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千の双子  作者:
6/7

そして光に染まる

光に染まった千影の未来。

闇エンドを読みたい方は次話へ。

千影はゆっくりと、足元にへたりこんだ。

「良かった・・・姉さん・・・・・・」

千早の光が、景通を染めたのだ。

いつしか景通は光ではなく、千早自身に焦がれるようになっていたのだろう。

「本当に・・・良かった・・・・・・」

胸の奥が、少しチクリとした。

・・・分かっていた。

景通が千早に焦がれたように、千影は景通に焦がれていた。

その想いは、報われない。でも、それでいい。

「姉さんが幸せなら、それで・・・・・・」


―小さい子に話すことっていうのは全て暗示の意味合いを持つんだ。幼い頃に体験したことの全てが人格形成に関わるんだよ。


「・・・・・・本当だわ」

千影は力なく笑った。

母の言うことを受け入れて、千早を常に優先させて生きてきた自分。それがこんなところでも表れている。

「そっか・・・・・・」

幸せになった千早。

「今度は私も幸せになれたら、なんて・・・考えてもいいのかな・・・?」

光の中で、千早が頷いてくれた気がした。


◇◇◇


「千影、千早が呼んでたわよ」

「はい、すぐ行きます」

母の声に答えてから千早の元へ向かう。

障子を開けて、

「―おめでとう、ちいちゃん」

「ありがとう、ちいちゃん」

二人は微笑んだ。

「・・・君たちのそれは本当にややこしいね。昔みたいに“姉さん”って呼んでくれないかい、千影」

景通は困ったようにそう言った。

「双子なんだから、どちらが姉だかわからないでしょう」

「・・・その言い方本当に千早そっくりだね。見分けがつかなくなりそうだ」

「景通様、いくらなんでも妻の顔くらい見分けてくださらないと、わたし困るじゃないですか」

千早がふくれて文句を言う。

「その調子じゃあ、この子達の見分けもすぐにつかなくなるんじゃないですか?」

景通は自分と千早とが抱いている赤子を見比べた。

「ええと・・・こっちが千鶴で、そっちが千雨・・・だよね?」

「景通兄様、多分こっちが千雨です」

千影が景通の抱いている方を指差す。

千早は景通を睨みつけた。だが、とても幸せそうな顔をしていた。



千早と景通が結婚して、生まれた子もまた、双子だった。

今度は男の双子である。兄が千鶴で、弟は千雨。もっとも、千早風に言えばどっちが兄だかわからないのだけれど。

景通の父である領主はまだ健在で、親子共々村のために勤しんでいる。景通などは「こんな暮らしも意外と悪くないかもしれないな」などと、昔の歪んだ憎しみが嘘のようにはれていた。

千早はいまだに、千影や景通が持っていた影を知らない。きっとこれから先も知ることはないだろう。

それでいい。




―私たちは、光だった。


―だけど、私の心には影が生まれた。



けれど、私はもう一度光を持てた。ちいちゃんが取り戻してくれた。

影の心はまだ、私の奥で小さく残っているけれど。


それでも私は、この光の世界を生きていこう。

姉さんと景通兄様と、そして、この双子たちと一緒に。



「千影って名前使いたいなあ」とそれだけの理由で生まれた物語。我ながら適当ですね。

このEDを読んで満足したのなら、影EDは読まないほうがいいかもしれません。物凄く後味が悪いので。(ただ、私の周りは影ED派が多いんですが・・・中二病ばっかりだ)

私的にはこっちのほうが好きなんですけどね。救いのない終わりって嫌なんです。

「景通」を単語登録してなかったので、ずっと「けいつう」って打って変換してました。だから「かげみち」って言われると誰だか分かりません(おい)。

読み返すときもずっとけいつう、けいつう言ってます。友達にもうっかりそう話してしまい、「誰それ?」と真剣な顔で聞かれたりします。反省。

次から面倒くさがらずにやろう・・・。

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