表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第7章:

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/81

女神様の鼓舞

「若葉ちゃんから伝言があります。一番活躍した人にあたしと一日デート権あげる(ただし幸平を除く)、だそうよ」


 折井と交代でベンチ入りすることになった千種は試合前の円陣でそんなことを部員に伝えた。

 湧き立つ部員。特に一部の一年生は目の色が変わっている。


「五明。おまえまでその気になるんじゃない」

「なんでですか?あの胸を一日見放題なんですよ」

 おっぱいのサブスクがあるわけないだろ。そもそも美也子に知れたらどうするんだ。

「その時はその時です」

 既に覚悟を決めたかのような五明の表情に、美也子の怒りの怖さを教えるべきか少しだけ悩む。


 ふと千種を見るとなんとも悪気な顔をしていた。今までちょっとずつ受けてきた美也子のいたずらとか暴言の鬱憤をここで晴らすつもりか。

 …まっ、まだ五明が活躍するか分からんしな。


「今日も3人いないからな。外野は市川、早名、沢村で行くぞ」

 ようやくベンチ入りした大前監督はそんな風に各々の指名をした。

 内野は左回りに山形、五明、後藤、菅。

 光太郎、田所バッテリーだ。

 昨日の暑さは今日も続くらしい。


 ・・・

 試合は我がチームの先攻。準備をする俺に千種が声をかける。

「いってらっしゃい」

 それは単なる励ましに過ぎないはずなのだが、校内の『女神様』から発せられたと言うだけで、ある種の鼓舞となった。

 折井ではなく、千種がいると言う緊張感。

 その場に居合わせる者にとって特別な物語が始まる予感を抱かせる類だった。


 トップバッターはその威厳を毎日心身で受け慣れてる俺なんだけどね。


 相手は下馬評通りの強豪校。どちらかが甲子園に行くだろうと大会前から予想され、その通りに勝ち上がってきた…本物の強豪だ。

 エースも五明並みに速い。


 …光太郎よりは遅いってことだ。


 試合開始とともにキレのあるストレートを真ん中に投げ込んできた。挨拶代わりらしい。

 俺は打席で軽く頷く。

 こちらもよろしく、と。


 果たして…意図が伝わったのかは分からないが二球目からが本当の戦いの開始だ。

 狙いはインコース低めのストレート系。カットボールかストレートをおそらくはこの打席に1球は見せてくるはずだ。


 左バッターの泣き所…膝近くの低めに投げられる球威とコントロール。それを見せつけてくる。


 読みは早々に当たる。

 センバツで放ったホームランと同じコースに、二球目は来た。木製でなく金属なのだから折れる心配はあろうはずもなく、スポットに当てた。

 センバツの一本より手応えのない打球は俺の予想すら超え、ライトにそのまま入ってくれた。


 どうやら先制できた。

 観客には分からないほど小さく右腕を引いた。それでもベンチの千種なら気づいてくれたはずだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ