表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の凱旋  作者: 天音
第一章 邂逅
3/5

二話 ギア

声を出そうと口を開けるが喉の痛みで声が出ない。ぱくぱくと口を動かしていると、俺の状態を理解したのか女性が喋り始めた。

「ああ、すまない。君は一週間目覚めなかったからね、いきなり声を出すには無理があった。まず、私の紹介をしようか」

目の前の女性は胸に右手を添え、凛とした声で告げる。

「私の名はミラ。ミラ・ヴィータだ。先生とかミラとでも呼んでくれたまえ。といってもまだ、君は声を出すことができないだろうけどね」

そこまで言って、女性.....ミラはしばし考える仕草を見せる。だがすぐに考えはまとまったようで、再び話し始めた。

「君を見つけたときの話をしようか。君を見つけたのは一週間前、炎龍の村の中だ」

炎龍の村は、俺が住んでいた村の名前だ。同時に魔王軍と思しき奴等に襲撃された村でもある。

「他に生き残りがいるか気になってそうな顔だけど、残念ながら、君以外に生き残りはいなかったよ」

なんとなくはいた事だが、やはりはっきり言われると、かなり辛いものがあった。

「.....畜.....生.....」

なんとか枯れた声が出るようになってきたが、俺の心は悲しみで溢れていた。

「おや、声が出てきたみたいだね。そのままじゃ少し喋り辛いだろうから、場所を移してお茶でも飲みながら話すとしようか」

茶など飲んでいる心境ではないのだが、ここで話を中断するには聞いてないことが多いので、とりあえず従っておくことにした。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


「あの日、休火山だったはずのあの山がいきなり噴火したが、何があったか聞かせてもらってもいいかい?」

「.........それが、俺もよくわからないんだ。炎龍の村は、生まれもって魔法が使えるわけじゃなく、18になった日に、炎龍のもとへ行って、眷属となる契約を結ぶことで魔法が使えるようになるんだが、一週間前、18になった俺はしきたり通り炎龍と契約を結ぼうとした。だがあんたが言ったようにいきなり山が噴火してな。契約を中断して村へ戻ったんだが、俺が戻ったとき、何人かの男の手で住民は全滅していて、俺と一緒にいた村の衛兵も、俺の目の前で殺されたよ」

「.........山の噴火はおそらくそいつらの魔法的関与だろうね。数人でそこまで大規模な事が行えるってことは、おそらく敵は魔王軍だ。君に一つ聞こう。君は、たとえ君の仇がこの世界を支配している魔王軍だとしても、仇を打とうと思うかい?対抗しようと思うかい?」

「当たり前だ!家族や仲間を殺したあいつらは絶対に許せない!.........だが俺も奴等に簡単に殺されかけたんだ。対抗できる力が無いのにどうすればいいんだ.....?」

「その点は全く問題ないよ。君はもう魔王軍に対抗できるだけの力を持っている。ねぇ、君は『ギア』って知っているかい?」

「ギア.....?いや、聞いたことないな」

「ギアっていうのは、近年色々なところで見つかっている、『一人につき一つしか無いはずの属性固有能力に、もう一つ属性固有能力を追加する』というものなんだ。魔法属性は火、水、風、雷、大地、光、闇があるが、私はその中でも大地、『細胞の増殖を無尽蔵に行うことができ、なおかつそれらに鉱物、鉄などの特徴を、痛覚を消した状態で付与させることができ、細胞に鉱物の特徴を付与させた状態であれば体の形状変化も可能』というギアを持っていてね___




___君の治療もかねて、このギアを君に埋め込んでいるんだ」


前回からかなり時間が経ってしまいすいません。

以前掲載していたサイトの二話とは、大幅に話が変わっております。

話の筋は同じですけどね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ