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幽霊少女と俺  作者: 準々
3/6

 ほら貝の勇ましい音色。「出陣じゃ!起きろ!起きろ!」将軍様の声がする。馬が嘶き、いよいよ合戦が始まるらしい。

 あれ?現代で合戦?

 俺は旗ではなく目蓋をあげた。

 目の前にあったのは武田信玄を模した目覚まし時計。腹部についた時計は七時をさしていた。

 「あぁ、月曜日」

 俺は瞬時に今日が月曜日であることを思い出して、体を起こした。憂鬱だ。

 リビングに着くと母はもうすでに化粧まで済ませたようでばたばたしていた。

 「おはようございます」

 「はい、おはよう」

 そういうと母さんは鞄を拾い上げ、こちらに向かってくる。もう出るらしい。

 「母さんもう行くから。あ、それから今日も帰り遅くなるから晩ご飯は冷蔵庫にあるもの適当につまんで。」

 「はーい」

 母さんはリビングから出ていき、玄関から「いってきます」と声が聞こえた。

 「いってらっしゃい」

 俺は聞こえてるかも分からない見送りの言葉を投げかけた。

 つかの間の騒がしさは余韻を残すことも無く消え去り、俺はテレビの電源をつけた。

 「――それでは次のニュースです。先週十二日、女子高生がひき逃げされる事件で……」

 そんな凄惨なニュースをバックグラウンドミュージックとして使い、食事の準備にかかる。いつも通り、コーヒーとパン。

 俺はさっさと支度を済ませ、

 「いってきます」

 誰もいない家にそういって外に出た。


 「はっはっは、ラブコメってんな」

 昼休憩、俺は佐藤に昨日あったことを話してみた。するとこの反応である。

 「うるさい。黙れ」

 俺は佐藤を睨みつけた。

 佐藤直哉。去年の春、俺から同属(オタク)の臭いを嗅ぎ取って声を掛けてくれた唯一の友達だ。ちなみに妹萌えなんだとか。

 「で、その妄想ちゃんの名前は?」

 「妄想ちゃんって……」

 どうやらこの男の中で俺の話は妄想ということになってるらしい。嘘じゃないのに……

 「どうせ聞いてないんだろ」

 と佐藤がぶっきらぼうに言う。

 「まあ……」

 「はぁ」

 佐藤はため息に合わせて「まったく、分かってないな」と言わんばかりに両手を広げて肩をすくめた。

 俺は口を尖らせて反論する。

 「聞く暇なんて無かったんだよ。だいたい見知らぬ人間が名前聞いてきたら誰だって引くだろ」

 善良な紳士たちだって「デュフフ、お嬢さん名前教えてよ?」と街行く女子高生に声をかければ変態の烙印を押され警察に捕まってしまう。そう思うと名前を聞くなんてとんでもないのだ。……あれ、善良な紳士って何だっけ?

 「お前は女に臆病すぎなんだよ。どうせモテないんだから吹っ切れてアタックしまくって砕け散ればいい。」

 「サラッとひでぇこと言うなよ。大体、お前もモテないじゃないか」

 奴の上から目線は気に食わない。なんせお互い彼女いない暦と年齢が等しい。そんなあいつに恋愛についてとやかく言われる筋合いはないのだ。

 すると佐藤は得意げに指を振って否定する。

 「俺、恋愛対象は二次元って決めてるから。そういうの興味ないし」

 「おい……」

 俺はこいつの将来が心配になった。

 と、予鈴が鳴って、佐藤は立ち上がる。

 「お、俺もう行くわ」

 「おう」

 授業までは後数分。俺は気だるく机に顔をつけて目を瞑った。

ここに出てくる目覚まし時計、実は家にあるやつをモデルにしてるんですよ。

え?どうでもいい?ですよね~

「この作品、見ている人いるのかな」なんて思いながらも自分に負けず更新していきたいです。

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