試練9.0 歯を
今回は前編後編に分けました。ご了承を。
だはぁー。
ストレスピーク時になってしまった。とばっちりを受けた皆様、申し訳ない。
ったくしょうがねぇな〜芦●は!!とか言いつつ許してくれ。
なんか楽しい事ないかな
ブッーブッーブッーブッー…
オレの首輪…じゃなくて…携帯のバイブがなった。
携帯『ブッーブッーブッー …』
オレ
「……………………。」
携帯『ブッーブッーブッー!!』
オレ
「……………………。」
画面とにらめっこをする。
根負け勝負だ!
と、
「電話、なってますよ」
クールな声が横から。
去年入社したばっかりの女の子にツッコまれて
「あ、はい…そうですよね…」
とかブツブツ言いながら一呼吸して電話に出る。
「も、もしもし!お待たせしました。芦●です!!」
いかにも急いで電話に出ました!風を装う。
電話はオレの予想通りの内容だった。
すなわち、女の子がお客様に電話で二十分怒鳴らてるのでどうにかしてほしい、と。
走って行ったオレの目に映った(こう書くとちょっとラブストーリーみたいじゃないか!?)のは半泣きなりつつ電話に向かって誤り続ける新人の女の子だった。
はぁ…オレってビンボーくじだよな〜
そのまま女の子の手から電話を抜き取る。
「お電話代わりました。わたくし責任者しております、芦●と申します。なにかございましたでしょうか。」
『おう!お前責任者か!えっらい遅く出てくるのぉ』
広島弁?大阪弁?みたいなドスの効いた声で相手は話してくる。年は…50いや…60才か。
『ほなら話が早いわ。今から出てこいや。お前にも食わせたる〜』
なにがなんだか分からないうちに住所を告げられ電話は一方的にきれた。
待て………
食わせたる〜。
―なにを?
「なんだったの?」
電話をとっていた女の子に聞くとどうやら地下の惣菜で買ったタケノコの煮物が固くて食べれないと怒鳴ってたらしい。
行くか…。
一応詫び品と代替え品とご返金できるようにお金を持って。
行ってきま〜す。
お客様のお宅へは車で25分弱。
車をとめて小道を少し歩けば
“是●”と表札があった。
ピンポーン♪♪
インターホンをならすと奥から頭がない…じゃなくて髪がない恰幅のいい(70才位だろうか?)お爺さんが出て来た。
「よう逃げんかった。早よ入りぃ」
逃げてよかったのか!?ってか逃げるような事されんの!!?
心臓はすでにバックンバックンどこの騒ぎじゃなくバンバンバンバンと警告音を発してる。
畳の部屋に通されるとテーブルの上には見慣れたトレーと食べかけられたタケノコの残骸。
これから何が始まるやら。嫌な予感がビシバシする……。
「俺が買ったんだがいくら噛んでも噛みきれんわい。お前食ってみぃ。見ててやるさかい」
!!食うの!?
オレが!?
視線が痛い…。
食うか。
パックリ…。
モクモク…。
タケノコは容易く口のなかでほぐれ味付けもキチンとされてる。
オレが食ったのをみたお爺さんがうれしそうに声をかけてくる。
「どや食えんかったやろ?」
普通だったオレは遠慮がちに
「わたくしの食べたタケノコは問題なく感じましたが…。」
しまった!!
不機嫌顔になったぞ!!
「ほぉか…んならオレが食べたタケノコ食ってみぃ。」
え…。もしかして横にある口から出しました〜みたいなやつのこと??
だって一回口に含んだんだろ!?
それを…オレに食えってか!!?
前を見るとニヤニヤとした爺さんと目が、合った。
………………………………………………………。まるで食べれないならお前の負けだと言うような。
………………………………………………………。
次回に続く。