民主主義を守る戦い:黄海海戦3
レーダー照射を受けたらチャフを撒けば助かるかもしれないと教わったので初投稿です
軍用飛行機………。
それは後に戦闘機と呼ばれる代物である。
現在日本帝国は戦闘機を60機ほど所有しており、このうち2月に正式配備がされたばかりの最新鋭の複葉水上機「M36式複水上戦闘機」を日本帝国海軍が16機導入している。
そのうちの半数以上にあたる8機がこの黄海海戦で実戦投入されたのだ。
M36式複葉水上戦闘機の特徴として、外見は一五式水上偵察機とほぼ変わらないが、エンジンはテスラ博士が考案したテスラタービンを搭載したV6気筒エンジンに、馬力もタ式航空機で使用したオートバイ用の40馬力のエンジンではなく、300馬力に出力を大幅に上げたものを使用している。
また、このM36式複葉水上戦闘機の特徴は任務に応じて機関銃・爆弾・魚雷を搭載できるという汎用機としての役割を担っていた。
まだ、大型機が建造できないので小型機で数を揃えるという意味も含まれているが、航空機の有効性を軍部が理解してくれるようにとの豊一郎の思惑があった。
この戦闘機部隊を運用するにあたって、1901年中頃から2隻の艦を水上機母艦へと換装させており、うち1隻は変則商社が大手財閥と会合を行って一年以内という条件で大規模な改造が行われた。
それが一等海防艦「鎮遠」だ。
日清戦争において賠償艦として日本に引き渡された艦なのだが、建造当時は東洋一強固に作られた戦闘艦の異名を持つ定遠級戦艦の二番艦でもある。
水上機母艦………ひいては空母建造のノウハウを取得するために海軍を説得して大改造を施したのだ。
鎮遠が改装を施して就任したのが今年の3月22日………ギリギリのタイミングで第一艦隊に加わったのだ。そしてレトヴィザンがドイツ帝国海軍に襲撃を受けているとの通報を受けて、すぐさまM36式複葉水上戦闘機の予備機を除くほぼ全機を出撃させたのであった。
結果的にいえば、その判断は正しかった。
投入を躊躇していれば確実にレトヴィザンは撃沈されていただろう。
この新型兵器が投入されたことで戦闘は一変した。
M36式複葉水上戦闘機が搭載しているのは直径13インチ重さ700ポンドの魚雷だ。
航空機による史上初の雷撃戦が実行に移される。
魚雷を投下しても壊れない高度………水面から30メートル離れた程度の低空飛行でM36式複葉水上戦闘機は攻撃態勢を整える。
ドイツ帝国海軍は見たこともない航空機の出現に手間取った。
あの手のものを運用しているのは日本帝国しかいない。
しかし、ドイツ帝国海軍との戦闘は起こさないだろう。
やってくるとしても威嚇だけだ。
そんな考えに囚われて機関銃士は攻撃をしなかったのだ。
威嚇ではなかった。
日本への亡命を図ろうとしているレトヴィザンが攻撃を受けている。
M36式複葉水上戦闘機のパイロットからも攻撃の様子を捉えた。
何度もモールス信号で日本海軍に救援要請を発信し続けている。
ドイツ帝国海軍が攻撃をしている場合はこれらを排除せよと、第一艦隊司令官東郷平八郎がパイロット達に命じていた。
パイロットはレトヴィザンを狙わないように、ドイツ帝国海軍駆逐艦に照準を定める。
機体の腹に抱えた魚雷は今か今かと機体から離れるのを待っていた。
そして、一番機であり戦闘機隊隊長である船越大尉が魚雷を投下したのを機に、各機が一斉に魚雷を投下したのであった。
まさか国の最重要機関がクソコラMAD動画出すとは思ってもみませんでした………




