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プリンセス オブ エニグマ  作者: 和一幸大
第1章『ニューリッヒ盗賊団編』
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FILE-3『戦慄のできごと』

「まさか、ESが犯人と答えたのですか……?」


現在は俺が壁の壊れた後を見てESが犯人かも知れないと言う結論が出ていた。


「人工に作られたとはいえ感情がある、反乱ぐらいするかもな」


「ケント殿!ESには感情制御の装置が―」


「ESに感情制御装置を使うには生成されて1ヶ月だったよな?」


「それがどうしました?」


ESは生成されてすぐに感情を制御する装置をつけることは不可能と言われている。

未熟な体に感情制御装置をつけると体に過剰な負担をかけて生成機から出す前に死亡しているとか。

その為に一ヶ月でほぼ完成に近い状態の体に感情制御装置を取り付ける。

だが、感情制御装置が無かった時代は、ESの反乱は数十年ほど前にあったが、英雄と讃えられていた男がいたはず。

現在では感情制御装置のお陰でESの反乱はまず無いと思われていたからだ。

とりあえず、今すべき事は隣の施設の確認だ。


「俺の推測が正しければ良いのだがな」


俺はミアラを半強制的に連れてクリプトン保管庫の隣りにあるES管理施設に向かう。


〜〜〜〜〜


俺はES管理施設につくと驚愕した。


「嘘だろ、全員死んでるのか……」


中にいた研究員と警備兵が全て無惨に皆殺しにされているのだ。

そして、ESを生成する機械の扉が空いているのだ。

それも施設内にある約百もある生成機が。


「……まさか、誰かが開けたのか?」


「いや、そんなはずはありません、何故なら開くためには特別な鍵がいるので……」


そういえば前に聞いたことがあるな。

ES生成機を開ける鍵は上層部の人間だけしか持っていないって。

だが、ピッキングも出来ると…………。


「とりあえず、これは王女の耳に通しておかないといけないかも知れん」


このような大きな騒ぎに繋がると言うことは滅多になく、女王に連絡をしておけば他の国へ行けるパスポートも手配してくれる。

それに、下手すれば戦争になるかも知れないからだ。

ESを使われて他国に喧嘩を売られたら、他国からは必然にアルカディアの仕業と思われ攻撃をされるのだろう。


「そ、そうですね、とりあえずケント殿は1回帰ってもらって、また明日よろしく頼みます」


「了解した、それじゃあ帰るから」


俺は外に出ると外が真っ暗になってるのを確認する。


「……夜か早く帰ろう」


俺は少々急ぎ足で帰宅する事にした。


〜〜〜〜〜


「という訳だ、分かったかね?」


「うん、さっぱり分からん」


現在は、シズハと会議中である。

内容は施設での起きてた事を。


「だから、今日は疲れたから夕飯が食べたい。しかも、美味しい物を……」


でも、先に夕飯にしたいかな。

腹が減ったからな。


「うん、ごめん、ケントはさっきまで仕事の話しをしてたはずだよね?」


「とりあえず、夕飯が食べたい!」


シズハはため息をつくと台所の方に向かう。

シズハはこっちが要求したことは大抵してくれる。

だが、セクハラ行為だけは殴られて終わりだ。


「夕飯を食べたら詳しく教えてよね?」


「おぅ、了解した」


俺はカバンの中からルナを取り出す。


「どうしました?マスター?」


「夕飯の前にESの事について聞こうかと」


「了解しました、出来るだけの範囲でお応えします」


聞く内容は二つだけだがかなり長くなるかも知れん。

とりあえず、一つだけでも質問しておこう。


「ESの反乱ってあるのか?」


「確か、ESに知能があると言ってましたよね?施設の中で」


こいつ、寝てたはずなのによく場所と話した内容を覚えているよな、カバンの中で。


「あぁ、してたな」


「でも、ESに感情制御装置がつけれる前に盗まれたか、もしくは生成機が空いてそこから逃げたかもって事ですよね?」


「あ、あぁ」


「とりあえず、頭の中で施設の状況をもう一度確認してください」


とりあえず、ESの生成機は全て無傷で空いてた。

だが、クリプトン保管庫の壁はESが破壊していて、クリプトンが全て盗まれていた。


「ん?どういう事だ?」


「はぁ、つまり誰かが鍵で開けてそのままES全てと、隣の保管庫からクリプトンを持って逃げたって事ですよ」


「……なるほど」


だけど、誰がこんな事をするんだ?

ESを盗んで他国に売るって事は反逆行為に等しく、そしてESを使って他国に喧嘩を吹っかけたら大きな戦争の引き金にもなるって…………。


「マスター、今大きな戦争の引き金になるって考えが出ましたよね」


「……あぁ、だけどこの行為をしても保管庫のクリプトンの量と生成機に入ってたESの数を計算しても1000も満たないが?」


ちなみにアルカディア王国では、数百体しかいないが、全てのESに完全とはいかないがES専用の武器EWを装備させている。

ESを盗んだ者がアルカディアに、喧嘩を吹っかけた時点で負けを確定している。


「もし、魔法を主に使用している大国にESを売ればどうなります?」


「……暗殺専門の殺人道具の完成って事か」


この国は科学を主に使用しているが、魔法を主に使用している国と互角に渡り合えてたが、ESが出来て以降は何処の国よりも強くなっている。


「また、タメを張りたい国がいるってことか?」


「違いますね、多分ですがアルカディア女王の暗殺を企ててますね」


「……え?」


「はぁ、魔法に速度アップの魔法もありますし、超遠距離攻撃の魔法もありますし、もしESがアルカディア女王を暗殺しても他国は口を揃えて『ESの反乱』って言えば反論出来ますか?」


確かに、ESを作った国はこの国だけ、そしてESの管理をしているのはこの国だけで、他の国にはESの話しすらでないだろう。


「なるほど、と言うことはこれを目的としての行動って事か?」


「とりあえず、夕飯が出来たようなので食事の用意をしてください、マスター」


「あぁ、そうだな」


俺達は話しを中断して夕飯を食べ始める。


〜〜〜〜〜


「あっちーーーーー!?」


夕飯が終えると俺はシズハに今日の出来事を全て話す。

シズハは熱々のコーヒーを顔に吹きかけてきやがった。

多分シズハにとってESは反乱しないって思ってたのだろう。

『ESの反乱』って出ただけでコーヒーを顔面にかけるとは。


「え、えっとその…、ごめん」


「頼むから、熱々のコーヒーを顔面にかける習慣を無くしてくれ、冷たいコーヒーに変えて…―」


「マスター……?」


ルナが俺に冷たい視線を当てる。

俺はすぐに会話を切り替える為にルナの方を向く。


「さて、二つ目の質問だ」


「はい、何でしょう」


「この頃のニュースで大きな事件はあるか?」


「……えぇ、マスターの頭が馬鹿だったって事ですよね?」


確かに、それも大きな事件って……俺は馬鹿ではない。


「ごめん、アルカディア王国以外でのニュースだ」


この子はたまに毒舌になるよね、少し恐ろしく思う。


「えぇ、ありますよ一つだけ」


「お、それはなんだ?」


「……ニューリッヒ盗賊団がセルツピナ国と同盟を組んだとか」


「……何時頃だ?」


「三日前ですね」


「……シズハ、理解出来てるか?」


「多分、ケントよりもね」


「とりあえず、詳しく解釈しておこう」


三日前にニューリッヒ盗賊団とセルツピナ国と同盟を組んだ。

ニューリッヒ盗賊団は報酬が良ければ何処だろうと、盗みに入る者達。

セルツピナは魔法を主に頼りきっている国で、上層部の人間はケチで報酬をまともに払わない事で有名だ。


「「終わったな、セルツピナ国」」


俺とルナは口を揃えて言う。

ニューリッヒ盗賊団は金の支払いが良い国には従順な犬になると聞くが、まともに報酬金を払わない国は滅ぼしにかかる。

ニューリッヒ盗賊団は小国を滅ぼすぐらいの力があるらしい。

セルツピナ国はまともに報酬金を払わない国で、ニューリッヒ盗賊団に喧嘩を売り、滅ぼされる可能性が出てきたってことだ。


「……マスター、とりあえず寝ましょう明日はニューリッヒ盗賊団の退治に行けば良いだけですね」


「ごめん、実はセルツピナ国がちょっとまともに行動出来る国だと思っていたけど、あいつら絶対に報酬金を払わずに殺しにかかるだろうな」


そして、反撃をくらって全滅するだろう。


「……そうですね」


「とりあえず、ケント、カードケースを回収するね」


いつも、カードの管理はシズハに任せている。

俺はカバンから赤のカードケース以外全てのカードケースを渡す。


「明日は赤のカードケースだけで大丈夫と思うから」


「うん、わかった」


俺は赤のカードケースをカバンの中に入れて自分の部屋に向かう。

俺は1時間ぐらいセルツピナ国とニューリッヒ盗賊団のぶつかり合いでどっちが勝つかを頭の中で繰り返していた。

俺の頭のなかでは、ニューリッヒ大盗賊団の勝ちが見えていた。

答えは明日の電子版での情報しだいだろうがな。

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