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第二十四章 ダンジョンゲート 1.ささやかな野望から

金策の目処が立ったところで、今度は買い出しの方法に注意が行きます。

 ホルンとの取り引きで得た金額は、全部で金貨二十枚以上になった。庶民が慎ましく暮らせば二年以上生活できるほどの大金だという。ほとんど元手要らずでこれだけの収入! 文字通りの不労所得! 濡れ手で粟のボロ儲け! ドラゴンの骨はまだあるから、今後の生活は保障されたも同然! 商売繁盛、笹持って来~い!


 

 ……待て、少し落ち着こう……。



 エルフたちだって際限なくナイフを買うわけじゃない。いつかは売れなくなる日が来る筈だ。その日を期して商品開発は進めないと。


 ……とは言うものの、実際に大金が手に入り、なおかつ今後も入手できる可能性があるとなると、こちらでの生活設計も考え直すべきか。


 目立たず静かにというのは譲れないが、必ずしも引き籠もる必要はないんじゃないか? 酒も食事も気ままに楽しみ、諸国漫遊なんてのも楽しそうだ。


『目立つのは……避けられなく……ないですか?』


 いや、そこは()り方だと思うんだよな。例えば旅先でお大尽(だいじん)やるんなら、身元を隠すのは容易だろ? 旅の恥はかき捨てって言うしな。


『国中に噂が広まるだけじゃと思うがのぅ』


 むぅ、そういう可能性もあるか……。しかし、しかしだ。許されるなら少しくらいの贅沢はしてみたいのが人情じゃないか。


僭越(せんえつ)ながらご主人様、この村ではそれは叶わぬと愚考致しますが』

『行商人に取り寄せを頼むんですか? (ぬし)様』


 そーなんだよなー。贅沢するならそれ相応の場所に行かなきゃならないんだが、種族不明の俺としては正体がばれるのは(まず)いし、人の多いところは避けたいんだよ。


他所(よそ)で……買い込んだものを……ここで……堪能(たんのう)するぐらいしか……』


 まぁ、それでもいいんだが、運搬手段がなあ。ラノベ定番のアイテムボックスとか魔法の袋とかないのかよ。


『そこまで理不尽に便利なものの事は聞いた事がないのぅ』

『チートって言うんですか? マスター』


 駄目か。俺にとっては異世界といえ、現実は小説みたいに都合よくできてはいないようだな。


『ますたぁ、ダンジョンゲートはぁ?』

 あ……。


『買った先でダンジョンを仮設して購入品を収納、その後でゲートを開いてここに戻ればいいのか……』

『ゲートで再び元の場所に戻られて、その後に仮設ダンジョンを解除なされば証拠の隠滅も充分、不審の念を抱かれる事もございませんな』

『ダンジョンマジックって、本っ当に便利ですね、マスター』

『いっそ……仮設ダンジョン自体か……ゲートを……持ち運べませんか?』



 ……おい、ハイファ、今なんて言った?


もう一話投稿します。

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