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私による近代日本改革記  作者: スカーレッドG
(旧)第一次世界大戦勃発
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第一次世界大戦勃発:開戦

やっと戦争が始まったので初投稿です。

………●………



西暦1903年(明治36年)7月21日



私は、変則商社のオフィスにて会社の重役を集めて会議を行っていた。

会議の内容は食品部門に関するものであり、会社の収入に大きくかかわってくるものだ。

インスタントラーメン以降、変則商社の食品部門は急激な成長を続けて国内にいくつもの工場を構えるほどに成長した。

いまでこそ、航空機や軍需産業など財閥の一グループの一つにすぎないが、食品部門の純利益は過去最高を記録している。

食品部門全体で7千万円、電力事業は2千万円、航空機は8百万円、軍需産業は4百万円と、その利益は日本が戦費を調達するうえで必要な外貨資金の3分の2に匹敵するほどの額なのだ。

食品部門が力を増している中で、会議内容も海外への工場新設と、イギリス・フランス政府の承諾を得て諸外国………列強の植民地地域に工場を建設することも視野に話し合いがされていた時であった。



「会議中に失礼します。社長、第七課から緊急電が入っております。」



会議中に緊急電が入ってきたようだ。

いや、内容は言わなくても分かる。

恐らく戦争絡みの話だろう。

あれから日本政府は水面下でロシア帝国やドイツ帝国にギリギリまで譲歩した案などを提示しているが、まだ受け入れてもらえない。

つまり、私に緊急電を寄こしてくるということは、戦争が始まるということなのだろう。



「分かりました。………恐らくロシア帝国との戦争が始まるのでしょう。変則商社はグループ全体にみても、非常に優秀な社員が多いです。これまで通り職務に励んでください。会議は一旦中止して後日に延期します」



会議を一度中止して緊急電の中身を見てみる。

范さんの指導の元、中国大陸に展開しているダミー会社経由でもたらされた最新情報であった。

やはり戦争が始まったようだ。



『上清帝国が南中華帝国に宣戦布告、南中華帝国との同盟に則り、日本帝国は上清帝国に対して宣戦布告を行い、第三水上艦隊を派遣。また大韓帝国が上清帝国側に付いて対馬に奇襲攻撃を仕掛けており、現在陸海軍が総力を持って対応に当っている。上清帝国は徐州、連雲湾方面より陸軍正規5個師団と大勢の民兵を持って宣戦布告と同時に侵攻中。また、大韓帝国は日本に亡命した韓国人の身柄引き渡しと政変に敗れた汚職政治家を匿っているという理由を付けて対馬に侵攻、海上からは海軍第一艦隊が対応に当たっているが木造船の数が余りにも多いため、漁船も動員して撹乱し対馬南部豆酘湾に上陸した模様。現在対馬にいる第七課のメンバーは北部への避難を開始…』



上清帝国の宣戦布告もさることながら、対馬が再び戦場になっているという事だ。

対馬は3年前にもロシア帝国と大韓帝国の破壊工作を受けた場所だ。

早々に破られることはないだろうし、あの島には要塞がいくつも作られた。

しかし、大韓帝国南部の最大の港である釜山と対馬の距離は30キロもない。

予め上清帝国と協調して日本よりも先に宣戦布告し、それと同時に日本側の戦力を分散させようとしているのだろう。

その読みは正しい。

こちらはロシア帝国極東艦隊とドイツ帝国青島防衛艦隊を撃滅するべく、黄海と日本海に海軍を布陣していたが、対馬海域には二等海防艦など旧式の軍艦が配備されていた。



その隙を付いて大群をもってして攻撃してきたのか。

諜報員も避難するぐらいだからやはり対馬南部では防ぎきれないのかもしれない。

だが、気掛かりなのは漁船だけでそこまでの人数を輸送できるものなのだろうか?

もしかしたらあの海域の近くに大韓帝国か上清帝国の兵士を載せた第三国の貨物船を予め停泊させ、開戦と同時に貨物船強制的に座礁させて侵攻したのではないか…。

私の悪い予想は数時間後に的中していたことが判明したのであった。

エクス・イン・ザ・アポカリプスを執筆しています。

よろしければそちらでも感想をお待ちしております。

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