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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第6章:戸惑いの季節

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五明くんと登校

 姉の懐妊は千種を通して行朝さんたちに伝えられた。特に千紗さんは感慨深そうだったと言う。高校生の頃から知ってるもんな。


 いずれは千種も…?

 全然想像できない自分がいる。だいたい父親は…。


「認知しないつもり?」

 いかにも爆発しそうな視線で俺を見つめる千種。

 いいや、我が子に罪は…。

「娘だったらだだ甘の父親になりそうなくせに」

 …まだ分かんないだろ。


 とにかく結婚、出産と言ういわば人生のハイライトを意識せざるを得なくなった。


 その時俺は何をしているのだろう。千種とどんな関係にあるんだろうか。

「もっと好きになっている」

 狂おしいほどの真っ直ぐな言葉。


 ・・・

 さて、義兄にお祝いのメッセージを送ろうと思うんだが。

 果たしてどう書けばいいんだろ。

 右に座る千種に聞く。


「素直に書くのが一番だけれど…。もうすぐ僕も続きます、とか?」

 せめて高校卒業までは駄目って千紗さんに念を押されてるぞ。

「そんなのやった者勝ちよ」

 無茶言うな。働くのはやぶさかでないけど、俺も高校卒業はしたい。

 その後も脱線する千種を押し留めてなんとか無難なメッセージを送ることができた。


 試合後の日付が変わろうとする頃、義兄は丁寧に返事をくれた。


 ・・・

 次の日の朝、いつもより少し早く部屋を出ると告げられた。

 用事はなかったはずだけど。


 通学路を割と早めにはずれ、普段は使わない道を行く。これ玲先生のアパートに向かう道だ。


 美也子か?

「うん」

 わざわざ迎えに行くんだ。

「んー、少し違うの」

 ?


 説明不足のまま玲先生の部屋の近くで美也子と落ち合う。

 なにか憑き物が落ちたようにすっきりした顔を美也子はしている。


 トヨさん、どっかに行ったのか?

「憑き物ではない」

 千種からの低い声。ミコさんか。

 最近器用に突然出てくることができるようになったみたいで…俺には不都合だ。

 憑き物扱いは彼女たちには失礼に感じるらしい。


 美也子に合流してすぐ。やや重たげな足取りで現れたのは五明くん。

 明確に付き合うことになったのか、誰からも明言されてないなと思いつつ

「よう、朝から仲良く登校か」

「…あんまり気が進まないですけど」


 やはり美也子の勢いに押されたのかと思う。

「まさか五明と朝一緒に登校することになるとはな」

「昨日まで考えてなかったですよ。…幸平さん」

 うん?

「あの二人を普段から相手してるんですよね?」

 同情してくれるか?

「なんて言うか…重たいものに全速力でぶち当てられてる感じです」

 あいつら感情の量が普通より多いからな。

「一般人のつもりなんですけどね」

 好むか疎むかはおまえ次第だけどな…悪くないぞ。

「達観してるんですね」


 ただ慣れただけだ。


 千種の狙いは明白で。

 五明と美也子が付き合いだしたことと、バックには俺たちがいること。

 文字通り美也子と五明が先に行き、後から俺たちが続く。

 その立ち位置で想像できることは多くない。

 千種のお墨付きを…彼女たちに与えたのだった。


「なあ、一つ気になるんだけどさ」

 由麻ちゃんってどうなんだろ?

「あたしの立場的に由麻ちゃんと接触しないほうがいいかな。幸平、今日中ね」


 どうやら今日は探偵までこなさなければならないようだ。


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