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プリンセス オブ エニグマ  作者: 和一幸大
第1章『ニューリッヒ盗賊団編』
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FILE-5『戦慄の魔法』

「……誰かいるな」


「はい、いますね」


俺とルナはコリスト山頂上の岩山に人影を発見した。


「敵かな?」


「とりあえず、先手必勝ですね」


どうせ、ここには山賊しかいないんだし、旅行目的でくる馬鹿もいないだろう。

俺の頭の中での結論ではあれは敵と出ている。

もし、一般人だったらニューリッヒ盗賊団に殺されてたと言えばいいや。

ルナは懐からコインを一つだけ取り出してスロットにセットする。


「今回は『バッドラック』を使ってみましょう、単品(ソロ)で」


バッドラックの効果は1/100の確率でクリティカル(一撃死)を出してくれる代物だ。

だけど、ショットと一緒に合わせる事は出来ない。

かすっても殺せる確率が出るので先手必勝としてたまに使う。

ルナは標準をあわせたらすぐに()を撃つ。


『にゃ!あぶにゃい!』


遠くにいる人影は弾を確認したのか避けたようだ。

今回はバッドラックは発動しなかったか。


「よし、近づくか」


先手必勝が効かなかったので、これ以上弾を撃っても無駄になるだろうし近距離戦で倒すか。


「そうですね、コインの装填(リロード)しておきますね」


ルナは赤色から無色になったコインを道端に捨てて、新品のコインを付ける。

俺は頂上の方にゆっくりと歩いて行く。


〜〜〜〜〜


「にゃ!ずるいにゃ!遠距離からコソコソと撃つだにゃんて!」


コリスト山の頂上にいたのは猫の獣人の少女だったのか、山賊の子供かな?

何故かかなり怒ってらっしゃる。


「とりあえず、落ち着けよ」


やっぱり、バッドラック発動しておいて欲しかったな、相手がうるさい、当たっても無いがな。


「とりあえず、ピピと遊ぶ(戦う)にゃ!」


へぇ、この女の子ピピって名前なんだ。

とりあえず、俺は戦いたくないから、ES同士で戦わせとくか。


「しょうがないな、とりあえずルナ場所を変えて遊んでやりな、お前も盗んだESがあるんだろ?使えよ」


「言われなくても、使ってやるにゃ!この玩具(ES)をにゃ!」


そう言うと、ピピはルナに指を指して、「敵のESを破壊するにゃ!」と指示を出す。

敵のESの数は1体のみときた。


「ルナ、下まで誘導しとけ」


「了解しました、マスター」


ルナは来た道を走って戻る、敵のESはルナを追いかける。

敵のESのEWは大剣だな。

少しして遠くで銃音が鳴り響く。


「ほぅ、EWは大剣か」


「そうにゃ、1番体を刻むのに適した武器にゃ」


こいつらの頭の中ってどうなってんだ?人を殺すのが快感な奴もいれば、人から物を盗むのが好きな奴もいるし、変態の集まりか?

恐ろしい所だ、コリスト山……。


「まぁいいや、所でお前らの目的は何だ?」


「それは答えられないにゃ」


これを答えないのは、妥当だろうな仕方ない。

多分、殺戮して回りたいのか、人から物を盗みまくりたいのかもしくは、大きな事件でも起こして自分達の存在を知らしめたいだけなのかも知れない。


「それじゃあ、クリプトン保管庫から誰がどうやってクリプトンを盗んだ?」


「というか、お前に答えるわけないにゃ」


「ちっ、意外と頭を使えるようだな」


このまま情報を出してくれれば楽ができたのだが仕方ないな。


「そろそろ、あっちも戦闘が終わってるころにゃ」


「あぁ、銃弾の音がしなくなったからな」


いつの間にか、銃音がなり終わっている。


「さて、そろそろこっちも戦いますかにゃ」


「そうだな、無意味な話し合いだったな」


とりあえず、戦って勝ってから情報を引き出した方が早いだろうな。


「さて、何処からでもかかって来い」


俺はかばんからリフルとカードを取り出す。


「アルカディア王国の戦い方を教えてやるよ」


「所詮、魔法もどきにゃ、本物の魔法には勝てないにゃ」


やっぱりこいつも魔法を使えるのか、所詮フレアガン程度だろうな。

ピピは人差し指をこっちに向ける。


「フレアレーザー!」


「え?」


ピピの人差し指から火炎で作られたレーザーが飛んでくる。

そして、俺に直撃した。


〜〜〜〜〜


敵のESは全力で大剣を振ってルナに当てようと専念するが、ルナは軽く避けて挑発をしている。


「くそっ!くそっ!」


「当たりませんよ?そんな速度では」


「何で当たんねぇんだよ!くそぉ!」


「はぁ、そろそろですかね。まず『スター』と『フラッシュ』をセットします」


ルナは懐からコインを一つ取り出してスロットにセットして、敵のESの方に向ける。


「はっ!そんな遅せぇ銃弾の速度なんてしっかり見てればわかんだよ!」


ルナが引き金を引くと同時に目を閉じるが、敵のESは避ける事に専念する為に銃口を見ていたので、飛び出た銃弾の光を直視してしまう。

フラッシュの効果は相手の視力を2~5秒極限に低下させる。

スターはフラッシュの効果を2倍にする。


「うぁーーーー!目が!目が!くそっ!殺されてたまるかよ!」


敵のESは目を押さえて大剣を横にブンブンと振り始める。


「さて、これで終わりですよ」


ルナはスロットに『ブラッド』をセットして敵のESの頭に標準を合わせて引き金を引き、片手銃の弾は敵のESの頭に直撃する。

ESはその場に倒れて動かなくなる。


「戦場では、数秒の油断と、判断を欠いたら負けですよ?」


遠くで大きな爆発音がなる。


「マスター達も戦闘を始めましたか、私も観戦に行きますか」


ルナはその場でコインを装填をして、ケントの方に歩いて行く。


〜〜〜〜〜


「……恐ろしい子や」


「お、お前、死んでないのかにゃ……」


フレアガンより1つ階級の上のフレアレーザーって、使えれればセルツピナ国1人で滅ぼせれるよ……たぶん。



「それが、最強の技って所か?」


「ふっふっふ、まだ一つだけあるにゃ」


厄介だ、さっきのフレアレーザーでも直撃して痛かったのに、まだ一つあるとは。

また、ピピは俺の方に指を向ける。


「フレアマシンガン」


ピピの指から連続で炎の弾が飛んでくる。

俺の体に直撃するが、俺は無傷に近い状況。


「てめぇ、それがもう一つの技って奴かよ」


「何で、死んでないにゃ!?」


「は?何でって俺って最強だから」


「意味わからんにゃ」


「しょうがない最強の意味を教えてやろう」


俺はカバンから白色のカードを取り出す。


「このカードは取っておきのオリジナルだから」


「オリジナル?カーストとストラックじゃないのかにゃ?」


確かに、オリジナルって単語は聞かないだろう。

カーストとストラックはミリプトンという鉱石を核に使われていて、ミリプトンはリフルの出す衝撃で魔素をカード内隅々に行き渡されると、カード内に描かれている魔法陣が完成して魔法を発動させる。

だが、オリジナルはミリプトンを入れずにカード内に魔法陣が描かれているだけ。

オリジナルを発動させるには、魔法を使える人物しか扱えない代物。


「へぇ、と言うことはお前も使えるのかにゃ?魔法を……」


「うん、もちろん」


俺はピピオリジナルいカードを見せながらゆっくりとカードに魔力を注いでいく。


「お前らみたいに基礎魔法にばっか頼っている奴らは、この魔法の対処は絶対に出来ない」


「ふふっ、かかってくるにゃ、どうせしょぼい魔法にゃよ!」


「オリジナルカード『千本刀』」


「にゃ?千本刀?」


オリジナルカードの中から魔法陣が浮き出ると、俺とピピの真上にかなり大きい魔法陣が描かれると、魔法陣から千本もの数の刀がゆっくりと形成される。

形成が終了したら魔法陣は消える。

俺はカバンからもう一つのオリジナルカードを取り出す。


「何なのにゃ、あの数の魔法刀の数は……」


「さて、これで終わりにしよう」


俺は最後のオリジナルカードに魔力を注いでいく。


「オリジナルカード『レーザーキャノン』」


千本刀の刃の先に光の弾が形成されていく。


「え?切りかからないのにゃ」


ピピはレーザーキャノンが当たらないように安全な場所に逃げようとしているがここからは逃げられない。


「あれ?中心にもどされたのにゃ?」


千本刀全てがピピの方に刃を向ける。


「残念だったな、まだまだヒヨッコだったな」


「お、お願いがあるにゃ」


「ほぅ?何だ?場合によっては千本刀をやめてやろう」


「クリプトン保管庫から盗み出したのは、ブラックキャット様にゃ、盗み方までは聞いてないにゃ!それと、私達ニューリッヒ盗賊団の目的はセレスティア王国の破壊にゃ!これで許して欲しいにゃ!」


「よし、交渉成立だな」


俺はオリジナルカードをカバンの中に入れる。


「あれ?止まらないにゃよ?」


「すまんな、1度カードで発動された魔法は解除不可能だ、それじゃあ……お・や・す・み」


「ひどいにゃ!鬼にゃ!」


「ルナ帰るぞ、酷いものを見る前に……」


「了解しました」


『待ってにゃ!殺さないで欲しいにゃ!』


遠くから猫の鳴き声がするな、こんな山の中に入ってきたのか、でも飼い主が拾いに来てくれるだろうな……。


「さて、依頼継続だな」


「そうですか?」


「だって、依頼内容はクリプトン保管庫からクリプトンを盗んだ犯人を捕まえる事だろ?」


ピピから、吐き出させた情報では、クリプトン保管庫からクリプトンを盗んだ犯人はブラックキャットと聞いた。

そいつさえ、捕まえれれば依頼完了だろうな。


「とりあえず、帰るか」


「はい、マスター」


〜〜〜〜〜


「にゃーーーー!出してほしいにゃ!殺さないでほしいにゃ!」


「大丈夫かい?ピピ……」


「ブラックキャット様!助けてほしいにゃ!」


「しょうがない、そ〜れ!」


ブラックキャットが千本刀の真下にテレポート魔法をだして、千本刀をどこかにテレポートさせる。


「ふむ、所でこの魔法を出した人物の顔は覚えてるのかい?」


「はい、しっかりと覚えていますにゃ」


「そうかい、今度はこんな失敗はしないでくれ」


「了解しましたにゃ」


「それじゃあ、テレポート」


〜〜〜〜〜


「ミアラさん、もう一度聞きますね」


「うむ、とりあえず報酬金を渡しておきますが、依頼を頼んだらすぐに受けて欲しい」


「……ケントどういうこと?」


「犯人は分かったけど、あいつらのアジトは分からないそんな所かな」


「なるほど、逃げられたのね?」


「うん、逃げられた」


「ケントが取り逃がすなんて珍しいわね」


「とりあえず、今後は他の依頼でもやっておくから」


そう言うと、俺は話し合い中のシズハを置いて自室に戻ってベッドの上に寝転がってカバンからオリジナルカードの千本刀を取り出す。


「……まだ、まともに使えないのか千本刀は…」


俺はカバンの中にカードをしまって就寝することにした。

やっと、戦闘回が来ました。

次回から頑張って書いて行きたいと思います。

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