒的な火力で魔王軍を蹴散らして異世界フロンティア(ヤンキー魂)を見せつけるのだ!!!

…でも割とすぐにA-10攻撃機だけで無双しそう。


4、北朝鮮(本土)


(転移後の異世界はお察しください)


5、ハンス・ウルリッヒ・ルーデル


・実在した人物であり、その一騎当千の能力は如何なる「なろう系主人公」ですら躊躇するような大戦果を挙げる、しかし、その戦果すら戦友にスコア譲ったり病院抜け出してこっそり出撃したせいで、実際のスコアはもっとあると言われるほどのチート、今後彼のような一騎当千のパイロットは現れないだろうと言われている。彼と愛機であった37ミリ砲を搭載したJu-87Gスツーカ爆撃機を召喚(弾薬の類も)させれば魔王軍を粉砕してくれるかもしれない。


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― 新着の感想 ―
[一言] ハンス・ウルリッヒ・ルーデル それって、何ページか前にあった義足の勇者じゃね?と思ったり。
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