試練5・5 ドラゴンフルーツの謎
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
年末に書いたのに鬼のような年末年始の為アップできませんでした。
少し時期がズレてますがご了承を。
尚、団体名などは実際とは何ら関係ありません。
さて、年末です。
師走と言うくらいだから当然普段プラプラしてるえらい奴も忙しく働く月なはず!
……………が。
どうやら昔の人は嘘つきらしい。
走るどころか小走りもなし!
いつもど〜りカメもびっくりな歩み。。
そんな事など一切感知せずただただ年末は過ぎる。
勿論、
クレームと共に。
「あの、お忙しいところ申し訳ありません…」
おっとり系女の子が遠慮がちに告げてくる。
「どしたの?」
「ちょっとお客様とトラブルが…。」
オレは基本的に相当お客様が駄々をコネたり
責任者を出せと騒いだりかなりご立腹でない限りクレームは関わらない。
しかも彼女は有能で自分でいつもきちんと解決しているのを知ってるから相当困ってるに違いない。
「?」
テープが黙って彼女から手渡される。
デスク横にある機械に差し込み再生ボタンを
カチッと押す。
『おい!昨日お前の所で買ったドラゴンフルーツ腐ってたぞ!!ったく腐ってるの売って儲けてんじゃねぇよ!!バカヤロウ!!!!』
わぉ…。
初っぱなから元気な男の怒声が聞こえてくる。
ちょっと、おじさ〜ん。機械がビリビリ言ってるよ。
これ壊れたら新しいのおじさんが買ってくれるかな♪
テープの中の彼女は当然謝って商品交換かご返金を申しでた。
『ったくてめーは無能だな!』
『申し訳ありません。』『いや、お前が謝って済む問題じゃねぇ。お前みたいな能なし雇った会社が悪いんだ』
こんな屈辱的な言葉を吐かれてさぞかし辛かっただろうに。
彼女はここで一回テープを止めた。
「この直後私は代替え品を用意しに地下の食品売り場に降りました。」
しかしここから更に問題は発展する。
なんと売り場はドラゴンフルーツを売ってなかったのだ。
おいおい…。
担当者に聞くといつも卸してる業者がここ1カ月程ドラゴンフルーツが仕入れられなくなって販売してなかったらしい。
が、お客様は‘昨日’買ったと言った。
聞き違いかとテープを確認してもやはり‘昨日’と怒鳴っている。
困り果てた彼女は再びお客様宅に電話した。
『恐れいります。昨日お買い上げとのお話でしたが昨日は販売してなかったようです。いつどちらでお買い上げでございますか?』
『ふっざけんじゃねぇ!!てめー能なしの上に目まで腐ってんのかよぉ。ったくドラゴンフルーツって言ったら青果だろ!?頭でも下げて売り場の奴に聞けよ!じゃなかったら胸でも揉ませて聞くかぁ!!?』
テープからは悲惨な侮辱文句が響いてくる。
お客様は怒鳴るだけ怒鳴って一方的に電話をきってしまったらしく
ガチャ!!ツーツーツー…と虚しい音が事務所に響く。
クソ野郎。
さて、どうしたもんかと考える。ヒゲをさわりながら考えるとその仕草を役立たずだとなじってるように見えたのか?
「申し訳ありません。」
と頭を下げてくる。
いや!違うんだ!ただどうするか考えてヒゲさわってただけなんだー!!誤解だよ!!!
口にしようと思ったけど上手く言葉が出てこない。
ちきしょー。
このドラゴンフルーツ野郎のせいだ!!
大体ドラゴンフルーツ野郎が電話かけてこなかったらオレがこんな目に合わなかったのに!!
全部奴のせいだ!
自分の口下手を人のせいにしたらがぜんやる気が出てきた。
よし、まずこのクソ野郎を退治して名誉挽回だ!クソ野郎(実際はお客様だが女の子を泣かせる奴は客じゃない!!)の電話番号と名前を聞いて
「あとやっとくから」
とだけ言って仕事に戻す。
さて、どう攻めますか…。
取りあえずドラゴンフルーツの確保をしないと。食品のチーフに電話すると
『ドラゴンフルーツ…ですか。いやーちょっと無理ですね…』
どうやら本当に手に入らないらしい。
『ただ、●ーカ堂に行った時に見かけましたが。』
●ーカ堂、ねぇ…。
ふむ。
まさか●ーカ堂に頼んでもらうわけにもいかない…。
大体クレーマーっうー可能性もあるし。
よし♪
商品確認よりレシート確認するかな。
ピポパポピポパポ…
プルルルプルルルプルルルプルルル………………
カチャ
『もしもしぃ!?』
たかが電話に出るくらいでそんなに力むなよ…
『●●様のお宅でしょうか?わたくし●×△社の責任者の芦●と申します』
『あぁ。』
「あの〜ドラゴンフルーツなんですが当店で昨日お買い上げ頂いたんですよねぇ」
『だからそう言ってんだろ。何度も言わせてんじゃねぇよ!!』
「左様でございましたか〜。しかし残念ながら当店でドラゴンフルーツは今販売してないんですよ〜。」
女の子を傷付けた奴だしかったるいわですでにいつもどうりの丁寧さなんてない
『はぁ!?』
「で、お調べしたいのでレシートお手元にお持ちですよね?」
『んなもんねぇよ。』
「そうですよね〜でわ何時頃お買い上げですかね?こちらで特定しますので」
『覚えてねぇよ!!』
「では昼でしょうか?朝でしょうか?夜でしょうか?」
『…昼だよ!!昼!
こんなとこで電話なんてかけてねぇでさっさと調べろ!タダじゃおかねぇぞ!?』
何度も言わせるなって自分が勝手に言ってんじゃん!
しかもタダじゃおかねぇっていくらになるんだろうか…100円?200円?まさか…10000??困ったなぁ…給料少ないのよ!
仕方ない!オレの体で払うよ。や・さ・し・くしてね♪んもぅ。
『おい、聞いてんのかよ!!』
あ。ごめん。聞いてなかったよ。
「かしこまりました。キチンと確認してお電話致します。」
『ったく天下の●ーカ堂がなにやってんだよ!!!!』
………………………ん?今なんて言った??
●ーカ堂って言わなかったか……?
おいおいもしかして……ってんなバカな〜
頭に食品チーフの話が一瞬浮かぶ。
”●ーカ堂で見た気が“みたいなこと言ってなかったか??
疑問はどんどん膨らんで確信めいたものに変わる。
「お客様当店は○◆△社ですが当店でお買い上げいただいたんですよね?」
『あぁ!?だ〜か〜ら!!お前の所の●ーカ堂で買ったんだよ!』
うちは○◆△社だアホ。
「残念ながらお客様、当店は○◆△社でございます。」
『ぁあぁ!?ってめぇは誰だ?』
誰だ…って芦●です。
「先ほどドラゴンフルーツの件でご連絡頂きました、○◆△社の芦●と申します。」
『…………………………………………………。』
「……………………………………………………。」
ブチッ。
えっ??
ツーツーツーツーツー…。
って、おい!
切りやがったよ!!
自然に笑みがこぼれてくる。そうゆうことか……うちの店と●ーカ堂を賭間違えたらしい。うちの可愛い子ちゃんを可愛がっといて今更そりゃないじゃーん♪慰謝料くらいは、
ねぇ♪♪
ピポパポピポパポ…
そっこー再びお客様宅に電話。
『はい』
さっさと違う(奥様だろうか)おばさんが電話にでる。
「もしもし〇◆△と申しますが申し訳ありません。先ほどお電話中にお電話がこちらの手違いで切れてしまったようです。」
ノリノリで話すと…
『ちょっと待ってください』
と言って受話器を置く音がする。
“あんたー電話!!
……はぁ?……出ないの?じゃあどーすんのよ!!………………セールス?でも○◆△社だよ?……ったく……”
いやいやデパートはセールスしないだろ!
と、バタバタ
お、こっちに歩いて来た音がする。出るかな♪出るかな♪♪
ガチャ。
Σ( ̄□ ̄;!!
またやられたー!!!
その後何度もかけたが電話はつながらなかった。
ちきしょー。いいとこ見せようと思ったのにオレの“やっぱり頼りになりますね”計画がだいなしじゃねぇか!!せっかく…せっかくぅぅぅー!!!!!!!!!
仕方なくなく女の子にその話をしたら笑いながら
“ありがとうございました”
ってー!!
うはー可っ愛い♪♪
オレの中では煮え切らなかったがまぁよしとしよう!
そんなことを考えながら大量の問題を抱えながら年末は過ぎていった…………………。