そして光に染まる
光に染まった千影の未来。
闇エンドを読みたい方は次話へ。
千影はゆっくりと、足元にへたりこんだ。
「良かった・・・姉さん・・・・・・」
千早の光が、景通を染めたのだ。
いつしか景通は光ではなく、千早自身に焦がれるようになっていたのだろう。
「本当に・・・良かった・・・・・・」
胸の奥が、少しチクリとした。
・・・分かっていた。
景通が千早に焦がれたように、千影は景通に焦がれていた。
その想いは、報われない。でも、それでいい。
「姉さんが幸せなら、それで・・・・・・」
―小さい子に話すことっていうのは全て暗示の意味合いを持つんだ。幼い頃に体験したことの全てが人格形成に関わるんだよ。
「・・・・・・本当だわ」
千影は力なく笑った。
母の言うことを受け入れて、千早を常に優先させて生きてきた自分。それがこんなところでも表れている。
「そっか・・・・・・」
幸せになった千早。
「今度は私も幸せになれたら、なんて・・・考えてもいいのかな・・・?」
光の中で、千早が頷いてくれた気がした。
◇◇◇
「千影、千早が呼んでたわよ」
「はい、すぐ行きます」
母の声に答えてから千早の元へ向かう。
障子を開けて、
「―おめでとう、ちいちゃん」
「ありがとう、ちいちゃん」
二人は微笑んだ。
「・・・君たちのそれは本当にややこしいね。昔みたいに“姉さん”って呼んでくれないかい、千影」
景通は困ったようにそう言った。
「双子なんだから、どちらが姉だかわからないでしょう」
「・・・その言い方本当に千早そっくりだね。見分けがつかなくなりそうだ」
「景通様、いくらなんでも妻の顔くらい見分けてくださらないと、わたし困るじゃないですか」
千早がふくれて文句を言う。
「その調子じゃあ、この子達の見分けもすぐにつかなくなるんじゃないですか?」
景通は自分と千早とが抱いている赤子を見比べた。
「ええと・・・こっちが千鶴で、そっちが千雨・・・だよね?」
「景通兄様、多分こっちが千雨です」
千影が景通の抱いている方を指差す。
千早は景通を睨みつけた。だが、とても幸せそうな顔をしていた。
千早と景通が結婚して、生まれた子もまた、双子だった。
今度は男の双子である。兄が千鶴で、弟は千雨。もっとも、千早風に言えばどっちが兄だかわからないのだけれど。
景通の父である領主はまだ健在で、親子共々村のために勤しんでいる。景通などは「こんな暮らしも意外と悪くないかもしれないな」などと、昔の歪んだ憎しみが嘘のようにはれていた。
千早はいまだに、千影や景通が持っていた影を知らない。きっとこれから先も知ることはないだろう。
それでいい。
―私たちは、光だった。
―だけど、私の心には影が生まれた。
けれど、私はもう一度光を持てた。ちいちゃんが取り戻してくれた。
影の心はまだ、私の奥で小さく残っているけれど。
それでも私は、この光の世界を生きていこう。
姉さんと景通兄様と、そして、この双子たちと一緒に。
「千影って名前使いたいなあ」とそれだけの理由で生まれた物語。我ながら適当ですね。
このEDを読んで満足したのなら、影EDは読まないほうがいいかもしれません。物凄く後味が悪いので。(ただ、私の周りは影ED派が多いんですが・・・中二病ばっかりだ)
私的にはこっちのほうが好きなんですけどね。救いのない終わりって嫌なんです。
「景通」を単語登録してなかったので、ずっと「けいつう」って打って変換してました。だから「かげみち」って言われると誰だか分かりません(おい)。
読み返すときもずっとけいつう、けいつう言ってます。友達にもうっかりそう話してしまい、「誰それ?」と真剣な顔で聞かれたりします。反省。
次から面倒くさがらずにやろう・・・。




