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高良フェノミナン2nd  作者: カラー
第6章:戸惑いの季節

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五明会議2

「幸せをみんなに与えるの」

 母(せい)に自分の名の由来を尋ねたときだ。もう五年以上前のこと。

「だから幸平なの」

 小学生にその願いがわかるはずもなかった。


 そんなことを思い出していると、不意に千種が、

「あたしだけのものでいいと思うけどな」 

 と言う。

 …以前からなんだが俺の考えていることを読めるみたいで、それを口にするのはやめてほしいものだ。

無駄にドキドキしてしまう。


「五明が美也子を好きにならなければ意味がない」

 もちろん人として、他人の感情を大切にすることは基本だが、美也子にとっては成功体験…兄日向さんや父から離れたこと、また母がずっといなかったことを埋めるほどの存在ができることがかなり重要なはずだ。


 そして美也子がそれに依存しないくらい心に満ちたものがあること。

「そうやって誰彼構わず愛を振りまくの?」

 どうやら恋愛観は千種と異なるらしい。

 意味が違うはずなのに…恋は盲目…仕方がない、俺たちはまだ10代半ばだ。


「そんな都合良くいかないもん」

 そういや見た目に反して本質は割とネガティブな美也子。

「その可能性もかなりあるけど…うまくいかなかったら愛人になるか?」

 再び千種に激怒されるのを覚悟して冗談混じりに告げてみる。

「こんな怖い女の旦那を寝取ったら後が怖いもの」

 やんわりと断られた。

 そこだけ千種を女呼びかよ…。


 千種は苦笑すると

「中学であなたに恋していたわけではないと知ったから…意地を張るのはやめなさい」

 と優しく美也子を諭した。

 なんつーかほんとの姉みたいだ。

「うん」

 いつもの美也子とは程遠い素直さで頷いた。


 とりあえず五明のことを調べてみるか。

 即席の五明会議は終わり、俺と千種は美也子に付き添いながら玲先生のアパートに送り届けた。


 ・・・

 さて翌日。

 登校しながら千種と話す。

「どうするの?」

 五明のことだ。

 俺が知っているのはせいぜいがバッターとしてのこと。いくぶんかストライクゾーンが広く、多少のボールでも自分が打てると判断した球には躊躇いなくスイングにいく。


 だからと言ってそれが恋愛に直接結びつくと思わない方がいいだろう。

 あまりに短絡だ。


「そうだな…まずは回りからどんな人間なのか確かめてみるか」

 五明を知るのはやはりチームメイトだろう。

 すなわち、市川と後藤に聞いてみることにしようか。


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