表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/14

醒めた夢の続き

嫌いな上司は居る、だが耐えられない程度ではない。

給料に不満はある、だが他の同職に比べれば稼いでいる方だ。


穏やかな毎日がすすんでいる。

現状に不満などないはずだ。


なのに、私は思っている。

ふとした瞬間に、空いた心の隙間に滑り込むように、死にたいと、思っている。


瞼を閉じて、頭の中で自分の腹に包丁を突き立ててみる。

そんな勇気など無いくせにと、自嘲する。だれか殺してくれないかなと、いつも虚ろな意識を保ちながら、横断歩道を歩いている。最近は靴の減りが早い。足が上がっていないのだと気付いた時には、私は摺り足でしか歩けなくなっていた。


不謹慎だ。本当に事故に遭った人の気持ちを考えろ。うんざりだ。正論を振りかざして論破した気分になっている人間は何なのだろう。誰にも何も語りたくない病が深刻化していく。

苦しい。

苦しい。

苦しい。

草のように生きていたい。ただただ、風に揺られながら、脳みそを空にしながら生きていたい。


けれど分かっている。

草のように生きようとすればするほど、私の死にたくなる病は、より深くなることを。


私は何も成し遂げていないことが苦しいのだ。

けれど、どうしても何もやる気が起きない。草のように生きていたい。苦しい。分からない。自分に期待する人間関係を全て断ち切って自由になった筈なのに、どこまでいっても、自分は、自分が納得していないという一番太い鎖に縛られている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ