民主主義を守る戦い:開戦前夜2
初投稿です
「ロシア帝国、上清帝国側の協力者…それに大韓帝国の情報をかき集める必要が必要ですね、彼らからは情報は寄せられていますか?」
そう、諜報会社経由で得られる仮想敵国の情報は重要だ。
幸いというべきか、これらのダミー会社はロシア帝国や上清帝国、大韓帝国側には感づかれていない。
ロシア帝国には8つ、上清帝国には5つ、大韓帝国には3つほどダミー会社を保有している。
いずれの会社もテスラ博士が考案した通信機器を使用して行われているが、今のところこれらの情報は正確かつ信憑性の高いものが多い。
「今朝の情報ではロシア帝国海軍極東艦隊の全乗員に召集命令が下ったそうです。また、上清帝国と大韓帝国では陸軍部隊を朝鮮半島中部と南部に集結させているようです。恐らく大韓帝国の南下をちらつかせて日本をおびき出そうとしているのではないかと思われます」
「大韓帝国の行動は囮にせよ、ロシア帝国はやる気のようですね、極東艦隊と日本海軍の量は僅差で日本海軍が上回っています。ですが、分散ではなく一極集中で運用されれば日本海軍は各個撃破される危険もありますね…ドイツ帝国海軍の動きも気になりますが、ドイツ帝国海軍の情報はまだ入って来ていないのですか?ドイツ帝国海軍の動きがなければロシア帝国も戦争準備を進めるだけかもしれません」
「先の海戦でドイツ帝国海軍極東艦隊は駆逐艦隊の大半を喪失しました。本国から新しい駆逐艦隊を補充するにも最低2カ月は掛かるかと…ドイツ帝国海軍の準備が万全でない限りロシア帝国は戦争を起こさないかと…ただ、海上戦力は日本とほぼ互角だとしても問題なのは陸上戦力です。ロシア帝国はシベリア鉄道を経由して新たに3個師団を、上清帝国は今月だけで3万人規模の兵士を編成したとのことです。その中でも上清帝国の仁義会はアジア最強の陸軍部隊を作るべく、ドイツ帝国から最新鋭のライフルや野砲を取り揃えているようです」
「以前のデータを含めると極東地域に存在する仮想敵国の陸軍兵力は合計して約75万人ですか…特に近代化された上清帝国陸軍…誠に厄介な相手になりそうですね…」
人海戦術によって日英軍の進撃を防いだ上清帝国は、25万人の陸軍兵士を有しているが、これらの兵士はすべて武装を最新のものに更新させているという。
一部部隊などは火縄銃などを使っているらしいが、上清帝国独自の大口径ボルトアクション式ライフル「奉天02式小銃」を精鋭部隊である仁義会に配備させているそうだ。
ロシア帝国やドイツ帝国の軍事顧問団によって軍備強化を推し進めた上清帝国は南中華帝国との休戦協定期間の間に着々と準備を進めている。
対する日本や英国、フランス、南中華帝国のアジア方面の総兵力は50万人程度である。
日本軍は30万人、南中華帝国は10万人、英国・フランス両軍は各5万人となっている。
イギリスとフランスは欧州方面において、ドイツ帝国とロシア帝国が侵攻してきた場合に備えて軍の主力をそちらに優先配備しているため、現在アジア方面にいるのは植民地軍といっても過言ではない。
また南中華帝国は日本の武器などをOEM生産によって供給しているが、まだまだ兵士に渡される最新鋭の武器は少ない。
そうしたことから日本側に立って戦争を行える兵力は50万人程度なのだ。




