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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第7章:

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78/79

準決勝の外野陣

さて。

なんだか準決勝だ。そしてベンチ入りした部員の数が寂しい。たかだか12人だもんな。

予定通りと言うか、ロゼ太郎もブートも、黄田も家業の手伝いでこの場にはいない。


「ここから相手よりも自分たちを信じろ」

もっととらしく沢村は円陣で言う。

おう、と俺たちは声を出しグラウンドに散った。


相手は私立の強豪。そして俺たちは…優勝候補の最右翼だ。最上級生もいないのに。

それほど…個人個人の能力が抜けていると、地元メディアは書き連ねていた。


だが、外野3人がまるまる欠場である。なので、センターには俺が入り、ライト光太郎、レフトは…市川が入った。

急造外野陣だがそもそも化け物ばかりのチームは打撃練習特化型で、当然外野の球拾い…と言うか外野で打ち損ないの変な回転のフライやライナーは実は慣れてたりする。

後はまあ…出たとこ勝負だ。肩だけは俺も含めて遜色ないはずだ。


先発は昨日の沢村の宣言通り川上がマウンドに上がった。

俺たち外野陣にとって田所の配球が怖かった。

「田所さん、絶対高め要求多くなりますよ」

市川は確信したように試合前に俺に言った。

「それだけ信用しているんだろ」

「だといいんですけどね」

「明日の分走り込んどけ」

「そんなに外野に飛ばされるんですか…」

予想だけどな。


試合が始まると案の定、いきなり左中間。やや詰まっている分市川は追いつき…スライディングでキャッチした。

上半身だけ起こしてボールを俺に投げた市川は

「帰りは絶対田所さんと川上さんに奢ってもらいます」

と険しい顔をしていた。少しだけなら俺も出していいかな…なんて考えていたら。


センターライナー。伸びると踏んで下がったところに打球は来た。

気持ち良くバッティングさせてんじゃねーよ、田所。

少し市川の気持ちが分かってきたところで、今度はライトライナー。光太郎もなんとかおさめたみたいだ。カバーに向かうだけでしんといぞ、田所…。


ベンチに帰ったところで

「ウォーミングアップに足りたか?」

しれっと田所の言葉。

ふざけんな、今から一番なんだよ。

「打席で休めや」

ああ…そうさせてもらう。


相手の先発は俺と同い年の2年生。あちらも明日を見越してのエース温存らしい。補欠対決ってか。

体感で脈拍数が落ち着いてきたと思った時には既にフルカウント。ちらっとスタンドを見やれば黄色いミサンガ。


ほんと千種だけは見分けがつくのな。

俺は視線を投手に向けたまま千種に向かって左手で右腕を軽く叩いた。

ここにいるから…と。

見えなかったがたぶん千種は頷いたことだろう。


そんな確信の中…相手の投じた6球目。

素直に反応したバットから放たれた打球は右中間を割り、俺は3塁に到達した。

全力疾走でまた脈が上がる。


どうやら今日は暑くなりそうだった。

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