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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第7章:

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味方をも欺く

 結菜と千種の間が微妙だ。

 千種が言うパワープレイで五明と美也子が試しに付き合うことになったからだろう。妹の失恋に姉が胸を痛めるのは当然のなりゆきだ。


「男に振られたくらいなんでもないんだけどね」

 そう結菜は言う。

「だから千種、幸平くんちょうだい」

「嘘、まだ狙ってたの?」

 驚く千種。

「冗談」と笑いながら結菜は続ける。

「きちんと痛くなれば次はもう少し強くなれると思うよ」


 確かになあ…。話に聞くだけだが、水泳のパフォーマンスにおいて、三姉妹では結菜が一番安定しているらしい。

 そして由麻ちゃんはそのポテンシャルを評価されながらも、メンタル面に課題を抱えていると言うことだ。


 心が傷を負ったなら、それが治った時以前よりも強くなれる…そんな理屈だろうか。

「なあ結菜。俺をもらってくれないか?」

「やっと両思いになれるんだね!」


「…いい加減にしないと問題になるよ」

 冷静な大杉美樹のツッコミ。

 俺の嫁が確実に怒っていらっしゃる。


「明日デートに行こう!」

 まだ冗談を続ける結菜に対して千種は

「もうこれ以上はダメ」

 と俺を抱きしめる。

 渡さないつもりらしい。


「これくらいで勘弁してあげる」

 結菜はすっきりした顔で宣言した。

「妹を気遣う姉なんてあたしのキャラじゃないもん」


「いつまでもじゃれてないで次の授業、結菜当たるよ」

 美樹の言葉が現実に引き戻し、より複雑な感情をお互いに持つことになった千種と結菜はその後普通になった。


 愛と無関心が両極など妄説だ。

 愛と憎が無関心の極北にあるべきである。

 そのことを行朝さんに今度聞いてみよう。


 ・・・

 さて野球部。

 準々決勝を明日に控え調整の最中。

 監督は相変わらず来ないし、一年生は折井の言うことしか興味ないしほんとふざけている。


 たかがおっぱいなのに。

「ほんとですよね」

 なあ光太郎、そう思うだろ?

「確かに魅力的なんすけどね…」

 微妙な発言をするのは五明くんじゃないか。おまえも彼女持ちになったから、こちら側にようこそ。

「そんなこと言うと連中に反乱されますよ」

 早名組が室賀組に改称した時点であいつら破門したからな。

「あいつら知ってんすか?」

 さあ?


「もう幸平の時代じゃないからな」

 沢村も参加する。明日の先発どうすんの?

「折井ー!」

 ここで沢村は折井を呼んだ。


 ゆさゆさとなにかを揺らして来る折井若葉。

 …一年生の気持ちが分からなくもない。


「明日誰から行く?」

 先発を折井に尋ねる我が野球部の主将。

「まだ決めてなかったの?」

「調子を見極めてからだから」

 もっともらしいことでごまかす沢村。


「まだ投げてないのは…」

 しばし考えこむ折井。


 そして先発山形、五明の継投案が出された。

「俺ほとんど投げる練習してないんですけど」

 と五明。

 心配すんな。山形なんか練習にも来てないから。


 と言うわけで千種を通じてマロさんに観戦要請がなされた。きちんと恋人(候補)を見なさいと言う千種の親心だ。

 味方をも欺く。


 用兵の基本だ。

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