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転校生で帰国子女な木野畿と知り合って次の日。
私が腹黒っていう噂が流れていた。
その噂の出た元は、一人しかいない。
疑う余地もない。
その“真実”を知っている奴は…。
「ってない、言ってないよ!」
「あんたしかあり得ないのよ!」
畿の机をたたく。
人前、でもみんなあの噂を聞いているし。
雑音なんて関係ない。
周りなんて関係ない。
ただ、ただ、私は走る。
教室を出て。
階段を下りて。
職員室を横切って…。
周りに隠していたことがバレてしまったそのことよりも、
友達に裏切られたことが何より悲しかった。
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