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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第6章:戸惑いの季節

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由麻ちゃんの失恋

 微妙な姉妹感情と言うものはあるらしい。

 学校につくと結菜がその細い眉を潜めていた。

 どうした?光太郎となんかあったか?


「別にないけど…五明くんのこと」

 なんのことだととぼけるのも白々しいよな。

 だから姉からまず聞いてみようか。


 五明と美也子が付き合うみたいだな。

「昨日の昼から由麻が落ち着かないんだよね」

 なんらかの異変が起こっているらしい。

「単純に失恋じゃないみたい」

 単純な話じゃないんだ?

「本音ばかりで話してないから…」

 四月当初より打ち解けてきてるとは言え、同居してからまだ半年も経ってないものな。

 おまけに俺も2カ月入院してたから、その間の関係性の変化まで把握できていない。


 さてどうしたものか。


 ・・・

 探偵役は大概周辺の聞き込みか尾行と相場が決まってる。尾行は…そもそも学校内の上に俺が中途半端に有名なので選択肢から外す。となれば周辺の聞き込みか…。

 また美也子や五明のクラスに行かなきゃいけないってことか。

 だいぶ気が乗らないけど…。


 昼休み。

 昨日と同じ道をたどる。もうほんの少し先で見慣れたアッシュグレーの髪。

 あれ?どこに行くんだ。


 予期せぬ尾行が始まる。どうやら1人のようでプールの方に行くみたいだ。

 ストーカーいっちょあがり。

 …千種の耳に届きませんように。


 昨日と同じプールの死角のスペース。

 この場所は昨日だけでなく、ヒメさんと千種の別れの場所にもなったし、正直来たい所でないことに気づく。


 おや、先客。

 …って五明と美也子?

 2mくらいのところで由麻ちゃんは立ち止まり、二人に対峙する。

 ここで俺は一つの決断をする。何を話すにしても美也子が主導権を握って話すなら介入する。五明なら見守る。

 分かりやすい見た目の責任感があるかないか、だ。

 俺自身にとっては美也子を守ることが優先だった。


 陰から見守ると…。


「…そんなわけで付き合うよ」

 絞り出すように告げる五明。

「昨日から…なの?」

 由麻ちゃんは五明に目をくれず美也子に問いかける。

 戸惑うように美也子は

「うん…」

 と答えた。


 アオハル。


「…良かった」

 そう由麻ちゃんは言った。

「これからはあんまり遊べないかな」

「そんなことないよ」

 いつもより幾分か早口で美也子は否定する。


「五明くん」

 何を言われるんだとギクリとする五明。

「あたしの大切な友達だから…ね。あたし以上に大切にしてよ」


 そして何回かやり取りをした後で、由麻ちゃんは少し覚束ない足取りで二人を背にした。

 ずっと由麻ちゃんが無理をしていると分かる。おそらく二人も。

 それでも二人は、由麻ちゃんを追いかけなかった。


 由麻ちゃんが俺の近くまできた時、結菜と千種が俺の背後にいたことに気づく。

 どうやらやはり3人の話を聞いていたらしい。


 由麻ちゃんがその場に来ると、姉を由麻ちゃんは見つめた。

「うまくできたかなあ…」

「立派だったよ…由麻」

 妹は姉の胸で泣き出した。


 俺は千種に二人が時間を過ごせるような場所に案内するよう頼み、俺は五明たちと話すことにする。由麻ちゃんと五明たちが同じクラスなのが今は恨めしい。


 どうしてこうも人の恋は切なさを伴うのか。

 五明も美也子も辛そうな顔をしていた。


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