頭の声と記憶
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『恐れるな。そのまま引き金を引け』という言葉が頭の中で流れた。
この言葉は、お父さんによく言われた言葉だ。拒否したら、よくぶたれていた。そのおかげで、今は何の戸惑いもなく、引き金を引くことができるようになったんだ。
次に頭の中で流れたのは『あなたは、そんなことをしてはダメ』という言葉だ。
これは、お母さんの言葉である。それに母親の最期の言葉でもある。なぜなら、その言葉を発した直後に、お父さんが僕にお母さんを殺させたからだ。
まだまだ、たくさんの言葉が流れてくる。
『よくやったな。これでお前も一族の一員と認められるぞ』と頭をなでられたあの時、僕が殺し屋の家系として認められた時。
『このガキが、この一族の後継ぎだと?』と親戚のおじさん達に睨まれた時。
頭で流れる言葉と一緒にその時の記憶も蘇ってくる。それが嫌だと思っても言葉は流れてくる。
『お前、何をしたんだ?』と死人を前に疑われた時。
『やめろ!やめるんだ!誰かあいつを止めろ!』と僕に向かって、たくさんの男の人が飛びかかってきた時。
『こいつ……、狂っている』と僕を悪魔のように見ていた親戚のおじさん達を見ていた時
『お前がなんとかしろ!息子だろ!?』と父親を責めている親戚のおじさん達を忌々しいと見ていた時
『俺は……、知らない。あんな奴、息子ではない』と自分を見ようとしない父を悲しく思いながら見ていた時
自分が何で疑われたかは思い出せない。しかし、言葉だけは思い出せる。
『あいつから逃げろ!!』と逃げ惑う親戚をぼーっと見ていた時
『そんな奴、もう殺してしまえ』と鉄砲を向けられた時
『こいつ、避けやがった』と驚く親戚を誇らしげに見ていた時
『うわあああああ!!痛えええええええ!!』と絶叫する親戚のおじさんを横目で見て通り過ぎた時
『なあ、落ち着けよ』と言いながらこっちにナイフを構えている親戚を殺した時
確か、その時に親戚のおじさん達を殺したんだっけと懐かしく感じた。
『おい……、やめろ……。お父さんだぞ』と後ずさりしているお父さんの後をついて行った時
『絶対に引き金を引くなよ!』と叱りつけられた時。
そうだ、少しずつ思い出してきたぞ。あの時僕も何か言ったはずだ。
確か……、『どうして?引かないとお父さんにぶたれちゃうよ』と言ったはず。
ここまで出たけれどまだダメみたいだ。もう一度、頭の中の声を思い出そう。
『今は良いんだ。絶対に引くなよ!!』と大声で叫んでいたお父さんから銃口を外さなかった時
『うっ!!』と口から血を吐くお父さんを心配そうに駆け寄った時
『お前は悪魔だ』と僕に向かってつばを吐かれたあの時。
たくさんの記憶が蘇ってくれたおかげでようやく思い出してきた。もうすぐだ。
『大丈夫!?お父さん!?』と何度もお父さんを起こそうと体を揺すった時
『そうだ、後を追おう』と自分に拳銃を突きつけたあの時
そう!あの時に思い出したんだ!
『恐れるな。そのまま引き金を引け』という父親の言葉を。
いや、あの時は今か。
そして、僕は引き金を引いた。
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支離滅裂な内容ですいません!
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