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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第7章:

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79/79

川上くんは過保護

2番沢村の打球は力なく内野に転がり、俺たちはなんなく先取点をあげた。

さあ、あとは宝くじ打線だ。


市川がレフト前に落とし、五明が左中間に弾き返す。光太郎は軽々とライトオーバー。

一年生クリーンナップが3連打し、2点を追加すると田所は柔らかなバッティングで犠牲フライ。そして山形は三振。


しめて4点をリードした。

次第に試合は田所が支配していく。ストライクを先行させ早打ちを促し、要所で川上の生命線…両隅の微妙な変化球で空振りや打ち損ないを誘う。

川上には監督から「おまえのストライクゾーンは左右の低めベースいっぱいだけだ」と、そこしか投げない練習させられていたからな。130km超えのテークバックの小さい、多彩な変化球を投げ分けるサウスポー。

スペックだけなら強豪校の2番手あたりにいても不思議はない。

うちだと光太郎は別格としても市川や一条、五明やロゼ太郎の身体系に、投げ慣れてる沢村やなんにでも器用な黄田までいるからな。

おまけに俺も追加できるかもしれない。


「過保護に育てるとロクな大人にならない」

二度目の打席でも出塁して5点目のホームを踏んでベンチに帰ると、田所はそんなことを言った。

誰のことを言ってんだ?

「そりゃ川上のことだ」

川上が過保護ってそんなわけないだろ。

「投手として、だ」

ああ…それならそうかもな。ピンチで踏ん張ると言った経験はなかったんじゃないか?

「やつがどこらへんまで望むかは知らんが、能力が精神よりだいぶ上がりすぎてる」

そんなにおまえの中じゃ川上の評価が高いのかよ。

「化け物が多すぎるだけだ。普通に左投げなら県内でも五本指には入るだろ」

当人は俺たちの会話など耳にも入らないらしく、ベンチの中でとんでもない量の汗を拭っていた。


相手チームのエースが登板した時には既にコールドゲームの点差に開き、川上は7回を沢村の指示通り投げきった。


田所と川上は試合後にスポドリを外野陣に奢ってくれたが…

「なんで僕も出さなきゃいけないんだよ」

最後までボヤいていたのはなんと言うか…実に川上らしかった。


・・・

「痛いところない?」

県都での連戦のため宿泊しているホテルに千種は来た後そう尋ねてきた。

しばらくぶりに一試合まるまる出たんだったな、そう言えば。

疲労以外に違和感のないことを告げると、安堵して

「明日は一選手だからね。思い切りやってらっしゃい」

4本ヒットでも満足なされてないんですかね。


監督がやっとベンチにやってくると光太郎から情報が寄せられた。

どうも橋本薫さんから結菜、光太郎の筋らしい。 折井がデンとベンチに控えてるから特に監督いらないんじゃないかな。


「明日はあたしがマネージャー」

その適当にベンチ入りする制度は誰が作ったんだよ。

「若葉ちゃん」

折井もよく分かんないことするよな。明日は決勝だってのに。

「黄田くんたちがいない分縁起担ぎだって」

千種も御神体扱いされるのは嫌だろ。

「二千年で慣れた」

…ミコさんか。


「そこイチャイチャしない!」

なぜか結菜に注意されて明日は決勝に向かう。

明日は満を持して光太郎が先発する予定だ。やっとと言うか、本番が始まる気がするのはなぜなんだろう。


そして川上は…珍しく千種や結菜に褒められて舞い上がっていた。

やはり過保護なのは良くないようだ。

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