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第十三章 クレヴァス 4.ダンジョンの造成

クレヴァスダンジョンの造成が始まりました。少し短いです。

 しばらくしてから、俺たちは本格的にダンジョンの造成に取りかかった。階層を二つ追加し、発芽したばかりのダンジョンシードを最下層に移動する。適宜魔力を吸わせたり、地球の水やビール――いっぺん度数の強い酒を与えたら、何か却って弱ったような気がしたので、それ以来やってない――などを与えて、ダンジョンシードの成長を促す。その甲斐あってか、先日ついに小さいながらもダンジョンコアに成長した。いやぁ、感動ものだったね。


 コアの周辺の床や壁にも地球の水や液体肥料を施用してやったので、ダンジョンコアに近い位置から順調にダンジョン壁に変化している。


 上層はまだダンジョン化が進んでいないので、今のうちに小さい連中の巣穴となる小通路を掘っていく。ウィンの子供たちが大活躍だったな。そろそろ名前を与えてやってもいいか。俺も地球で買ってきた植木鉢やら土管やら、住処や隠れ場になりそうなものを次々と設置していく。要求通りに階層ごとに水場も造った。地球で言えば「多孔質のビオトープ」と評されそうな構造ができあがっていく。クレヴァス組からは好評だった。


 俺たちの洞窟と較べた場合、クレヴァスには警戒や捜索の能力が不足している。そこでハイファに尽力を頼んでみた。


『なぁ、ハイファ。言いにくいんだが、お前の体って株分け、というか分体できるのか? もしできるんなら、分身をクレヴァスの方に移植したいんだが』

『はい……大丈夫です……ご主人様……体の一部を……運んで……戴ければ……向こうに定着して……ここ同様に……働く事が……できます』

『ハイファ、本当に大丈夫なのか? 無理してるんじゃないだろうな? お前に無理させる気はないから、きついなら言えよ?』

『いいえ……ご主人様……分身が……向こうに増えたら……私の警戒能力も……上がります』 

『うん? 向こうに移植した分身と通信できるのか?』

『はい……できます』


 という()()りがあって、ハイファの分体をクレヴァスダンジョンの上層に移植した。地球の水やら何やらを大盤振る舞い――本当は椀飯(おうばん)振る舞いって書くらしいけど――した結果、順調に菌糸を伸ばして、外界の警戒能力も上がった。外は乾燥した場所なので心配していたが、クレヴァスの泉から流れ出た水のせいで周囲に少しずつ緑が育ってきており、ハイファはそれらの植物と連携できた。ハイファの警戒能力を上げるべく、泉の水量を若干増やして外に水の流れを生み、水路をあちこちに広げておく。そこに植物が育っていけば、ハイファの警戒能力は更に上がる筈だ。これは長い目で取り組む必要があるだろう。


 こういう風にして、クレヴァスのダンジョンは少しずつ形をなしていった。

本話が少し短いので、本日はもう一話投稿します。

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