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神様の苦悩  作者: CHONCHU
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試練6 浮気祭

多数のアクセスありがとうございます。

よろしければ評価を頂けると助かります。

“上司には逆らえない”

これはどの職種についていても共通事項である。

例え赤だとしても上司が緑と言ったら緑!


非常に不可解で生態系もどんな優秀な動物学者であっても調べ尽くせないであろう天然危険物。

それでいて絶滅することはない……。


しかし、世界は広い!


そんな生物を凌ぐ凄い怪物(失礼;)

がいる!



すなわち、

夫の浮気を知った妻、である。



うちの店は浮気のディスカウントショップ。

あっちこっちで不倫カップル蔓延中。

カビとりハイターストロング!でもとりきれない奥様泣かせ。


中でも有名な不倫カップルはこちら。


支店長とク●ニークの化粧部員のお姉ちゃん〜。

この2人一体いつからか良く知らないが一目を憚らない強者である。売り上げを見るパソコンの前に二人で座りデスクの下で手を繋いだり食堂で二人きりの世界を作ってみたり。

去年は二人で北海道に行ったとか。


たまひよのどこがいいやら…

果たして金目当てなのか…

それとも本気で好き同士なのか…


そんな2人に愛の(?)試練が訪れる。



支店長の奥さんにバレたらしい。


何が?


浮気、が。


何でバレたのかオレは知らない。女の子達の噂によると携帯の電池パックの裏に貼っていた(随分周到だな)プリクラ(えっ!?今時プリクラ!?)を見られたらしい…

アホだ…。


支店長の奥さんは美●子さんと言って横浜山手の一等地が実家の生粋のお嬢様だったはず…。

オレも面識はある。

“主人をよろしく”と言われてお歳暮とお中元を頂く仲(?)だが。“主人をよろしく”……ってこういう意味か…?だとしたらオレの命も危なくなってきた。オレは慌てて支店長室に走った。

走って走って…、今のオレなら世界をとれる!っーくらいのスピードで支店長室に着く…、

と、そこには憔悴した支店長の顔が…。

というわけでもなかったがいつもは電話に顔の脂がつくくらい脂ぎってる彼の顔は……

乾燥していた。


「支店長…」


名前(?)を呼んだものの何を言ったらいいやら…“浮気がバレたって聞きましたけど”

いやぶっちゃけ過ぎる…“ク●二ークのお姉ちゃんと別れた方がいいんじゃ”

結論早っ!第一支店長、オレが浮気奥さんにバレたこと知らないし!

うーん、なんて声をかければいいんだ…

突然支店長から声が降ってきた

「芦●さん、今日飲みにいかない?」


えっ!!?やだよ。


「あ、はい。行きま、しょうか」


オレのバカ!

陰気な支店長の様子からして多分浮気の話だろう。仕方ない。対策考えなきゃいけないし。

嫌だけど行くか。そうと決まればさっさと帰る。

あとは頼んだ!チーフ達。仕事より大事なものがある!


命だ!!


ってことで和●へ。

「ビールを中2つ」

注文をして前を見ると

支店長が口を開く。

「美●子が今家にいるんだ」

美●子さんがねぇ。よかったじゃん♪…ってえぇ!?家にいる…って支店長単身赴任だしク●ニークのお姉ちゃんが通い妻みたいになってるって聞いたぞ!

オイオイ…どうなってるんだよ。


「昨日来て飯を作ったんだけど飯の中に虫が混ぜてあったんだよ」


ぇえ!?


「混ぜてあったって…勝手に虫が入っただけじゃ……」


「今朝は納豆の中に髪の毛が入ってた」


……………………ゾッ。果たしてわざとなのか偶然なのか。偶然であってくれ。わざとだったら相当怖いぞ。


運ばれてきたビールを一気に飲む支店長。いつもは申し訳なさげに生えてる髪をワックスでたててるのに今日はすっかり寝てしまっている。


「今日お前んとこに泊めてくれよ」

ぎゃー!!

オレも命は惜しい。もし仮に美●子さんの料理がわざとだとして支店長をオレが匿ったりしてみろオレマジ死ぬじゃん!


多分美●子さん的に支店長が好きだから、とか自分の夫だから盗られてムカついてるんじゃない。気分は自分の飼い犬が隣近所の仲の悪いおばさん家の雌犬に尻尾を振ってる、そんな感じだろうな〜

そんな怖くてプライドがエベレストより高い美●子さんに対して勝ち目はない!“ご利用は計画的に”

その通り!

「今日はちょっと…」

「じゃあ家に飯食べにこいよ」


勘弁してくれ。

「よしそうしよう」

勝手に納得して決められちまった。まぁ泊めるよりましだよな。

「はぁご馳走になります」

「よし帰ろう!」


Σもう!?まだ心の準備が出来てないんだけど!

が、既に目がすわってる。まだ一杯しか飲んでないだろ!

まぁもっと飲ましてベロベロになって担いで帰るよりましだよな…。素直に支店長家へ。


駅から歩いて5分程にある3LDKの支店長のマンションは結構外見が凝っていていい所だ。3階の一番端を見上げると灯りがついている。

これからなにが起こるやら…。


ピンポーン。


カチャ。


「芦●さん?お久しぶり〜どうしたの?」


急な来客で驚いてるらしい。

オレもビックリだよ…


「えっと…」

口ごもると

「せっかくの正月で独りじゃ可哀想だろ。飯に呼んでやったんだ」


え―!?マジ?押しつけがましいな!!

帰ってやろうか?

横目で睨むと目配せしてくる。

ちっ。

「お邪魔でなければ…美●子さんの手料理頂きたいな〜なんて」


実際お料理教室に通ってる美●子さんの料理はとてもうまい。


「邪魔なんて何言ってるの。上がって」

なんだ普通じゃん。やっぱり気のせいじゃないか??

あがってしばらくすると料理が次々と運ばれてくる。おせちがかなりの量あるが全部自分で作ったというから大したものだ。

おかずが沢山出てきて最後にご飯が運ばれてくる。オレのご飯は白米だが隣の支店長のを見ると、


!!!!!?麦飯!!?



なんで?前社員食堂で麦飯はキライって喋ってた気がするが気のせいか??案の定苦虫を潰したような顔をしてる。

チラッと美●子さんを見るとニコッと笑顔で

「少しは健康に気を使わないと〜」


…………………………。オイ、支店長、もしかしていや、もしかしなくてもマジかも…よ?

大丈夫♪土下座するか指詰めればなんとかなるんじゃね?


しかしそんなもんじゃすまなかった。


飯を食ってると横で口になにか堅い感触らしくなにが出してる。

見ると


固く固まった…ご飯??

出して何事もなかったように食事を続けている。2人とも、だ。

まぁ部下の前で言い合いなんてプライドが高すぎて出来ないだろうな…


怖ぇえ――!!


こうなりゃさっさと食って帰るしかオレの胃が安全でいる方法はない!


支店長には悪いが。

大人しく切腹するなりしてくれ。


「じゃあオレはこれで…」


「ゆっくりしていけばいいのに…」

Σとんでもない!

「すみません、明日早いので。また今度。」

あくまで次があれば、ですよ。


支店長を見ると青い顔をしている。ふっ。悪いが自業自得じゃないか?


サヨナラ、支店長。



次の日支店長と仕事場で会ったオレは挨拶の前に言ってあげた。


「ご無事でなによりです。でもク●ニークのお姉ちゃんと別れた方がいいみたいですね。」


オレなりの精一杯の思いやりだった……。




今日の天気予報です。

日本全国の浮気中の皆様、午前中から曇り、夜には台風になるでしょう。ご注意下さい♪♪

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