プロローグ
初投稿作品です。文章が明らかにグダグダではありますが、精進していくので見逃してください。投稿ペースは不定期ですが、よろしくお願いします。
カーテンの隙間から差し込んでくる柔らかな朝の陽射しが青年の寝顔を優しく照らし出す。
その光に反応したのか、「ううっ…」と少し唸りながら青年は重いまぶたを静かに開いた。
「ん…ああ、もう04:30なのか…」
04:30と言えば、普通の人ならまだ眠っていてもおかしくはない時間帯だが、青年にとっては17年間培ってきた習慣だったのでそのまま目を覚ますことにした。
気だるそうにベッドからその身を起こし、うんと伸びをする。
上に伸ばした両腕がごんっと鈍い音を立てて何かにぶつかり、青年は顔をしかめた。
「…慣れないな、二段ベッドというのは…」
青年が眠っていたのはとある学生寮の一室、その寝室の二段ベッドの下段である。
因みに上段では布団にくるまった少女が未だにすやすやと寝息をたてて眠っている。
「…まだ起床時間には早いかな」
青年―永遠野 刹那は少女を起こさないようにそっとベッドを抜け出し、朝食を作るためにとりあえずリビングに向かう。
何を作ろうかと数瞬だけ考え、なるべく簡単に出来るものが良いかと結論を出した刹那は冷蔵庫から卵を3つと、ハムを6枚を手にキッチンへ。
数分後、少し大きめの皿の上には出来立てのハムエッグが3つ鎮座していた。
「さてと、そろそろ起こしに行きますか」
調理に使用したフライパンを洗い終えた刹那は再び寝室へ向かい、二段ベッドの上段で寝息をたてている少女に、
「おーい、朝御飯できたぞー」
と、声を掛けてみるが…
「ん…もうしゅぐおやすみなしゃいのじかんだ~…むにゃむにゃ」
「何がおやしゅみなしゃいだよ、今まさに寝てるじゃないか」
少女の寝言にツッコミを入れつつベッドの脇にある梯子を登って上段へ。
少女の寝顔が目に映り相変わらず寝顔は可愛いもんだと、感慨深く思うが
「…煩悩退散」
布団の上から少女を揺り動かしながら何度も声をかけ続けるがまるで反応なし。
3分ほど粘ったものの、起きてくれる気配が無いので…
「…仕方ない、アレを使うか」
上段から降り、キッチンからコードレスのトースターを取りだし食パンを2枚セット。
そのトースターを刹那は少女の枕元にわざと置き、様子を見ることにした。
3分後、芳ばしい香りが寝室に漂い始めた頃、トースターがチンッと音をたてて食パンが飛び出すのと同時に
「うっひゃあああっ!?」
少女がベッドから勢いよく真上に飛び出した。
少女の身体は2秒ほど滞空しそのまま重力に引かれてすとんとベッドに着地。
しばらく上の空のままだった虚ろな瞳が徐々に光を取り戻し、くわっとこちらに振り向き
「その起こし方はしないでって言ったじゃん!!」
かなりご立腹の様子だな。
「起こしてから5分経っても起きなかったら問答無用でトースター使っていいって言ったのはそっちだぞ」
「…え、起きなかったの?私」
「寝言でまだ寝ようとしてたくらいだからな」
呆れた口調で言うと、
「…刹那みたいに朝日が昇ると同時に目覚められる人間になりたい…」
うなだれながら一言こぼす少女に、
「落ち込んでる暇があったらさっさと起きろ、今日は早いんだからな」
今日の学校行事は普段よりも2時間ほど早く登校しなければならない、とは言えまだ時間に余裕はあるが。
ベッドの上の少女―星野 夜空は刹那に一言、
「とりあえず、おはよう刹那」
「ああ、おはよう夜空」
その一言に刹那も挨拶を返す。
さて、これで朝食が食べられるなと刹那が考えていた直後、
「ところで刹那、私の寝顔…見た?」
少し低めの声で夜空が問いかけてくる、と言うより問い詰められているが正しい表現か。
確かに寝顔を見たには見たが、それを言ってしまうと何をされるかわかったものではないので、
「見てないし、見たところで何とも思わない」
目を反らしながら刹那が言った瞬間、ブチッと何かが切れるような音と共に夜空が視認できない速度で左手でトースターからパンを一枚抜き去り、右手でトースターを刹那に向かってオーバースローを敢行。
反らした視線を元に戻した刹那の目の前には芳ばしい香りを放つパンが一枚差さったままのトースターが飛んで来ている訳で。
「あ、やば」
これは避けられないと判断し、両腕を前で交差させて防御姿勢を取り目をつぶった。
…が、衝撃も痛みも一向に来る気配がない。
恐る恐る目を開けると、トースターと刹那の間に一本の腕が割り込んでいた。
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