民主主義を守る戦い:黄海海戦1
新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
新しく小説を書いていますのでよかったらそちらもみてください。
「こちらはドイツ帝国極東艦隊である、ロシア帝国海軍所属のレトヴィザンに告げる、直ちに機関部を停止せよ!停止しない場合には攻撃する」
ドイツ帝国海軍極東艦隊………こと、青島防衛艦隊はロシア帝国海軍から離反したレトヴィザンを捕捉した。
捕捉したのは足の速いローゼンハイム級駆逐艦のネームシップであるローゼンハイムであった。
他にもローゼンハイム級駆逐艦6隻が高速でレトヴィザンの右後方から接近している。
それに対抗するべくレトヴィザンは後部砲塔をローゼンハイムに向けてこう返答した。
「こちらはレトヴィザンである。我々は敵対行為を行うつもりはない。しかし、レトヴィザンの進路を妨害するようであれば全力でこれを排除する。たとえドイツ帝国海軍が友軍であったとしても機関部の停止は受け入れられない」
「警告する。機関を停止しない場合にはロシア帝国政府の要請に従い貴艦を撃沈する。直ちに停船せよ!!!」
「断る、数百名の水兵の安全を守るべく我々は進んでいるのだ、申し訳ないがドイツ帝国海軍の停船命令は受け入れられない。そちらが攻撃の意志を示せば直ちに砲撃を開始する」
「最後の警告だ!!!直ちに停船せよ!!!」
停船命令を無視したレトヴィザン目掛けて、ローゼンハイムから魚雷が放たれた。
魚雷はローゼンハイムだけでなく、他の艦からも発射されたのだ。
放たれた魚雷は総勢12本、攻撃の意志ありと判断したレトヴィザンは砲撃を開始した。
魚雷をすべて破壊するべく、艦の右側に設置されている機関砲や機関銃が一斉に火を噴いた。
ローゼンハイムは魚雷を放つとすぐに戦艦の射程圏外に脱出を試みた。
レトヴィザンは主砲の30.5cm連装砲による一斉射撃を行うが、あいにく外してしまった。
「やはり最新鋭の駆逐艦だけに素早いな………あれだけ早ければ予測撃ちをするしかない」
「魚雷接近中、数、およそ6!!!」
「ありったけの弾を張って魚雷を狙い撃て!!!当たらなければこの戦艦は沈まない!!」
「通信兵!!大至急、日本の艦隊に連絡せよ!我、ドイツ帝国海軍より攻撃を受けている。至急援軍求むと…!」
レトヴィザンの艦内は一気に戦闘態勢を整えた。
砲手や機関銃の兵士たちが魚雷を狙い撃ちにする。
12本放たれた魚雷のうち11本の撃破に成功するも、1本の侵入を許してしまう。
衝撃に備えるように士官や水兵たちが身近なものに掴まって衝撃波に備える。
魚雷は白い航跡を引きながら、レトヴィザンの右舷に命中するも爆発がしなかったのだ。
そう、不発弾だったのだ。
「おお、どうやら不発だったようだな………助かった」
「まだだ、まだドイツ帝国海軍は諦めていないようだぞ、再度旋回して再び魚雷攻撃を仕掛けてくるつもりのようだ………」
アルチョム大尉は艦橋から双眼鏡を持って確認すると、ローゼンハイム級の駆逐艦が各自旋回しながら再び魚雷攻撃を仕掛けようとしている。
砲手に射程圏内まで引きつけてから艦の動きを予測して主砲を撃つように命じる。
砲手はアルチョム大尉の言葉通り、ローゼンハイム級駆逐艦が射程圏内に入ったのと同時に、主砲を放ったのだ。
30.5cmの連装砲が放った砲弾はローゼンハイム級駆逐艦ローアドルフに命中した。
命中と同時に、駆逐艦の艦橋が爆発して吹っ飛んだ。
「ドイツ帝国海軍ローゼンハイム級駆逐艦一隻大破!!!炎上しております!!!」
ローアドルフは艦橋が吹き飛んだことにより、艦長は戦死。
さらに艦に亀裂が走り弾薬庫が誘爆、轟音と共に爆沈した。
砲手はさらにもう一隻のローゼンハイム級駆逐艦を砲撃し、今度は艦首に命中し行動不能に陥れたのであった。
 




